5月2日(土)~6月21日(日)、「詠江山樓特展」が台北市延平北路二段27号の「URS27」で開催されています。日本統治時代、「江山樓」は高級官僚や風流名士が集った大酒樓(台湾風料亭のようなものでしょうか)でした。
展覧会が行なわれている「URS27」の建物自体は、昔は「茶行」(茶葉店)で、実際の「江山樓」があった場所はこのすぐ近くで、現在は住宅ビルになっています。「URS27」の一階で注目すべきは、当時の民政長官であった後藤新平氏が詠んだ「江山樓」の歌かもしれません。
5月2日の初日は、当時の宴会料理の再現ということで、台湾大手食品会社の「義美食品」の主催で、記者会見が行なわれ、その後建物や歴史の紹介があって、実際に食事となりました。
料理の腕を振るったのは、台湾の有名な料理家である阿忠師。数々の国賓宴会料理を手がけていた有名シェフ直々のスペシャルメニューというので、一般からも申し込みが殺到、抽選で選ばれた方々のみの参加です。
大稲埕で医院を開設していた蒋渭水氏も「江山樓」の常連でした。展示会が2階で行なわれていて、この日はお孫さんにあたる蒋朝根氏の歴史紹介がありました。蒋渭水氏は、宜蘭出身の社会運動家で、日本統治時代に台湾文化協会及び台湾民衆党を創設した左派非暴力民族運動の指導者の一人。
アヘン販売や霧社事件を訴えるなどもし、日本時代は何度も逮捕されていますが、彼の活動は現在でも台湾で高く評価されています。遺言であった「同胞須団結,団結真有力(同胞は団結すべき、団結こそが力なり)」の達筆は、2階に展示されています。
さて、この日の最初は「松露烏魚子」。松露はトリュフで当時はありませんでしたが、それほど豪華だったということを表しています。前菜だけで6種類。玫瑰魯肝王、鴨子賞月、彩虹塔、穿身蜇、紅糟雞が続きました。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2015-05-03