花博•美術公園エリアの散策はいかが?

美術館でアート鑑賞もよし、花博園内唯一の古蹟も楽しめます!

こんにちは、一青妙です。
私は2010年11月6日より始まった国際花博覧会に来ています。アジアで7回目、台湾では初めての開催となる花博。ついこの間閉会式を迎えた上海万博とはまた違った楽しみ方ができるんだろうな~と思って楽しみにしていました。
花博会場は4つのエリア、14の会場に分かれていて、エリア同士の移動は結構距離があるし、会場ごとに見所満載なので、数日に分けて見る事をおすすめします。
私が今回訪れたのは美術公園エリアの庭区。
ここには
● 蝶館
● アロマ館
● 迎客館
● 故事館(故事茶坊が隣接しています)
● 美術館
● 世界庭園
の6つの見所があります。
全部回る意気込みで、頑張っていざ出発!

■ 故事館■

今回の花博会場内で唯一の重要文化財である「故事館」はイギリスのチューダー様式の建物。
「チューダー様式」とは、イギリスのチューダー朝時代の建築様式のこと。建物の外観は、急勾配の切妻屋根に交差するフロントゲーブルと構造を表したハーフティバーが最大の特徴で、壁は白スタッコで化粧が施され、1階はレンガ積みの構造が用いられたものが多く、コントラストが効いています。煙突がある建物が多く、ガラスを利用した窓が増え、細長い張り出し窓が特徴的。
故事館もその特徴が良く現れている建物で、使われている窓ガラスの70%は100年前のガラス。現代のガラスよりも精度が落ちるため、近寄ってみると気泡やしわ、うねりが見られますよ。こういうところから時代を感じられますね。

1914年、台北のお茶商人であった陳家がゲストハウスとして建てた建物で、1988年、台北市により重要文化財に指定され、2003年から「台北故事館」として一般開放されています。今回この歴史的な建物が花博の会場となり、「百年前のお洒落ライフ」と称し、室内に花をモチーフとしたアンティークを集め、百年前の台湾の有力者の生活様式を再現しています。どんな風になっているのか玄関を開けて入ってみましょう。

1階
● 庭園●
故事館の周りを取り囲んでいる庭園は7年の歳月をかけて栽培されたもの。
冬にもかかわらず、池には蓮の花が咲いていて、100種類以上の草花で埋め尽くされているイングリッシュガーデンは見ごたえ充分。
● 玄関●
建物の中に入って最初に目に飛び込んできたのは、日本製のビクトリア風コンソールテーブルの上に飾られた生け花。館内の生花は池坊。
● レセプション●
ゲストがこの建物を訪れた時にまず通されるのが玄関の左側にあるレセプション。
上着を脱いで皮のソファーに腰掛け、窓の外の草花を眺められます。
オーナーがとても有名なお茶商人だったため、ここに置かれている食器棚の中には茶筒のようなお茶に関するものが多く、当時(約100年前)のお茶のパッケージ、ポスターなども展示されています。
● リビングルーム●
菊をモチーフにした深紅の天津のカーペットが印象的なリビングルーム。中央には20世紀初頭のフランス式のソファーが置いてあり、向かって右側にはTiffanyのテーブルランプ、左側には日本の九谷焼があります。
更に1915年に日本から台湾に輸出されたヤマハのピアノや1930年のHMV蓄音機、日本で上の駅構内にある「翼の像」で有名な彫刻家•朝倉文夫に師事した台湾の彫刻家“蒲添生”の作品が飾られていて、ゴージャスな雰囲気。
● ダイニングルーム●
ダイニングテーブルはイギリスのヘップルホワイト様式。
その上にはロイヤルドルトンの食器に日本の切り子グラス、それにシルバーのスプーンや象牙のお箸。これを見ると、100年前の当時、食事をする時に流行っていたのは和洋折衷スタイルだということがわかります。
● バルコニー●
温室になっている一階のバルコニー部分。
何気なく置かれているティーセットは90年前のウェッジウッド。花と蝶が描かれている珍しい絵柄です。ここにも蒲添生•作の彫刻が展示されていました。
2階
● 吹き抜け●
台湾5大家族•板橋林家より提供された椅子。
とても細かい彫刻が施されています。また、その横に置かれているサイドテーブルには貝殻が埋め込まれていて、当時のお金持ちの家にはこのような家具がよく見られたとか。そういえば私の祖父の家にも貝殻が埋め込まれたこんな家具があった記憶が。どこに消えたんだろう。。。
● 廊下●
中国式の座面が大理石のアームチェアや広東スタイルのサイドテーブルが置かれ、洋館に当時は中国式の家具をどのように合わせていたかがわかります。また壁には清朝末期の著名な大臣•左 宗棠の書いた書が飾ってあります。
● 和室●
畳の和室には屏風や生け花、茶道の道具が置かれています。
● 書斎●
日本統治時代に日本と台湾間(神戸〜基隆)を往来していた高砂丸の模型や地球儀、1920年代のラジオ、タイプライターなどがロココ調のデスクと混ざって、好奇心をくすぐる空間となっています。
ちなみにこの高砂丸は台湾で大ヒットした映画「海角7号」のモデルでもあるんですよ!
● 寝室●
台湾スタイルの寝室。鉄製のベッドには天蓋がついていて、精巧な刺繍が施されています。
ベッドの上にはこの家の持ち主だったご夫人のガウンもみられます。
ドレッサーは五大家族•高雄陳家から提供されたもので、その上にはジュエリーボックスや香水瓶、鏡、扇子などが載っています。
● 浴室●
浴室のタイルはオリジナルのもの。フラワーモチーフでまるで100年前から今回の花博に合わせて貼られたように感じました。今でもそのまますぐに使えそうな浴室設備は当時とても珍しかったそうです。
3階
故事館は3階建て。老朽化のため見学は出来ないけれども、元々は家主がタバコを吸ったり、映画好きで映画を見たりするために造られた部屋。当時は周りを遮蔽するような高層建築がなかったため、素晴らしい眺望が望めたみたいですよ!登って見られないのが残念。
〜故事館について〜
今回の花博に合わせて花をモチーフにした700余りのアンティークが展示されています。
噂によると2億台湾ドルもの保険金がかけられているとか!外の花博会場とは全く違う、ゆったりとした時間が館内には流れていました。入場者制限があって、30分ごとの一回の見学者数は30人。朝9:00~から故事館の前で当日入場整理券を配布しています。大変な人気で、大体午前11時には当日分の整理券は全て配布し終わるとの事ですから気をつけて下さいね。なお、館内は撮影禁止です。

■ 蝶館■

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独特な形をした蝶館。
曲げられたスチールの骨組みにグレーと白2色の光を通す屋根素材を組み合わせて造られた建物は、遠くから見ると蝶のサナギのように見えます。日中は日光が屋根から入って来るので明るく、省エネ設計となっているんです。
1200人を収容できるセミオープン式の舞台では期間中様々なイベントが行われていて、私が行ったときは「百合の恋〜The First LILY〜」という台湾原住民のルカイ族神話をモチーフにした物語が上演されていました。演劇をやっている私は、台湾の演劇にとても興味があったのですが、満席で入場できず写真のみ。見たい回の5時間くらい前にチケットを取らないと見られないそうです!
外のモニターから眺める限り、なかなか本格的で、ミュージカル風で日本の四季のような感じでした。
「百合の恋〜The First LILY〜」は2011/1/4までの上演です。

■故事茶坊■

故事館に併設されているのは台湾で有名なランディスホテルが経営しているカフェ。
花博セットがあると聞いて早速お邪魔しました。店内は白を基調とした清潔感の有るお洒落な雰囲気。オープンテラスの席も沢山用意されていて、お天気が良いときはこちらの方が気持ちよいかも!
● Story Set●
150元コースメニューのなかで花博用にアレンジされたメニューを注文。
前菜〜梅汁桂花鮮蟹〜トマトと蟹の前菜•梅汁桂花
リンゴやすりおろしトマトを小エビに混ぜ、金木犀の花を梅と甘く煮詰めたものと絡めた一品。絡めたソースが甘いので、ちょっとしたデザート感覚。面白い味でした!
メイン〜落神花ソースがけチキンロール
チキンロールといっても、チキンをムース状のパテにしたものでとても柔らかい食感。椎茸なども練り込んでいるので手間をかけているのがわかります。添えられているのはハイビスカス(落神花)を甘く煮たもの。鮮やかな色がとても綺麗!
パン~2個
飲み物〜Tea or Coffee
デザート〜ケーキ(今回はチーズケーキ)
甘いものに目がない私。しっかりとしたチーズケーキでとても美味しかったです。
☆おまけのもう一品
メイン〜豚バラ肉のライスケーキ載せ
お店の人がお勧めしてくれた別のメイン。ランディスホテルでも有名な豚バラ肉の料理。しっかりと食べたい人にはかなりボリュームがあるからばっちり。添えられていたポテトがカリカリでとても美味しかったです。
☆ その他のメニュー
パスタや牛肉麺、サンドイッチなどもあるのでお好きなものを!
●Afternoon tea Set●
14時30分から17時までの限定メニュー。
360元の2段のアフタヌーンティーセットを注文!下の段にはカレーパイ、カヌレ、フィナンシェ、スコーン。上の段には抹茶ケーキ、チョコレートケーキ、タルト、ビスケット。更に別にパンナコッタも!
熱々のコーヒーとセットで大満足。
☆ 単品デザートで花博限定品
〜ローズエクレア〜
ピンク色のクリームが詰められたエクレア。4つのラズベリーと一緒に盛られてきました。エクレアを4等分して、ラズベリーと一緒に食べてほしいと店員さんから勧められ、そのように食べたら、クリームの甘みとラズベリーの酸味が絶妙に混ざり合い、美味しかった!ピンク色のクリームを見たときは、毒々しい色だったので、甘すぎる予感がしていたけれども、そんなことはなく、本当に美味しかったです。
〜故事茶坊について〜
ランディスホテルは台湾で5つ星の高級ホテル。
そのホテルで出しているお料理とサービスをここで受けられるとあって、店内のお客様の年齢層は幅広く、わざわざここだけを目当てにお茶しにくる人もいるそう。オープンエアで食事をしていると、目の前の広場で運良く客家の豊作の舞いが見られました。重要文化財である故事館と美術館に囲まれた故事茶坊、花博会場内で唯一ゆっくりと座って食事をしてお茶ができる場所なので、覚えていて損はないと思いますよ!
ちなみに私は、ここのスイーツは美味しいと感じました。甘党の方はぜひ行ってみて下さいね!!

■アロマ館〜記念品ショップ〜■

アサガオの花びらをイメージして造られた建物。
開放式設計で周囲は壁や窓ガラスがなく、竹で作られた目隠しパネルで室内外を隔てているという面白い設計。
一階には花博グッズが沢山あります。花博キャラクターのぬいぐるみやタオル、コップ、メモ帳などなど。
私が発見したのは日本と台湾を片面ずつ印刷したクリアファイル!日台交流に役立つ事間違い無しのプレゼントだと思いませんか?!

■ 美術館■

台北市立美術館は花博期間中、特別展としてゴーギャン展を開催しています。
美術館2階は花博に合わせて特別にガラス張りにしています。美術公園エリアの花博会場や圓山公園、基隆河を一望することもできるんです!2011/2/20までやっているので、足を運んでみてはどうですか。

■ 世界庭園■

34個のブースからなる世界庭園エリア。
リゾート気分ばっちりの所やオリエンタルな雰囲気の所など一つ一つ回ってみるのも楽しいかも。
〜花博に来て〜
今回花博にきて思った事はとにかく広いこと。時間に余裕を持って頑張りすぎないで見学してくださいね!
園内は日没後からライトアップされ、昼間とは全く違った風景になるので、日を改めて、ナイトパスで夜の会場を散策するのも綺麗ですよ。更に夜だと昼間長蛇の列だった会場にも入れる事もあるかも!
花博はまだまだ開催中ですので、ご来場をお待ちしております。

基本情報

開催期間:2010/11/6〜2011/4/25
電話番号:(02)2182-8886
開園時間:午前9時から午後22時(入園は午後21時まで)
HP http://www.2010taipeiexpo.tw

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2010-12-21

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