台湾竹の美

天から授かった宝物「竹」の美しさを竹山で体感しよう!伝統と流行が見事に融合した「竹」製品にうっとり~☆

竹は古くから人々に愛され、中華圏の文化と密接に交わってきた。風雅を愛する文人たちが古より歌に詠み愛でたことで、竹は文学の伝統となり、人々の心に根付いたのである。

竹の応用は広範囲にわたり、器、箸、建材、家具などの製品を産み出し、独特の模様と材質は、優雅さと上品さを兼ね備えて人々の日常生活に浸透している。
竹は、華麗な牡丹、勇壮な松、妖艶な桃、柔らかな柳に及ばずとも、無骨な節を纏い、君子のように直立するその姿、瀟洒さと優雅さを兼ね備え、静けさの中に幽き風情を醸す竹の美しさが人々を魅了し続けてきた。そのため、竹は人々が追い求める精神世界のシンボルとなり、中華圏における文化精神を表徴するものとなったのである。
台湾には現在およそ80種の竹があり、植生面積は約15万ヘクタールにのぼる。南投県は全台湾で最大の竹生産量を誇っており、台湾における竹産業の嚆矢は南投県竹山鎮とされる。長靴の形をした竹山には、豊かな竹林が点在し、一年中緑に覆われている。竹の美しさを愛でるには竹山を訪れるのが最良の選択であろう。
陽光が降り注ぐ竹山は、あたかも緑の宝石を散りばめたかのようにさんざめいている。そよ風とともに、竹は葉ずれを奏で、ささやくかのような姿は竹の持つ雅さと幽寂さをよく表している。竹山を訪れれば、竹が持ついくつもの顔と美麗さを垣間見ることが出来るだろう。

かつて「竹は台湾人が天から授かった宝物」と言われた。台湾の生活発展史を紐解けば、衣食住に欠かせぬものとなり、独特の産業文化を形成してきたのである。台湾の竹産業は清朝時代に興り、今では豊かな竹工芸が営まれている。竹編み細工、竹彫りをはじめ、竹材を利用した工芸技術の発達は目を瞠るほどのものだ。
日本統治時代には、政府によって竹加工産業が奨励され、台湾における生育環境が優れていたこともあり、竹加工産業は台湾経済に大きな貢献を果たし、同時に台湾の竹産業の基礎が築かれたのである。以降、今日まで経済の発展や生活形態の変化に連れて台湾の竹製品も一般の日常品から文化産業と結合した商品へと変貌を遂げつつある。現在でも日々、新たな商品企画、デザインされ、生活スタイルが多様化するに連れ、竹の新たな魅力も生み出されてきている。
竹は中華圏の精神世界と物質生活のよきパートナーであり、台湾の山林に埋もれる宝のようである。竹は柔らかくしなやかで、清涼な質感を与えることから、台湾の工芸家によるオリジナルデザインによって新たな生命を吹き込まれようとしている。同時に、台湾で独自に生み出された竹工芸品も次々と人々の日常に受け入れられている。竹の魅力とその価値が最大限に発揮されることで、便利さと豊かな質感が、ちょっと違う日常を提供してくれることになるだろう。(写真提供:「小鎮文創」、「菊式映像」)

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-07-18

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