スペシャル記事

【台湾地方創生】台東県池上に住む人たちが「池上」に再度惚れ込んでしまう展覧「質樸的美感—池上人水生土長藝術共創展」は4月9日まで開催！

10人の芸術家と300人を越える池上の住民が作り上げた「池上」らしい展覧で、池上の魅力を再発見しよう！

「池上穀倉藝術館」は、台湾一の米どころである台東の池上にある美術館です。5周年となる2023年初めての展覧が「質樸的美感—池上人水生土長藝術共創展」。10人の芸術家と300人を越える池上の住民たちによる展覧です。


今回の展覧のテーマ「質樸的美感」とは純朴の美学という意味。池上で暮らす3歳から89歳が芸術家と共に作り上げた、「池上」を思いながら製作した作品が並びます。

展示エリアは2つ。1つは上で生活する人々の作品を展示しており……


もう一方は「アーティスト・イン・レジデンス」などで池上に滞在して作品を製作した芸術家の作品が飾られています。

芸術家の作品はさすがの完成度！


池上の滞在からインスプレーションを受け、その時に伝えたいことを表現しています。

池上の住民の創作した展覧は素人の作品発表会みたいなものでしょ？なぁ～んて思っていたらビックリするはず！子供も思わず見入っちゃいます。


池上の地に惚れ込み地方創生をすすめる「台灣好基金會」が、池上の地に芸術の種をまいて育ててきた芽が、アーティストの力を借りて力強く育っている様子が感じ取れるはずです。


ナビが感動したのは『池上上河圖』。

これはシニア向けの絵画教室「樂齡繪畫班」に通う人々が作り上げたものです。池上で日々繰り返される様子を縮図にしたような作品で、池上の素朴な生活がイキイキと表現されています。


その中で「不完美、才能看見真正的幸福」(不完全だからこそ本当の幸せが見える)と書かれているのを発見！人生の悟りのような言葉にはっとさせられました。池上で暮らす幸せを見事に表現した言葉だと思いませんか？

『池上人．心上人』は池上の人々が炭筆で一人のひとを描いた作品が66個飾られています。

今まで面と向かって言えなかった思いなどを添えていて、その言葉と共に絵をみると、感動せずにはいられません。(ちなみに写真に写っているのは池上の土地神こと池上鄉文化藝術協會の梁正賢理事長。息子さんが描いたそうですが、そっくり！)

『池上人．心中米』は芸術家「王金生」氏が米の形を製作し、池上の人々に託した作品。創作方法は自分次第。どんな作品でもOKという個性豊かな作品が並びます。

御年89歳という陳辛妹さんの作品は水玉模様の青色の花瓶が描かれたもの。「下手でしょう？」という陳さんですが、ナビの目には色使いがかわいくて、とっても上手に見えます！

ナビのお気に入りはこの大仏～！

記者会見に登場したおばあちゃん！

彼女が描いたのは……これ！上手すぎない？

『種種種』は芸術家「張志聰」と「萬安國小(万安小学校)」の学生が作り上げた作品。種々の素晴らしさの種を植えようという意味が込められています。

鳥の巣は子供たちが竹を狩り、その枝で編んだものなんだとか。

池上の田んぼを黄色、緑色、茶色で表現しています。これ、小学生が作ったって信じられますか？

創作前には池上について何とも思っていなかった学生たち。しかし創作が完成してから、ある学生が「池上の田んぼって台湾一美しいと思う！」と伝えてくれたそう。創作を通して池上を見つめ直すいい機会になったのだなと「張志聰」氏はとても嬉しく思ったそう！

福原國小(福原小学校)の学生たちは芸術家の「王德合」氏と「尹信方」氏、「陳慶夥」氏とともに、『校園植物顯影』と『夢想的田』を製作しました。

『校園植物顯影』は3～4年生が作り上げた作品。学校内の植物を採取し、それらをスプレー吹き付けました。一見静かな作品の様ですが、一つ一つじっくり見ると、子供たちのワクワクしている心を感じられますよ！

『夢想的田』は5～6年生の作品。大小異なるカッティングシートを交互に重ね、池上の田んぼ、みんなの心の中にある理想の田んぼを表現しています。

「心の中の池上の色」をテーマに、「張若綺」氏が池上國中(池上中学校)の学生と創作した『池上的顏色』。面白いのはひとつひとつは丸いキャンパスなのに、四角や矢印を作り出している点。ひとりひとりの思い出が風景となり、時間が流れる様子を感じてくださいね。

『池上の脈絡』は45人の池上に住む人々が草葉を採取し作り上げた作品。パンフレットの写真とナビが見た色は異なっていて、日々変わっていくアート作品なんだと感じさせられます。

香りからもアートを感じられる『池上的味道』。


池上の土、稲米、水などを収集して、円卓に並べています。視角だけでなく、嗅覚も研ぎ澄ませて感じてください！