主演・中野裕太さんとお友達&同僚役の俳優陣インタビュー
2016年秋公開予定で日本人と台湾人の恋愛模様を描いたノンフィクション・ラブストーリー映画『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』。初回の谷内田監督インタビューに続き、今回は俳優陣にお話を伺いました。久々にこのメンバーが揃ったということもありとっても楽しげ!なんだか同窓会のような雰囲気でした。
等身大の飾らない中野裕太さんの素顔に迫る
以前モデル、タレントとして活躍されていましたが、最近ではめっきり演技派俳優としてのイメージが強くなった主演の中野裕太さん。今回初めて海外の映画に挑戦したとのこと、しかも台湾で!ということで、撮影での出来事などを聞いてみました。
―『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』のオファーが来た時の気持ちを教えて下さい!う~ん、今回のオファーの来方はかなり特別で…(笑)。
その日はちょうどドラマ「ウロボロス」の撮影をしていたんですけど、たまたま監督の会社の方がその場にいらっしゃってて。控室に居たときに監督宛に僕の写真が送られて、撮影が終わって帰ってきたら既に映画出演の話が決まっていたという(笑)。
こんなことは普通ないので、驚きでしたね。あまり実感もないまま台湾での撮影が始まった、という感じでした。
―台湾へは来たことはありましたか?
台湾に対する最初の印象と、実際に来てみて感じたことを教えて下さい。まず台湾へは来たことが無かったし、台湾に対して特別にイメージを抱いたり、考えたりしたことがなかったから、最初の印象というのは特にないですね。
実際に台湾へ来て見て感じたことは、とにかく「人」のよさ!人に感激しました。
壁を感じさせないというか、温かいというか、スーッとこちらへ入ってくるような人たちが多くて。
現地スタッフの皆さんも「ユウタ、ユウタ」って、友達みたいに接してくれたので。
(ナビ)あぁ~、その感じわかります。台湾の人たちは人懐っこい人が多いですよね。
―撮影で難しいと感じたことはありましたか?僕自身、難しいと感じたことは特になかったです。むしろ監督の方が、言葉の問題で微妙なニュアンスが伝わり辛かったりして、大変だったんじゃないかな?
―では一番楽しかったことは?ん~、全般的にほんと楽しかったですが、印象に残っているのは、言葉が通じないはずの監督と嫚書さんと僕の3人で、ふとした瞬間に意味もわからず大笑いしたことかなぁ。何が面白いか、お互いわからないんだけど、なんか楽しい、みたいな。そういう瞬間があって(笑)
―リンちゃん事、簡嫚書さんはどのような女優さんですか?
演技に対してすごく真摯に向き合う女優さんだと感じました。しっかりしているんだけれど、ふとした瞬間に見せるフワッとした可愛らしい面が魅力的だなぁ、と。自然体で、裏表のない女優さんだと思いました。
―中野さんはどんな女性がお好きですか?特に「こういう人!」というのがなくて、ん~、毎年変わりますね(笑)。
―ではズバリ、今年のタイプの女性は(笑)?2016年!そうだなぁ~、空いた時間に「キャンプに行こう」って誘ったら「いいよ~」と一緒に行ってくれそうな人。
―台湾のオススメの食べ物を教えて下さい。さっきナビプラザへ来る前にアスターホテルの近くで食べてきた…なんだっけ、あのモツのスープ。あぁ、「四神湯」です。あれはおいしかった。
基本パクチー以外は何でも食べられます。嫚書さんなどに「ここがおいしい!」と教えていただいたりしたのですが、タクシーに住所を告げてそのまま行っちゃうので、お店の名前は覚えてないんですよね・・・(笑)
撮影中は滞在先のホテル周辺の双連や中山をブラブラすることが多かったのですが、小籠包とか、火鍋とか、五十嵐(ドリンクスタンド)とか、台湾はなんでもおいしいです。
―今後の予定を教えて下さい。映画が中心ですね。ハリウッドへもオーディションを受けに行ったりしていますが、日本を拠点にアジアなどへも活躍の場を広げていけたらと思います。
今回の映画を皮切りに、台湾をはじめとするアジアでも中野さんの姿を目にする機会が増えそうな予感です。文字では伝えきれないのがとっても残念ですが、中野さんの素敵な低音ボイスにインタビュー中痺れっぱなしのナビでした。外国語が堪能な中野さんは中国語のセンスもキラリ光るものがありましたよ。スクリーンでモギさん演じる中野さんに会えるのが待ち遠しい~!!
まるで本当のお友達のような、お友達&同僚役の皆さん
映画に出演された、現在台湾で活躍中の日本人俳優の皆さんです!「日本人にとって暮らしやすい外国」と言えど言語も文化も異なる異国の地台湾で日々自分を磨きながら活躍されている皆さんに、映画のことや台湾での生活について聞いてみました。
(インタビューさせて頂いた順にご紹介します。)
(左から)TAKASHIさん、中野さん、谷内田監督、ERIKUさん、夢多さん
<プロフィール>
岡本孝(オカモト タカシ)
出身地:大阪府、在台歴:もうすぐ3年 出演作品:春梅-HARU-、ソニーブラビアCM、A-LIN、Ellaミュージックビデオなど
―今回の映画の役どころは?モギさんの友達、コージ役です。
撮影前は「どうなるんだろう?」って不安だったんですけど、共演者の皆さんがすごくサポートしてくれて、撮影を進めていく中で「友達」としての関係性が築けて行けたような気がします。だから僕自身映画をスタートする前と、取り終えた後では、演技に対する向き合い方や考え方が全然変わっていて、すごく勉強になりました。
撮影は楽しかったし、自分的には成長できた部分があったと思える映画だったので、そういうのがにじみ出ていたらええなと思います。
―
台湾に来て3年ということですが、台湾でオススメのスポットや食べ物を教えて下さい。日本にいる時に観た台湾映画「モンガに散る(原題:艋舺)」が、日本にはないエネルギッシュさがあって好きだったんです。
で台湾へ来てたまたま住んだのがモンガ(艋舺)の近くで、「あの映画の場所がここにあるやん!」って。日本にはない湿っ気のあるディープな雰囲気がすごく好きです。
だから日本の皆さんが観光へ来たら1日でもいいから台北101など近代的な都市ではない、台湾のカオスな部分を体験してみると、楽しいんじゃないかな。
ズバリ、TAKASHIさんのイチオシは「艋舺(モンガ)夜市」こと「華西街観光夜市」。モンガについてかなり熱く語ってくれました!
―現在はどのようなお仕事が多いですか?本当は大好きな映画をメインにやっていきたいというのがあるのですが、台湾は映画を多く撮らないので、コマーシャルモデルや雑誌、ミュージックビデオなどの仕事もしています。
ちょうど3日前に若者たちの負の連鎖を描いたアート映画を撮り終えたところです。台湾含め外国の人たちと一緒に仕事をするのがすごく楽しいので、これからも台湾を中心とした海外の人たちと、特に映画を中心に活躍できたらなぁ、と思っています。
<プロフィール>
与座 重理久(ヨザ エリク)
出身地:沖縄県、在台歴:5年 出演作品:ULTRASEVEN X、裏切りの挽歌 、春梅-HARU- 、台湾MAZDA CX-5 など
―今回の映画の役どころは?中野裕太くん演じるモギさんの日本の会社の同僚で、アサノという役をやらせて頂きました。この役は台本を読んだ時に自分から監督に「アサノをやりたいです」とお願いしたんです。そしたら「いいんじゃないか」ということで、この役を頂きました。
「公司的同事(中国語で、同僚の意味)」です(笑)。
(ナビ)すごく中国語がお上手ですが、日本にいる時から勉強されていたのですか?
(ERIKUさん)いえ、こっちに来てからです。
(ナビ)日本ではどのようなお仕事を?
(中野さん)日本では、ウルトラマンです。
>ここからは、中野さん飛び入り参加での会話をお楽しみ下さい。
(ナビ)確かに、ウルトラマンっぽいです!
(ERIKUさん)ウルトラマンセブンの40周年記念で作られた「ウルトラセブンX」の主演をやっていました。
(中野さん)自分は仮面ライダーをやっていたので、俺らはヒーロー繋がりなんです。その時に共演した女優さんや、ERIKUが日本で映画出演していた時の共演者など、意外なところで結構繋がっていたことがわかって。
(ナビ)なるほど~。そうすると、もうお芝居歴は長いですね?
(ERIKUさん)そうですね、二十歳のときからですから。その頃から10年やったら海外へ出ようと決めていたので、5年前30歳の時に意を決して台湾へ出てきました。とにかく、自分が決めた目標を実行していかないと気が済まないタイプなので。
(中野さん)台湾滞在中はオフにERIKUの家に遊びに行って、息子さんと遊ばせてもらったりしていました。双連に愛着があるのはERIKUの自宅が近いから、という理由も大きいです。撮影中ずっとホテル住まいなので、彼の自宅がかなり癒しの場になっていました。
(ERIKUさん)クランクインする前に、たまたまうちの近所のカフェで裕太が真面目に台本読んでいるのを見つけたんで、後ろから「俳優さんですか?」って声かけたら、ハッと振り返って(笑)。
(中野さん)そうそう、そんで「ウチくる?」って誘ってくれて。そこからすごくお世話になりましたね。日本で出会っていたら、ここまで仲良くなっていたか分からない。台湾の仕事で、彼が台湾在住だったからこうなったのかもしれないな、と。実際日本にいると役者同士で家に遊びに行ったりするまでには、時間がかかったりするものなんだけど、今回はまだクランクインもしていないのに、コーヒー屋で会ってすぐに家に招待してくれて…これも台湾の土地柄がそうさせているのかな?と感激しました。
お2人のお話を聞きながら、カフェでの出来事やERIKU邸での様子を想像してしまいます。それにしても、2人の距離を一気に縮めてしまった台湾って凄い!
(ナビ) ERIKUさんの奥様は台湾人の方ですか?
(ERIKUさん)いや、日本人です。すごく理解のある人で「台湾へいくぞ」と言ったら「はい!」とついてきてくれました。
(ナビ)素敵ですね~。ではファミリーにオススメのスポットってありますか?
(ERIKUさん)ファミリーにオススメは…ないです(笑)。というのも、僕らは結構ヤンチャなので、子供がいるところよりは、夜の街の方が好きなんです。
(ナビ)というと、具体的には?
(ERIKUさん)カラオケだったり、ご飯屋さんでも子供がいなそうなところですね。あとは~…寧夏夜市とか、双連周辺のお店とか、熱炒(台湾の大衆居酒屋)かな。
(ナビ) 熱炒!なんて庶民的!もう完全に台湾に馴染んでいますね~(笑)
ということで、ERIKUさんのイチオシは台湾人で溢れかえっている大衆居酒屋「熱炒」でした!日本の居酒屋のように街のあちこちに点在しているので、ふらりと迷い込んでみて下さい。
<プロフィール>
大谷主水(オオタニ モンド)
出身地:宮崎県、在台歴:13年くらい 出演作品:三菱重工エアコンのイメージキャラクター、「夢多の宮崎&台湾行きタイワン」、東森超視「二分之一強」・「無敵A噪咖」、民視「綜藝大集合」など多数。元テコンドー日本代表、俳優、マルチタレント、アクション監督
―夢多さんはもう台湾は長いですよね?そうですね、8年前にこちらで取材して頂いたくらいなので、もう13年くらいですね。元々はテコンドーの日本代表でこっちへ来ていたのですが。
-以前と雰囲気が大分変りましたね?大人っぽくなられて。
本当ですか?もうだいぶ芸能界で揉まれましたからね。踏んだり蹴られたり、火であぶられたり(笑)。
―
今はアジア中心にご活躍されているのですか?そうですね、まぁ主に台湾と日本ですかね。今、宮崎でレギュラー番組を持っていまして、台湾でも放送されているんですよ「夢多の宮崎&台湾行きタイワン」というのが。もう2年目かなぁ?その他レギュラー番組があったり、あとは三菱重工さんのイメージキャラクターをやっていて、今ちょうど台北駅前のコスモスホテル(天成大飯店)の壁一面にポスターが貼られてます。
(ナビ)あっ!見たことあります!上半身裸でムキムキの!
そうです、そうです。あれ僕です。ありがたいことに、ここ2年前くらいから忙しくしています。僕元々は役者志望でやってきたんですが、気付いたらバラエティが中心のマルチタレントになっていましたね…だから、今回この映画のお話を頂いた時はすごく嬉しかったです。
―撮影中はどんな雰囲気でしたか?実際やってみて、いい意味で日本の映画っぽく無いなと思いました。監督がすごく自由にやらせてくれる方で、一応セリフはあるんですがほぼアドリブでした。おちゃらけたキャラは素に近い部分があると思います。すごく楽しい現場だったのですが、勉強にもなりました。
お世辞でもなんでもなく、裕太がすごく演技がうまくて。彼は現場の空気や雰囲気を読むことに関してすごく敏感なんです。あまりお互いに空気の読み合いをしても上手くいかなかったりするので、最初は甘えて裕太に合わせてやらせてもらっていたんですが、撮影2日目くらいからは、本当に打ち解けて自由にやらせてもらいました。
空気の読み方は裕太の才能なんで、それを僕が学ぶことは出来ないかもしれないけど、「あ、こういう演技の仕方もあるんだ、こういう入り方があるんだ」と勉強になりました。全体のバランス、空気感を保ちながらも、きちんと自分のキャラをぶつけてその距離を壊していったり、自然に自由に楽しくやらせてもらったんだけど、自由の中には括りがあって、その中で更に自由を目指すということをやっていたので、結果的に3人の画っていうのはすごくバランス良かったと思います。
―台湾のオススメの場所を教えて下さい!他の皆は台北で攻めているみたいなので、僕は被らないように台北以外で。台湾は九州と同じくらいの大きさなんですけど、各都市で人とか場所の雰囲気が全然かわってくるんですよね。台中は僕の出身地の宮崎みたいなんです。台北より道が広くて、天気が良くて、まず故郷の空気に似ているってところで最初台湾が好きになりました。
(中野さん再び登場!)わかる!俺も台中行ったとき九州にすっごく似てると思った。ものすごいホーム感! ※中野さんは福岡県のご出身。
(夢多さん)そうそう、そうだよね。高雄もそうなんだよ。高雄はね、もっとのんびり!なので僕は台中、高雄がオススメです。昔の日本っぽくて落ち着けるし、人がすごくピース(PEACE)だし、食べ物もおいしくて、そして天気がいい!台北は天気悪いじゃないですか。
(ナビ)そうですね、台北は…今日は久々に晴れましたが。
(夢多さん)そうそう、晴れ男が来たから(笑)
(中野さん)確かに、撮影中1回も天候で中止にならなかったね。
(夢多さん)ホントだ!すげぇ!撮影終わったから言うけど、俺ロケであまり使われないくらいの超雨男なんですよ(笑)。それを晴らしたから、裕太は相当の晴れ男だよ。
(夢多さん)話戻ると、台北・台中・高雄の三大都市は気楽に移動できる距離なのに、全然違う雰囲気と食べ物があって、人も場所によって変わるのが台湾の魅力だと思います。強いてイチバンを挙げるとすると、どこにロケに行きたいかを基準に考えたら、高雄かなぁ。
夢多さんの好きな場所は、パパラッチが少なくて、スロットができる高雄、もとい!宮崎弁でいうと「テゲテゲ」=アバウトな感じがあって、天気もよく、のんびりできる高雄!だそうです。
~和気あいあい~
懐大きく見守る監督と、ヤンチャで仲睦まじい皆さんの姿を目の当たりにし、すでに映画を観ているような錯覚に陥りました。映画『ママは日本へ嫁に行っちゃダメと言うけれど。』に出演を果たした、個性あふれる俳優陣の皆さんのこれからの活躍がとっても楽しみです。皆さんも、ぜひ注目してみて下さいね♪
以上、台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2016-05-20