第21回夏季デフリンピック

聴覚障害者のオリンピック「デフリンピック」が、アジア初ここ台北で開催されました!

こんにちは、台北ナビです。みなさんはご存知でしたか?「デフリンピック」。実はナビは残念なことに知らなかったのです。でも今回は、ここ台北での一大イベントということで、早々からCMや街中のポスターなどで広告され、ナビも注目することに…本当は開幕式に行きたかったのですが、そんなに混まないだろうと、日も迫ったところでチケット探しを始めたら…ナイ!そこでナビたちは…

「デフリンピック」って?

まずはデフリンピックについて。今回デフリンピックは第21回目。デフリンピックとは、国際オリンピック委員会が「オリンピック」の名称使用を許可する聴覚障害者のための国際総合競技大会。オリンピック同様4年に一度開催されています。今回の開催地台北は、なんとアジア初の開催地。台湾で開催される国際大会としては史上最大規模となりました。それでCMなどのキャッチコピーでは、「亞洲第一次,臺灣的驕傲!(アジア初、台湾の誇り!)」と謳っていたわけです。もうひとつ目にしたキャッチコピーは、「POWER IN ME!無聲的力量(無音の力)」。さらに、今回はデフリンピックとしても史上最大規模で、20種の競技種目に、過去最多となる100以上の国と地域、4000人以上の選手が参加しました。ハンディキャップをものともしない白熱した戦いは、9/5~9/15の10日間行われました。

華麗なる開幕式

会場

会場

スタッフが取材を受けていました

スタッフが取材を受けていました

開幕式のチケットがナイ!さすがお祭り好きな台湾人。しっかりチケットの準備をしていたんですね…でもナビたちは諦めませんでした。ナビ社長が開幕式の予行練習のチケットをネットオークションで見つけてくれたんです。予行練習のチケットまでOPENでは買えなくなっているなんて相当じゃないですか!?というわけで、ナビ一行は9/3予行練習日に出掛けてきました~。
会場は7/23に完成したばかりの「台北市体育場(今回のアスレチック会場)」。あいにくの雨でしたが、チケットの売れ行き通りすごい人でした。入場の際のチェックはかなり厳重。水以外の飲食物・ビデオカメラ(カメラはOK)も持ち込み禁止です。その際、光るタンバリンとスティックライトをもらいましたー。
厳重チェック

厳重チェック

オリジナルグッズだ

オリジナルグッズだ

すごい人の数

すごい人の数

台北市はこの一大イベントをスポーツと文化の総合的な祭典とするべく、開幕式は、アジアを代表する演出家であるスタン・ライ(頼聲川)が総監督を務めました。驚くことに、この日のために1年9ヵ月にわたり準備が行われてきたそう。また、アメリカのクリエイティブ集団「ブルーマン・グループ」や台湾の伝統芸能、歌仔戯劇団の「明華園」などを招き、12のプログラム構成となりました。まさしく本番と見紛う華麗なる演出をご紹介します。
会場はライトの使い方がとってもキレイ

会場はライトの使い方がとってもキレイ

いよいよ始まりますー

いよいよ始まりますー

太鼓のパフォーマンスから始まりました

太鼓のパフォーマンスから始まりました

台湾の太鼓パフォーマンス団体「優人神鼓」、大規模です!

台湾の太鼓パフォーマンス団体「優人神鼓」、大規模です!

第21回夏季デフリンピック デフリンピック 大会 スポーツ オリンピック 日本選手 世界で最も有名な聴覚障害者の打楽器奏者であるエヴェリン・グレニー

世界で最も有名な聴覚障害者の打楽器奏者であるエヴェリン・グレニー

「優人神鼓」、エヴェリン・グレニー、そして80人以上の聾学校の生徒たちとともに8分間のパフォーマンスを行いました。耳が聞こえないとタイミングを計ることが難しく、そのため、ステージの四隅には彼らに合図を送る人が立っています。
続いては、台湾で最難関といわれる女子高「台北市立第一女子高級」の鼓笛隊の演奏・行進が行われました。その後について、大会の会旗が。そして、6人の軍人が一糸乱れぬ行進で中華台北オリンピック委員会会旗を運びます。ここでは観客も起立するよう促され会旗掲揚。
「海と大地の伝記」が、ナビはいちばん印象に残っています。それはそれはキレイでした~。ライトのおかげで本当に海みたい。夜の暗闇に浮かび上がる青の光がキレイで鳥肌が立ったくらい。しかも規模が大きく、何百人?もの水色の上下を着た演者が猛ダッシュで入ってきました。テーマが海から田へと変わり、彼らが隠し持っていた緑の穂を一斉に出すと、一面が瞬く間に緑の世界へと変わります。その中を、聴覚障害者の少年が牛に見立てたものに乗って登場。
「不可能な夢」では、トップモデルのパティーナ・リン(林嘉琦)が、素肌に彩色のみを施した姿で女神に扮し登場します。そして、「ここは美しき土地、心を込めれば願い叶う。それがあなたの持つ力」というメッセージを世界に向けて手話で訴えました。
「神秘水塘」 「神秘水塘」 「神秘水塘」

「神秘水塘」

第21回夏季デフリンピック デフリンピック 大会 スポーツ オリンピック 日本選手 第21回夏季デフリンピック デフリンピック 大会 スポーツ オリンピック 日本選手 合図を送る人

合図を送る人

これもすごかった~!中国大陸から訪れた63名の聴覚障害者による「千手観音」のパフォーマンス。見惚れるほどの美しさで、会場も大いに盛り上がった瞬間でした。タイミングはやはり合図を送る人の動きに合わせて計ります。それにしても、一秒のくるいもないなんて、すごい訓練を積んでいるとしか思えません…最後に今年8月8日、88水害で被災にあった方たちへ励ましのメッセージも画面に映し出されました。
いきなりファイヤー!何が始まるのかと思ったら、大会のイメージキャラクターを務める歌手、張恵妹が登場!会場が一気に盛り上がりました。テーマソング「聞こえる夢」を披露。ビックリしたのがいきなりワイヤーに吊り下げられ、まさしく飛びながら中央のステージへ。翌日のニュースでは、彼女はあまりの高さに恐怖で泣いていたとか。でも歌声では全く気付きませんでした。さすがプロ!
神様だー

神様だー

ダンス!

ダンス!

台湾の有名食べ物が続々登場!

台湾の有名食べ物が続々登場!

選手入場の練習も行われました

選手入場の練習も行われました

その後、予行練習では本当に総統夫人の周美青や、台北市長も登場。聖火リレーも行われました。本番では、最後に馬英九総統が北京語、英語、手話で開始を宣言。予行練習でも、最後はやっぱり花火~。ドッカーンと華やかに開幕式は終了しました。ナビは初めてこういう式を鑑賞したのですが、大感動でした。終始鳥肌立ちっぱなし。これならチケットがネットオークションされるのも納得だな、なんて思いましたよ。

メダル数!

先に、気になる日本選手団が獲得したメダル数を発表してしまいましょう。日本は、金メダルが5個、銀が6個、銅が9個で、総合9位。ちなみに、メダルの数で見ると、1位はロシア、2位はウクライナ、3位は韓国、中華台北は5位、ロシアは参加者数でも1位でした。

開幕式の後は試合も見に行かなくちゃ、と思いつつ、ナビは台湾にいるとなかなか注目の日本選手の情報が入ってこないため、日本のサイトをググり、情報を集めました。今回ナビが見学しに行ったのは2ヵ所。卓球と柔道です。ほとんどの競技が台北市内の各会場で行われていましたが、水泳は新竹などと遠めの会場もありました。

9/8 9:00~卓球女子チーム戦VS中国
卓球女子の上田萌選手が注目されているとの情報で見に行ってきました。ナビ編集長はNHKで彼女が特集されているのも見たそうで、聴覚障害者が卓球の球を打つのは、風船を打っているみたいに大変なこととか。もし聞こえれば音で力加減を変えたりできるんですね。彼女のお兄さん上田大輔さんも卓球の選手で、今回は兄妹での参加となりました。全種目の中でも最もメダルに近い選手として、日本選手団のキャプテンにも指名されました。
試合は中国選手が先制。上田選手も一時追い上げたのですが…惜しくも敗退。日本からの応援団も駆け付け、声援が送られたのですが、残念でした。
しかし、卓球では女子チーム戦で銀。上田選手がシングルで、期待の金は惜しくも逃しましたが、銀を獲得。佐藤選手が銅、ダブルスで銅と、4つのメダルを獲得する健闘でした。


9/9 柔道男子半重量級90~100キロ
会場の警察学校

会場の警察学校

会場はにぎやかです

会場はにぎやかです

ロシア選手に一本勝ち

ロシア選手に一本勝ち

こちらも金メダルが期待される山田光穂(こうすい)選手。山田選手は滋賀県警の職員。平日は県警内の道場でほかの警察官を相手に約3時間の練習を積んでいるそう。今回、柔道の会場は、台北市の端っこ木柵方面にある警察学校でした。なんだか山田さんの職業と偶然重なりますね。普段は入れない警察学校。ナビもなんだかドキドキしながら足を踏み入れました。会場内は想像以上の人と盛り上がり。日本からも今回のデフリンピック選手団団長を含む応援団が訪れていました。先に、決勝戦進出をかけたロシア選手との試合。45秒を残し一本勝ち。ほどなくして決勝戦が始まり、モンゴル選手と金メダルを争う戦いに。今度も危なげもなく時間をたっぷり残した一本勝ちでした。アッパレ!ナビのそばで山田選手のご両親と思われる方が声援を送っていたのですが、お母様は感激で涙を流していましたよ。おめでとうございます!
第21回夏季デフリンピック デフリンピック 大会 スポーツ オリンピック 日本選手 ヤッター!金メダル(ガッツポーズでました~)

ヤッター!金メダル(ガッツポーズでました~)

そのほかには、空手、陸上、水泳で金メダルを獲得しています。
期間中は街中でユニフォームの選手たちを見かけたり、彼らが泊まるホテルや近くのコンビニスタッフも特別に備えたりとデフリンピック一色となっていました。ナビもこういったスポーツ観戦は初めてなのですが、改めてスポーツって見てるだけでもそのスピリットのようなものが伝わってきて、さわやかな気持ちにさせてくれるものだな、と実感しましたよ。スポーツ、始めたくなりました!
以上、台北ナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-10-07

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