高鉄(新幹線)「左營」駅から台鉄に乗り換えて、のどかな風景を車窓に臨みながら電車に揺られること1時間余り、降り立ったのは屏東県にある「南州車站」です。
ここは台湾南部を走る台鉄南迴鉄路(台鐵南迴鐵路)の駅。1923(大正12)年の開業当初は「溪州停車場」と呼ばれていたそうですが、のちに地名が南州に改められたことから「南州車站」へと改名しました。
水色と赤がレトロで素敵!近代化が進む台鉄の駅にあって、70年代の建築美を今なお残す数少ない駅舎なんだとか。
そこで、1つの時代の終わりに別れを告げるインスタレーション展「南州.幸福王船」が駅構内で開催されています。
企画したのは台湾各地で地域創生を仕掛けている台灣好基金會。統括デザインを担当したサスティナブル・デザインで知られるDot Design(點晴設計)の韓世國さんは、「この作品は私だけのものではなく、みんなで創り上げたアートです」
地元の3つの小学校と1つの中学校、駅、農場、農協、市場、地元企業……約20ヵ所で染物ワークショップを行い、染物職人の林潔怡さんの指導の下、300人を超える人々が南州の美しい風景や農産物をモチーフにしたシルクプリントを体験。ちなみに布はペットボトル再生布で、地色は南州特産の1つでもあるタマネギの皮で染められています。
天井いっぱいに110艘以上の船。みんなの想いを載せた幸せの船が船出します。南州の文化がこれからもずっと続きますように!
インスタレーション展は~12/31まで「南州車站」駅構内で開催中です。周辺には元砂糖工場跡「南州糖廠」や現役の古い家屋「張家旭昇居」などの見どころも。併せて訪れてみてはいかがですか?
「南州.幸福王船」イベント情報
開催期間:2024年11月11日~12月31日
開催場所:台鉄「南州車站」駅構内
アクセス:高鉄「左營」駅下車後、隣接する台鉄「新左營」駅から台鉄に乗車して「南州車站」下車すぐ。普通快速列車(區間快)で約1時間、特急自強號で約40分。