台湾B級グルメ「意麵」発祥の地、あるいは「ロケット花火&爆竹祭り」の開催の地として知られる台南・鹽水は、『昔ながら』を感じられる町でもあります。
その中心的存在が、古跡「鹽水八角樓」です。1847年砂糖の貿易業で財を成した富豪・葉開鴻氏とその息子たちにより10年の歳月をかけて建てられました。現在は台南市の指定古跡として一般に開放されています。
八角樓という名前から、ナビは勝手に正八角形の塔らしき姿を想像していましたが、実際には洒落た邸宅といった趣。その名は八角形の屋根に由来しているそうです。
1階は石灰石レンガ、2階は福州杉と、どちらも中国から運んだ建材で造られています。元々は一進・二進・三進と、道路から奥へと建物が続く伝統的な閩南建築(台北・迪化街の商店のような建物)でしたが、道路の拡張や戦火により現存するのは三進のみ。当時は300坪ほどもあったそうです。
突き出たように見える2階の回廊部分には、ブラインド風の木製の窓(百葉窗)が備え付けられ、また裏門には18片の菊の花を模した飾りも。
これは乙未戦争勃発後、日本軍が台湾に上陸し、伏見宮貞愛親王の休憩場所・指揮拠点として使われていたためで、敷地内には台湾統治50年(1943年)の際に建立された「伏見宮貞愛親王御遺跡鹽水港御設營所」と刻まれた石碑が、今も残されています。
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台南に生まれ、東京帝大に学んだ盛吉は、のちに当時の国民党政府により処刑されるという悲しい最期を迎えます。時代に翻弄された彼の人生は、『ある台湾知識人の悲劇―中国と日本のはざまで 葉盛吉伝』に詳しく記されています。著者である楊威理氏は、盛吉と共に東京帝大で学んだ友人で、この本は日本語で出版されています。 |
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次に向かったのが、八角樓からほど近い場所にある「永成戲院」です。もともと精米所兼倉庫でしたが、戦後は映画や芝居が上映される劇場に。やがて時代の流れと共に衰退し閉鎖されましたが、修繕工事が行われ、往年の趣を再現した現在の姿に生まれ変わりました。 |
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館内には古い映写機やポスター、スターのサインなどが飾られ、レトロなムード。当時のままというヒノキの長椅子は、固く長時間の観劇にはお尻が痛くなりそうですが、よーく見ると工夫があって、後ろに行くほど椅子の足が長くなっているのです。先人の知恵が光ります。 |
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記事登録日:2023-03-14
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やっぱりウワサ通りだった…怖くて逃げまどいながらも、終わってみればなんだか…楽しかった!