台湾プロ野球!開幕戦に行ってきました!

2012年の台湾プロ野球開幕戦を観戦しに、台北の天母棒球場へとやってきました!!

こんにちは!台北ナビです。今回は台湾プロ野球の2012年開幕戦にメディアとして行ってきたので、さっそくレポートしちゃいます☆日本では何度も球場に足を運んでいるナビですが、台湾の生観戦ははじめて!ワクワクしながら天母棒球場へと向かいました。天母棒球場は台北駅から約15分の芝山から車で10分というアクセスの良さから、毎年開幕戦が行われている大きなスタジアムです。雨天続きの台北でしたが、開幕日の3月17日は天候にも恵まれ、試合開始前からかなり盛り上がっていましたよ!

一時期に比べ人気が低迷した台湾プロ野球ですが、開幕戦は満員御礼で大盛り上がり。日本野球から多くを学び、また日本の野球人との交流も深い台湾プロ野球は、私たち日本人にとっても楽しめるポイントが満載。新しくて懐かしい、そんな台湾野球の魅力に迫ります!

不祥事からの脱却を目指しています!

25年ほど前は大ブームだったという台湾のプロ野球ですが、相次ぐ八百長疑惑や連盟の合併などゴタゴタが続き、今ではチームもたった4つに縮小。残念なことに以前ほど人気がないのが現状です。それでも台湾人にとって野球は馴染みのあるスポーツで、今でも毎試合テレビ中継されているんですよ!北京オリンピック予選も台湾で開催されましたが、そうした国際大会の招致にも積極的で、イメージ回復への努力は続いています。
さて、そんな中2012年を戦うのは、統一ライオンズ、兄弟エレファンツ、ラミーゴモンキース、興農ブルズの4チーム。2011年のチャンピオンは統一ライオンズです。
ちなみに台湾はまだ日本ほどフランチャイズ化が進んでいないので、どのチームも主に使う球場があるだけで、はっきりとした本拠地はありません。チーム名もおおむね企業名で呼ばれています。

野球場はオシャレなエリア天母に

天母棒球場の正面

天母棒球場の正面

高島屋はすぐ隣です

高島屋はすぐ隣です

さて、今回天母棒球場で開催されたのは、統一ライオンズ対兄弟エレファンツの開幕戦でした。陽明山をバックにした天母棒球場は、1999年にできた約10000万人を収容できる球場です。2002年には当時の福岡ダイエーホークスとオリックスブルーウェーブの公式戦が行われたこともあるんですよ。
MRT淡水線の「芝山」駅から、車で10分ほどのところにあります。試合前後には無料の送迎バスが出ていますが、タクシーでも片道100元ほど。送迎バスは試合後に乗ろうと思っても長蛇の列、猛ラッシュになるので、帰りに乗るタクシーを確保しておくのがおすすめです。またもう一つの方法として、近くにある高島屋や三越の送迎バスを使うという手もあります。天母は百貨店が充実している上に、オシャレなお店も多く、混沌とした台北中心部とはまた違った洗練された雰囲気。少し早めに到着して散策しても面白いと思います。
MRT芝山より車で10分

MRT芝山より車で10分

球場裏手にある三越の送迎バスも

球場裏手にある三越の送迎バスも

試合前後には専用バスが

試合前後には専用バスが

球場とMRT芝山駅の間で出ていますが…

球場とMRT芝山駅の間で出ていますが…

試合直後はこの行列!

試合直後はこの行列!

球場の向かい側にはバットとボールのオブジェが

球場の向かい側にはバットとボールのオブジェが

2階への階段踊り場にはミットのオブジェ

2階への階段踊り場にはミットのオブジェ

球場の外はすでにイベントムード

バッティングセンターに

バッティングセンターに

子供が遊べるスペースも

子供が遊べるスペースも

乾麺の屋台も盛況

乾麺の屋台も盛況

この長蛇の列の先は…

この長蛇の列の先は…

半券でアイスクリームがもらえるのでした

半券でアイスクリームがもらえるのでした

この日は開幕戦とあって、球場の周りもすでに盛り上がっていました!
どうやらこの試合は統一ライオンズのホームゲームらしく、統一仕様のバッティングアトラクションや、子供用の遊具が用意されていて、親子連れもいっぱい。また、スポンサーである統一の商品「巷口乾麺」の屋台も出ていて、たくさんの人が集まっていました。球場の前で乾麺というのがなんとも台湾風!
こんなに人で溢れている割には、チケット売り場は空いていて、行列もなし。今ではネット予約や、セブンイレブン店内の機械で買えるサービスもあるので、すでに前売りで入手している人が多いようです。当日購入できる自由席は残りわずか!内野自由席は一枚250元でした。チケットの半券もいい記念になりますね!
自由席は当日窓口でも買えます

自由席は当日窓口でも買えます

半券もいい記念に

半券もいい記念に

球場内にはたくさんの出店が

セブンイレブンの出張コンビニ

セブンイレブンの出張コンビニ

飲み物やスナックを売ってます

飲み物やスナックを売ってます

ピザハットも出店

ピザハットも出店

ポップコーンもありました

ポップコーンもありました

入口を抜けると、客席までのブースに出店が出ていました。実は台湾のセブンイレブンは統一の傘下なので、セブンイレブンの出張コンビニもできていました。ポップコーンやピザ、夜市でもおなじみの香腸(ソーセージ)の屋台も。野球を見ながら小吃を食べるなんて、贅沢な時間ですよね~。
そして、見つけました、チームノベルティグッズ!日本のプロ野球も、チームごとにさまざまなグッズが販売されていますが、台湾も負けてはいません。一塁側、統一のグッズ売り場には、チームマスコットのぬいぐるみやメガホンはもちろん、ボディソープや子供服も。三塁側の兄弟も、人気選手のリストバンドやストラップ、リュックに帽子と盛りだくさん。ちょっと変わったお土産として喜ばれるんじゃないでしょうか。
こちらは兄弟側のグッズ売り場

こちらは兄弟側のグッズ売り場

定番のメガホンももちろんあります

定番のメガホンももちろんあります

試合前はこの人だかり

試合前はこの人だかり

リュックやタオル

リュックやタオル

チームロゴや先週の写真入りクリアファイル

チームロゴや先週の写真入りクリアファイル

帽子もいろんな種類がありました

帽子もいろんな種類がありました

人気選手の背番号入りリストバンド

人気選手の背番号入りリストバンド

ストラップもたくさん

ストラップもたくさん

こちらは統一側。兄弟よりコンパクトな売り場でした

こちらは統一側。兄弟よりコンパクトな売り場でした

ボディソープもあります

ボディソープもあります

もちろんTシャツなんかもあります

もちろんTシャツなんかもあります

これはユニホーム型Tシャツ

これはユニホーム型Tシャツ

ラインナップはこの通り

ラインナップはこの通り

選手名鑑を探して

でも野球好きのナビとしては、肝心なものが見つかりません。
そう、2012年の選手名鑑です。
日本の球場ならば、売店という売店に選手名鑑が置かれているもの。ですが、チームのグッズ売り場には見当たりません。店員さんに尋ねると、「連盟グッズの売り場にあると思います」とのこと。連盟グッズ?と首をひねりながら言われた場所に行ってみると、開幕戦の特別売店ができていました。開幕記念ボールやTシャツ、2011年の記録本なんかもあります。ここで売っている「360期職棒雑誌」というのが選手名鑑でした。
オープニングゲームの特設グッズ売り場

オープニングゲームの特設グッズ売り場

「職棒雑誌」というのは、台湾の野球雑誌「職業棒球」のことなんです。この雑誌は日本の「週刊ベースボール」のような台湾プロ野球の専門誌で、台湾野球の情報が満載。書店やコンビニでも発売しています。ただ、名鑑号といえども定期刊行物なので、発売期間が過ぎてしまうと新しい号が出て、名鑑は店頭では買えなくなってしまうそうです。観光客にはちょっと不便ですが、バックナンバーとしてネットでなら購入可能とのことでした。
球場で確実に買えるのはオープニングゲームだけなんですが、1冊139元とお手頃で、選手情報に星座やお給料額が書かれていたりと台湾ならではの面白さもあるので、ぜひ入手してほしい一冊です。
これが選手名鑑です!

これが選手名鑑です!

親善試合の侍ジャパン詳細も

親善試合の侍ジャパン詳細も

いよいよ球場の中へ!


ゲートをくぐるとグラウンドが広がる開放感は日本も台湾も同じ。ワクワクします~。
天母棒球場は外野部分に観客席を作っていないので、内野席から球場の向こう側の景色がバァーッと広がっています。
台湾の野球場の多くがこういう作りになっているようですが、ここ天母は球場の向こうに陽明山が見えるので、すごく気持ちがいいんですよね!

賑やかなセレモニーがスタート

試合前に両チームのバッティングや投球練習を間近で眺められるのも生観戦ならでは。カキーンという乾いたバットの音が鳴り響く中、観客たちは思い思いに応援グッズや食べ物を広げ、観戦の準備をしていきます。このまったりした空気もいいのですが、この日は開幕戦ということで、さまざまなセレモニーが用意されていました。
地元の学生たちが統一のユニフォーム型巨大フラッグと、台湾国旗を広げてグラウンドを華やかに彩ると、まず、MATZKAというバンドによる演奏が始まります。大音響のライブに選手たちもベンチから身を乗り出して見ていました。次に台湾の人気歌手・倪安東(アントニー)が登場し、スタンドから黄色い歓声が。
さらにセブンイレブンの人気マスコット、オープンくん率いるキャラ軍団が登場し、軽やかなダンスを披露してくれました。最後は統一のマスコットがオープンカーに乗って登場!賑やかな演出にイベントムードが一気に高まります。
まったりムードの試合開始前

まったりムードの試合開始前

統一がバッティング練習中

統一がバッティング練習中

開幕セレモニーが始まりました!

開幕セレモニーが始まりました!

バンド「MAZKA」による演奏が始まると…

バンド「MAZKA」による演奏が始まると…

身を乗り出す選手たち

身を乗り出す選手たち

ストレッチも一時停止

ストレッチも一時停止

ダンスのスタンバイをするキャラ軍団

ダンスのスタンバイをするキャラ軍団

オープン君とじゃれあう選手たち

オープン君とじゃれあう選手たち

あ!バットがキャラに…!

あ!バットがキャラに…!

いよいよ両チームの選手が入場!

ホーム側統一の選手はキャラクターたちと一緒に入場

ホーム側統一の選手はキャラクターたちと一緒に入場

統一の監督は日本人の中島輝士氏です

統一の監督は日本人の中島輝士氏です

統一スタンドで配られていたボード

統一スタンドで配られていたボード

オープニングセレモニーの興奮冷めやらぬ中、両チームの選手が紹介され、アナウンスとともにグラウンドに登場しました。そうそう、統一の監督は日本人で、日本ハムと近鉄で活躍した中島輝士氏なのです。中島監督は統一の選手紹介の最後に登場し、「中島サン!」とアナウンスされていました(笑)。
選手が揃ったところで観客もみんな起立して、台湾の国歌を斉唱。続いて始球式と進んでいきます。始球式の打席にはキティちゃんが立って、ひとしきり盛り上がったところでプレイボール。ちなみに両チームのユニホームですが、ホームの統一がオレンジに緑、兄弟は黄色に黒と実に鮮やか。この原色を思い切って使う色彩感覚、日本とはちょっと違いますね。
オレンジ対黄色といっても、巨人対阪神よりずっと派手なんです。もちろんスタンドもチームカラー一色。この日統一側ベンチでは、大きなTシャツ型の応援ボードを無料で配っていて、見事にオレンジに統一されていました。そうこうしているうちに会場はいっぱいに。開幕戦は満員御礼ということでした!

ない!ない!ビールがない!

いよいよ始まった2012年の台湾プロ野球ですが、試合の行方とは別に、ナビにはひとつ気になって仕方ないことがありました。それは…ビールを飲んでいる人がほとんどいない!ということです。
たまに自宅から持参したと思われる缶ビールを持っているお父さんを見かける程度。そういえば売店でもビールは売っていませんでした。日本では、背中にビールを背負った売り子はすっかり馴染んだプロ野球の風景ですが、それもなし。誰もがピザやポテトチップス、香腸を食べているというのに!もちろん何を飲むかは自由なんですが、ビール片手に野球観戦という日本の文化がすっかり染みついたナビには、どうも違和感が。
この日は夕方になっても気温が下がらず、25度前後という初夏の陽気でしたからなおさらでした。
やっと登場したビールの売り子

やっと登場したビールの売り子

やっぱり野球観戦はこれがなきゃ!

やっぱり野球観戦はこれがなきゃ!

そんなモヤモヤした気持ちでいたところ、試合開始15分ごろに、突然ビールを背負った小姐が現れました!
サントリープレミアム一杯50元。これだよこれ!とひとり興奮していたのですが、値段のボードを持った人たちがバタバタしていたり、わざわざ球場スタッフがついていたり、もしかしたら試験的な販売だったのかもしれません。けっこう人が集まっていて売れ行きは良さそうだったので、今後も続けて販売されますように、と切に願ったナビでした。

初戦を制したのは兄弟!

試合は初回から兄弟が四番・彭政閔のタイムリーで先制。統一もその裏にすぐに同点に追い付きます。しかし、統一が2回裏に満塁のチャンスを逃すと、流れは兄弟に。兄弟は彭政閔が大活躍。4回にチャンスを作って長打を放って得点につなげると、5回表にもタイムリーを打って4-1と兄弟を勢いづけます。
統一は6回裏にもランナーを3塁まで進めますが、この2アウトからのチャンスで5番の張泰山が凡退してしまいました…。7回に1点ずつ追加して、5-2となった8回裏、統一打線にようやくエンジンがかかりだし、6回に絶好のチャンスを逃した張泰山が汚名返上のソロホームラン。5-3として最終回へと望みをつなぎます。
そして、迎えた9回裏。2アウトから代打のバッターが出塁し、王者の意地で最後まで見せ場を作った統一でした…が、期待の長打者、潘武雄が三振に倒れて逆転ならず。初戦は兄弟に白星がつきました☆
両先発の紹介。統一の先発はオリックスにも在籍したレスター

両先発の紹介。統一の先発はオリックスにも在籍したレスター

スコアは5-3で兄弟勝利

スコアは5-3で兄弟勝利

ファンに勝利報告をする兄弟ナイン

ファンに勝利報告をする兄弟ナイン

見どころ満載の開幕戦でした!

統一のラストバッターとなってしまった潘武雄は、3月11日に行われた侍ジャパン(日本プロ野球代表)との復興親善試合で、楽天の田中将大からホームランを打った選手なんです。あのバッティングでドラマを起こしてくれるかと思いましたが、残念!しかしシーズンはまだまだこれから。今後も注目の選手です。
兄弟の四番・彭政閔は猛打賞の活躍。こちらも親善試合の台湾代表に選ばれました。彼の背番号23のグッズはたくさんあったので、すでにリーグを代表する人気選手のようです。足も速く本当にいい野手でした。台湾人の大らかな性格から、もっと大味な試合を予想していたナビでしたが、これまで日本からコーチや選手が何人も来ているからか、継投も細かく、ピッチャーもいろんなタイプがいて、日本野球の特徴がずいぶん取り入れられていると感じました。
今年は統一に3人の日本人がいます。中島監督のほか、ピッチングコーチに広島と中日で活躍した紀藤真琴氏、選手ではピッチャーの鎌田祐哉選手が今年から統一に入団しています。
統一のDH潘武雄は長打力が魅力

統一のDH潘武雄は長打力が魅力

田中将大からホームランを打った選手です

田中将大からホームランを打った選手です

統一は細かい投手リレーでつなぎます

統一は細かい投手リレーでつなぎます

ピッチングコーチは元広島―中日の紀藤真琴氏

ピッチングコーチは元広島―中日の紀藤真琴氏

ヒットを打った選手には「我愛你!」という声援が

ヒットを打った選手には「我愛你!」という声援が

台湾プロ野球は楽しめること間違いなしです!

球場の一体感も楽しい!

球場の一体感も楽しい!

選手たちにはそれぞれ応援歌もあり、応援団と思われる人たちが、内野の真ん中で応援の指揮をとっていました。トランペットの演奏やメガホンでの応援も、日本人にとっては馴染みのあるものばかり。
ただ、すっかりドーム球場が定着し、5万の観客に囲まれるようになった今の日本野球に比べると、青空の下、観客1万人という規模はすごくアットホームな感じがしました。もしかすると、日本のプロ野球が一時代前に持っていた雰囲気なのかもしれませんね。
野球に興味のある方は、とにかく一度球場に足を運んでみてください。懐かしさといろんな発見で、楽しめること間違いなしです!
あ、ビールは持参してくださいね。念のため。
以上、台北ナビでした☆

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-04-03

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