「観光局長」独占インタビュー

台湾観光のエキパート、頼観光局長にお話しを伺いました!

こんにちは、台北ナビです。今日ナビは忠孝東路四段にある交通部観光局のオフィスへやってきました。政府機関でもあるので、あまり訪れることもないところですが、8階で降りて目の前の受付がとてもフレンドリー。官庁っぽいムードはなく、地元に根差した国内上場企業のような…役所っぽい匂いはあまりしませんね。傍らには観光パンフもいっぱいあって、台湾各地の名産、観光名所をここから探し出すことができました。
台湾現観光局長

2006年11月に観光局長に就任された頼瑟珍さん。頼局長は、観光局における勤続が実に30年。営業部や国際部、局内のほとんどの部署を渡り歩いてきているため、誰よりも台湾の観光に深い理解を示し、弛みない情熱をもって、台湾の観光国際化に向け積極的に取り組んでいる現在52歳、台湾初めての女性の観光局長さんです。
インタビュー開始

国際組のスタッフに連れられ、入ったのは来客室。奥中央には入口を向いたソファ椅子が2つあり、よくお国の代表2人が真中に座り、通訳が後ろに構えるといったスタイルのあれです。ナビはインタビューアーなので向かって右へ座ってと言われました。通訳も自分で。普段ちゃんとした中国語を話してないのを、この段階になって悔いてももう遅いでしょう。通じれば、なんとか…。

頼観光局長がにこやかに入ってきました。ほっそりと高めで、ふくよかなお顔は親しみがもて、ナビはちょっと安心しました。

ナビ:今年の観光のメインテーマの内容を教えてください。

頼局長:観光客が知りたいのは、観光局が何をやっているかではなく、旅行情報です。今年は「旅行台湾年」です。ご存じのように台湾の芸能人「飛輪海」の4人が観光大使になって、台湾の観光を盛り上げることに一役かってくれています。台湾はまず、若い日本人女性に来てほしい、彼らの広告やイベント活動を見てもらい、台湾は面白いところ、楽しいところと思ってもらえることを期待しています。昨年のF4から始まって、TVの連続ドラマや映画のロケ地にスポットをあて、たとえば「這裡発見愛」のロケ地や台中の東海大学、湖心亭、高雄の愛河、花蓮のタロコなども観光地として紹介しています。一般の観光客の方で、「飛輪海」のファンの方から、観光局へ手紙が来たこともあります(と、ここで、かわいいピンクのハート型便箋に書かれた手紙を見せていただきました)。もちろん若い観光客だけがターゲットではありません。少し上の世代の方にも歴史に浸り、美食を味わい、温泉なども満喫してもらいたいです。
ナビ:初代渡辺満理奈さんのように、また日本人が観光大使になる可能性はありますか?

頼局長:「飛輪海」は、広告会社からの推薦だったんですが、企画がよいかどうかですね。台湾の観光紹介なので、台湾人が台湾の代表をすることがいいでしょう。しかし、日本人にすでに知られていることが必要です。日本の方の場合は、やはり両国で知られていることが必要ですね。

ナビ:昨年の「鉄道」はどういう成果を上げられましたか?
頼局長:昨年台湾鉄路局と催した「台湾鉄道歴史の旅」については、定期的なものにしてほしい、できれば毎年行ってほしいという手紙を書いてきた方もいらっしゃいました。観光局もその予定でいます。台湾の西には「新幹線」、東には「タコロ号」と、台湾で鉄道の旅というのは、安全で快適、かつ味わい深いものです。私も皆さんが台湾へ来られたら、ぜひ鉄道に乗ってみることをすすめますね。

ナビ:今後はどういうテーマがありますか?台湾ではいろんなイベントを知った時には、よくもう日にちが迫っていたりするんですが。
頼局長:そうですね。少し遅れることがありますね。
今年は8月に辧卓を行いますよ。結婚式やお祝いのとき、台湾の田舎では戸外にテーブルを設け、親族や近所の方たちが集まりお祝いをしますが、それを台南の安平古堡でおこないます。観光客をご招待し、歌仔戯や布袋戯などの台湾の伝統文化を鑑賞しつつ、台湾の美食を味わってもらうのが目的です。多くの観光客の方が出席されることを期待しています。
また、台湾はご存じのように自転車の輸出大国であり、近年自転車人口もどんどん増えています。9月には台湾の5か所で、約500人、外国人の方も参加できる自転車ツアーを計画しています。
他にも昨年好評だった「蒸気機関車の旅」は今年も行う予定です。
(ナビ感想:今年は観光客にはうれしい盛りだくさんのイベントがありますね。また、局長へ直接お手紙を出すと、きちんと読んでくださってる、今後に反映しようとされてるのだとわかりました。)
ナビ:日本人が台湾へ観光に来て中南部、東部に行きたい時、アクセスが大変悪く、断念してしまうことがあるんですが、改善はされていますか?
頼局長:確かに地方では、まだ交通面は不便ですね。基隆にはフリー観光バスがあります。市政府主催で、駅に着いたらすぐ乗ることができます。台南も市内案内観光バスがあるんです。各市政府が観光局へも連絡をすれば、観光局のWEBサイトからも確認することができます(と、ここでスタッフへ観光局の方から各市政府へコンタクトをとるように指示)。観光客にとって、便利でなければいけませんよね。

ナビ:各観光地の受け入れ側の日本語通用度はどのくらいですか?
頼局長:日本語案内はまだ不完全です。ただ、台湾の人はほとんどが日本人には好感をもっています。

ナビ:台湾の方がよく日本へ観光へ行くのに、周遊券を利用しますが、今後台湾へ来る観光客に向けて、台湾のMRT、台鉄、高鉄に乗れる3日間、7日間などの周遊券があったら便利ですが、どう思われますか?
頼局長:そうですね。ただ周遊券は業者(台鉄や捷運局・・・)が開発するもので、残念ながら観光局に決定権はありません。

ナビ:昨年台湾で大ヒットした「海角7号」の映画の影響は、観光局はどうみますか?
頼局長:映画はもう日本で放映されていますね。ただ、まだそんなに影響を及ぼしていません。世界的に景気がよくないので、まだ観光客も昨年からの戻りは遅いです。今年はいろんなイベントを準備していますので、これからですね。
ナビ:頼局長が理想とする台湾観光について、お話しください。外せないスポットもいくつかお願いします。
頼局長:日本人は、世界中のいろんなところへ行っています。世界を知っている日本人に強調したい台湾の魅力ですが、まず、台湾は皆が日本人を歓迎しています。日本人が好きだと言えますね。なので、旅行は安全で、安心できます。どこへ行っても歓迎されるでしょう。また、台湾旅行は多様化していて、老若男女に適用します。先ほどの「飛輪海」から歴史を探る旅まで何でもあります。
特に若い人には昔の人が何をしたかを知ってほしいですね。たとえば八田与一が技術指導をした台南の烏山頭水庫、今でも南部の水はこのダムに頼っています。このダムが建設されなければ、台南の人たちの生活はないです。台湾で多くの功績を残した日本人を知る、こういう旅行の仕方はおそらく他の国では味わえないものです。タロコがある東部には日本人の移民村がありました。花蓮は自然の美しさを感じられるところです。日本人の方が台湾へ来られる時は、ぜひ東部へも目を向けてほしいですね。

ナビは最後に無粋な質問をしてしまいました。レートの関係で日本から韓国へ行く人が多いのですが、韓国にはBBクリームなどショッピングも魅力的な国となっています。台湾にはこのような観光客を引きつける商品がないのはなぜなんでしょう?と。局長からは、レートは現実的な問題で、観光は大きく影響されます。商品は・・・台湾はこれからじゃないでしょうか、とのお答えでした。

2009年「旅行台湾年」…だんたん盛り上がってくることが期待できそうです!

台北ナビでした。

関連タグ:観光客観光台湾観光観光局イベント

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-05-08

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