台湾国際蘭展(2009年度版)

意外に知られていない、台湾の「蘭」。日本へ持ち帰りはできないけど、蘭の奥深さがよくわかる展示会です。

ニーハオ、台北ナビです。実は、台湾は、蘭栽培でも国際的に有名なんですよ!今日ナビは、台南県で行われている、台湾国際蘭展にお邪魔しています。
台湾の嘉義県にある北回帰線を南下すると、そこは、胡蝶蘭のふるさと台南県となります。台湾の蘭栽培は実はすでに100年を超え、特にこの20年で産業として飛躍的に発展しています。蘭の栽培面積は、台湾の花卉栽培面積の4%しか占めませんが、売り上げ高はその23%を過え、台湾花卉産業の中で重要な位置を占めています。特に台南は、蘭栽培、特に「胡蝶蘭」の栽培が台湾国内で際立って高く、台南県政府は2004年末から台南県の後壁郷に、「台湾蘭花生物科学技術園区」の開発を推し進めています。今後蘭産業の国際化・自由化にも十分に対応していけるよう、研究開発に余念がありません。
工事が終盤に入った蘭花生物科学技術園区では2008年に、「台湾国際蘭展」が初めて開催され、多くの蘭ファンが訪れました。2009年4月にこの技術園区は完成とのこと。今年の蘭展はさぞかし盛大だろうと期待していたところ、今年はナビもご招待を受け、見学にお邪魔しました。会場までは台南市より車で一時間強もかかり、やっと会場に到着したものの、到底歩けるほどの大きさではないほどの広大な敷地の中に、突然現れるビニールハウスの展示会場・そして想像をはるかに超えるたくさんの来客に驚かされました。なんと駐車場から会場までは、シャトルバスで向かうという、アメリカンな規模での開催でした。
蘭の花は、この地上でもっとも遅くに誕生した被子植物のひとつと言われているらしく、その生態は、ほかの植物とちょっと違っています。土に根を生やすのではなく、植物の枝と幹の隙間や、何かの穴に入り込んで成長を続ける植物です。さらに、種が非常に弱小でこまかいことから、種は菌と依存しながら栄養を供給してもらい、自然下の発芽において、菌との共有が不可欠なのだそう。このような非常に複雑な環境下での発芽は「栽培」には適しておらず、現在台湾で蘭の栽培は無菌状態のフラスコで発芽管理されていることがほとんど。このように複雑な手間がかかるとともに、さらに、温帯の日本ではさらに光熱費もかかりますから、蘭の花は非常に高級品になるんですね。
そのような話を聞くと、この展覧会における各担当者の蘭の花への情熱と技術力がよくわかります。てっきり、すべての蘭が高いのかと思っていたところ、実はそうでもないようで、ものによっては台湾元200元程度で購入できるものもあるそうです。花の価値は、花の大きさ、美しさ、模様や種類、そして、それらの花の数量がキーポイントなんだそう。蘭の花の世界も奥深いので、素人のナビはこれ以上言及を控えるとして、それでは、国際蘭展へいざ!ご案内いたします!

いざ会場へ

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まず入り口から入って目の前に堂々とそびえる、蘭の森とでも言うべきコーナー。4メートルほどの木に一つ一つ蘭の花をくくりつけ、まるで、蘭が天へ伸びているかのような。巨大蘭の足元には、2009年の干支の牛君がのっそりとお客様の御入り用を見守っています。角が雄雄しい水牛のようですが、体全体に蘭の花が施され、まるで今から嫁ぐ花嫁のようです。

展示会場はいくつかのブースに分けられそれぞれの展示ブースは、各蘭業者によってさまざまにアレンジされた展示が鑑賞できます。まるでお庭のように見立てているものもあれば、日本式にとか、床に綿を敷き詰め、天国を表現していたり、京劇がテーマという斬新なものもありました。外国作品はその国の自然と観光を表現したものが多くありました。
台湾が蘭の花で埋まりました!

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この蘭の花大きいんですよ!きっとすごく高いはず!

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蘭の花が歌っています♪

蘭の花が歌っています♪

ベースボールのアジアシリーズ、がんばれ台湾・・・ってむなしくも、負けてしまいましたが…。

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別館 生活に密着する「蘭」のデザイン

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別館では「蘭」に関する作品の展示会が開かれていました。パソコンに漆を施し、蘭の花をあしらったものや、蘭のブローチや髪飾りなど、出展者の趣味が色濃く伺えます。
さらには、蘭をテーマにした美術館「天使美術館」が設置されているのというので見に行ってきました。常設ではなく、仮設だったので、美術館のような、「華麗」な雰囲気はあまりありませんでしたが、いくつかの芸術家が「花」に関する展示を行うという、フレキシブル芸術スペースとなっていました。まず入ると中央に、大きなハート型のオブジェが置かれ、その中央に、鮮やかな桃色の蘭が20の花を咲かせ浮かび上がっていました。ハートのオブジェの中には、たくさんのお菓子と細長いピンクのメモが入っていたのですが、メモにはそれぞれに「幸福」を伝える詩が書き記され、お客様に愛と幸せを伝えるというメイン作品になっています。そのほかに周りには蘭のいけばなや、水墨画など、ジャンルは違いますが、同じく「蘭」の美しさをつたえる作品が多く展示されていました。
ナビが引いたメモには[節節高昇的石斛蘭,暗示您在學習上將出類ぬ拔萃 一節ずつ高く上りゆく石斛蘭、勉学に励む君もいつか必ずや抜き出む。]とかいてありました。勉強します! ナビが引いたメモには[節節高昇的石斛蘭,暗示您在學習上將出類ぬ拔萃 一節ずつ高く上りゆく石斛蘭、勉学に励む君もいつか必ずや抜き出む。]とかいてありました。勉強します! ナビが引いたメモには[節節高昇的石斛蘭,暗示您在學習上將出類ぬ拔萃 一節ずつ高く上りゆく石斛蘭、勉学に励む君もいつか必ずや抜き出む。]とかいてありました。勉強します!

ナビが引いたメモには[節節高昇的石斛蘭,暗示您在學習上將出類ぬ拔萃 一節ずつ高く上りゆく石斛蘭、勉学に励む君もいつか必ずや抜き出む。]とかいてありました。勉強します!

一節ずつ高く上りゆく石斛蘭、勉学に励む君もいつか必ずや抜き出む。 一節ずつ高く上りゆく石斛蘭、勉学に励む君もいつか必ずや抜き出む。 一節ずつ高く上りゆく石斛蘭、勉学に励む君もいつか必ずや抜き出む。

一節ずつ高く上りゆく石斛蘭、勉学に励む君もいつか必ずや抜き出む。

生活雑貨デザインコーナー

芸術品ではなく、私たちも購入できる蘭や花に関する生活雑貨デザインコーナーもありました。出展したのは16企業。ナビプラザの近くにある「The One」も出展していました。個人的には、この生活雑貨展示コーナーの方がアートスペースという感じもしました。かなりおしゃれな実用的なものが並び、今すぐにも買って帰りたい衝動を抑えながら、次の展示ブースへ進みます。

台湾の花をモチーフにする陶器メーカーといえば、代表格はやはりFranzでしょうか。かの黒柳哲子も愛するという、台湾新進気鋭の芸術陶器メーカーです。基本的には中華芸術を西洋風に若干アレンジしたラインが主に出されており、お花のモチーフも売れ筋ですが、そのほかにも、きりん、蝶、トンボ、鳳凰など、なかなか他国メーカーが出さないような鮮やかなデザインを展開しています。実用品というよりは観賞用に近いのですが、カップセットぐらいであれば持ち帰りができる大きさなので、もしお気に入りがあれば購入すべきでしょう。

生活の中にどう蘭の花を生かすかという展示も行われていました。家具が並べられ仮設の部屋が作られる中に、蘭の花のアートが飾られていきます。芸術作品というよりも、一般の生活の中に、蘭の美しさをどう組み込むかということに主題がおかれているコーナー(とナビは勝手に印象を持ちました)。

今まで、蘭をあまり意識したことがなかっただけに、蘭に掛ける人々の熱意と、その蘭の奥深さ、そして、なによりその美しさ、そして、台湾の人が蘭をこよなく愛していることがわかる展示会でした。来年もこの3月ごろに行われる予定です。ご興味のある方は是非お越しを!台北ナビでした。

注意:生花である蘭の花は、日本に持ち込む際は切花であれば検疫が必要です。土(根)がついている場合は、原則的に持ち込み不可です。
会場では蘭の花には、触っていけません。
2009年公式HP  http://2008.tios.com.tw/ この記事は2009/3/7-3/16に行われた展示会の体験レポートです。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2009-03-24

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