もともと水源が少ない不毛の地だった台湾南部。日本統治時代には、日本人技師の八田與一さんが主導したダム建設により、広大な穀倉地帯になったことで知られています。その台南にある有機農場「時生永續農場」では、「生産、生活、生態」をテーマに、有機野菜の生産をしています
農場に着くと、池のほとりでなにやら大きな鳥が歩いています!聞いてみるとガチョウだそうで、この農場の住民なんだそうです。農場は約8ヘクタールの広さで、野菜を作っている温室以外にも写真のような池や林があり、様々な生き物が生息しています。生態系をとても大事にしているんですね
ナビに気が付いて逃げていきます(笑)
こちらにはカモたちも
温室が見えてきました。とてもきれいに整備されています!
温室の中をのぞくと…ちょうど小松菜などの収穫作業をしていました!完全無農薬のお野菜なので、スタッフの女性たちも安心して作業ができるそうです。ここの野菜は、台南市の学校給食や、台湾南部にあるサイエンスパーク(半導体などのハイテク産業関係の工場や研究施設が集結するエリア)で提供されるお弁当にもなっています。給食やお弁当で有機野菜を食べられるなんて、幸せですね!
野菜は生産から包装まですべて農場で行っていて、家樂福(カルフール)などの大手スーパーにも提供しています。パッケージも環境に優しい素材を使用
驚いたのが、農場の職員の方たちは若い人ばかり!台湾の農学部卒や、政府が設立した青年農家を育成するプログラムに選ばれた若者たちなんだそう。若い世代が魅力的だと思える農業なんて素敵ですね!
こちらが責任者の李惟裕さんで、台湾では有機農法の第一人者です。有機農法は通常、農薬や化学肥料をつかう慣行農法よりも生産量が落ちます。でも、ここでは水量や温室温度などをデータに基づいて管理し、一年を通して品質の良い野菜を安定して生産できるようになったそうです。だからこそ、若い農家さんたちも集まってくるんですね
さて、今回は特別に野菜の収穫体験をさせていただきます!
ナビもさっそく、水菜を収穫してみます
なんだが残念な感じになってしまいました
お隣の方を盗み見すると…たくさん収穫できています!「京都水菜」という品種だそうで、京都という地名に惹かれるのか、台湾人の方たちはみなさんモリモリ採っていました!
こちらは白菜の一種です。なんという瑞々しさ!家で実際食べてみたのですが、どの野菜も味がぎゅっと詰まっていてうまし!
記念撮影に応じているのは、行政院農業委員会農糧署の「胡忠一」署長(中央)です。胡署長によると台湾では政府が有機栽培を積極的に推進しており、農地1ヘクタール当たり3万元の補助金を出したり、有機認証にかかる費用の大部分を政府が負担しているそう。また、有機栽培は台湾全体の栽培面積の2.42%を占め、これはアジアでも一番高い割合なのだそうです。台湾のスーパーでは有機野菜の値段はそこまで高くないのですが、これは政府の補助があるからなんですね!
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2023-04-10