路線バス(台北地区)

町歩きの強い味方 使いこなせばディープな台湾に出会えるはず

こんにちは、台北ナビです。
みなさんは台北市や新北市内を縦横無尽に走る路線バスを使ったことはありますか?MRTの路線が増えて乗車の機会はほとんどないかもしれませんが、それでも鉄道空白地帯をダイレクトに結んでくれる路線バスは使いこなせば、意外なほど近道が出来たり、穴場の観光スポットに足を伸ばせたり、ディープな台湾をのぞけたりと、旅の面白さが広がります。今回は、路線バスの乗り方を徹底解剖して、路線バスの魅力をお伝えしちゃいますよ!

(※今回は台北市・新北市内を走る路線バスの乗車方法について解説します。その他の地域でも基本的には同じですが、独自の決まりや習慣などがありますのでご利用の際はご注意ください。)

台北の路線バスとは……

路線バス(台北地区) 路線バス 街歩き バス公車 路線バス(台北地区) 路線バス 街歩き バス公車 路線バス(台北地区) 路線バス 街歩き バス公車
路線バスは中国語で「公車」と呼ばれ、長距離/高速バスの「客運」と区別されます。(例外として路線バスでも会社名としては「客運」や英語(Bus)の音訳である「巴士」などが使われることもあります)

台北を走る路線バス会社には元台北市バスの「大都会客運」、中興大業グループの「中興巴士」、「光華巴士」、「淡水客運」、「指南客運」、「新北客運」、台北首都客運グループの「首都客運」、「台北客運」のほか、「大南汽車」、「欣欣客運」、「三重客運」、「大有巴士」、「新店客運」、「東南客運」などがありますが、乗車方法は基本的に一緒ですのでご安心を。

初乗り運賃は大人15元。MRTに比べて5元お得です。また、交通系ICカードを使って1時間以内に路線バスとMRTを乗り継げば、大人用カード(普通カード)で8元引きになるサービスもあります。賢く使ってお得に移動しちゃいましょう!

まずは路線を確認しよう!

標準的なバス停。停まるバスの路線図が貼ってあります

標準的なバス停。停まるバスの路線図が貼ってあります

以前はバス路線や停留所などを網羅した利用ハンドブックが旅行者の強い味方となっていましたが、残念ながら近年は最新版の発行がありません。googleマップなどのインターネット地図やスマート機器などのアプリで路線を検索する必要があります。予め、乗車場所や降車場所のバス停の名前を調べておきましょう。

大台北公車ウェブサイト(中国語繁体字)
googleマップでバス停のアイコンをクリックするとバス路線番号が表示されます

googleマップでバス停のアイコンをクリックするとバス路線番号が表示されます

アプリも充実。ただ、実用的なのは中国語か英語のもの。

アプリも充実。ただ、実用的なのは中国語か英語のもの。

中国語でもなんとなく分かるものですよね。漢字って偉大。

中国語でもなんとなく分かるものですよね。漢字って偉大。


ちなみに、台北の路線バスは基本的に1~3ケタの数字が路線番号として掲げられています。4ケタは長距離/高速バスです。

ただ、例外もあります。「紅」「緑」「藍」などと色が番号の前についている路線バスは、「MRT連絡バス」とされ、基本的に起点または終点がその色のMRTの駅になっています。「紅」はレッドライン(淡水信義線)、「緑」はグリーンライン(松山新店線)、「藍」はブルーライン(板南線)、「橘」はオレンジライン(中和新蘆線)、「棕」はブラウンライン(文湖線)。バス路線を探すとき、このバスにめぐり合えれば、迷うことなくMRTの駅までいけるはずです。

また、2017年からは主要幹線道路を走るバスが「幹線公車(台北メトロバス)」と名付けられて走り出しました。別のバスに比べてMRT並みに運行本数が多いほか、ICカードを利用すれば、1時間以内に幹線公車同士や別のバスとで乗換えをした場合、2台目に乗るバスの運賃が半額になるサービスを実施しています。慣れてきたら幹線バスを上手く使い分けると、もっと賢く移動が出来ますよ。

このほか、細い路地を走るコミュニティバスとしての役割を担う「小」系統のバスや、通勤時間帯のみに走る快速バスなどもあります。
バスの側面には経由地や運賃支払い方法などの情報が

バスの側面には経由地や運賃支払い方法などの情報が

幹線公車(台北メトロバス)はこのマークが目印

幹線公車(台北メトロバス)はこのマークが目印

路線図には起点基準の始バス・終バス時刻、運行間隔のほか、本数が少ない路線では起点からの発車時刻なども書かれています

路線図には起点基準の始バス・終バス時刻、運行間隔のほか、本数が少ない路線では起点からの発車時刻なども書かれています

幹線公車の簡易路線図はこちらを参照ください!

幹線公車の簡易路線図はこちらを参照ください!

バス停でバスを待ちます

台北市内は便利なバスレーンが増え、渋滞の影響を受けにくくなりました

台北市内は便利なバスレーンが増え、渋滞の影響を受けにくくなりました

電光掲示板で接近中のバスがチェックできます

電光掲示板で接近中のバスがチェックできます

バス停周辺は禁煙です。1万元以下の罰金が科せられる恐れがあるので注意!

バス停周辺は禁煙です。1万元以下の罰金が科せられる恐れがあるので注意!

乗りたいバスが近づいたら必ず合図を~!

乗りたいバスが近づいたら必ず合図を~!

さて、乗るバスが決まったらそのバスが来るのを待ちます。アプリや一部のバス停に設置されている電光掲示板を通じて、後何分でバスがやってくるかわかります。

そしてバスが来たら、手を挙げて意思表示をします。もし手を挙げないとバスの運転士さんは乗る人がいないと思って通過します。これはバスが1路線しか走っていないバス停でも同様。日本とは違いますのでご注意を!

もし、同じ方向に行くバスが多すぎて、自分が停めたバスが本当に目的地に行くか分からない場合は、直接聞いたり、目的地を書いた紙を見せるなどして聞きましょう。「有到~~嗎?」は「~~に行きますか?」、「到站時、請告訴我。謝謝!」は「バス停に着いたら知らせてください」の意味です。
一部「智慧公車候車亭(スマートバス停)」も見かけます! 一部「智慧公車候車亭(スマートバス停)」も見かけます!

一部「智慧公車候車亭(スマートバス停)」も見かけます!

バスに乗車しよう

後方に注意しながら乗降しましょう

後方に注意しながら乗降しましょう

台北の路線バスは、前扉、中扉のどちらから乗車しても大丈夫です。(3扉車の場合は後扉からの乗車も可)ゆっくりしていると乗らないと思われてドアが閉められてしまいますので、すばやく乗車しましょう。

台北市内ではバスレーンが増えてきましたが、路上駐車の多い道路で乗車する際は、バスの後方にはくれぐれもご注意を。歩道とバスの間をすり抜けてくるスクーターが突っ込んでくる場合があります。
2019年7月から、ICカードで乗車する場合、乗降時の両方、カードをカードリーダーにタッチする必要があります。

2019年7月から、ICカードで乗車する場合、乗降時の両方、カードをカードリーダーにタッチする必要があります。

そして、バスに乗車したら、現金で乗車する場合は、運転席の横まで行って運賃箱に運賃を支払います。交通系ICカードを使って乗車する際には、前扉または中扉の近くにあるカードリーダにタッチしてください。

なお、車内に両替機はありません。現金で支払う場合は予め小銭を用意しておきましょう。
「ピー」と音が鳴るまでしっかりとタッチしましょう。日本で普及しているICカードと比べると感度が悪く感じるのはナビだけでしょうか。。。<br>運転席横のカードリーダーは1枚のカードで複数人分の運賃を支払うこともできます。運転手さんにご相談を。 「ピー」と音が鳴るまでしっかりとタッチしましょう。日本で普及しているICカードと比べると感度が悪く感じるのはナビだけでしょうか。。。<br>運転席横のカードリーダーは1枚のカードで複数人分の運賃を支払うこともできます。運転手さんにご相談を。

「ピー」と音が鳴るまでしっかりとタッチしましょう。日本で普及しているICカードと比べると感度が悪く感じるのはナビだけでしょうか。。。
運転席横のカードリーダーは1枚のカードで複数人分の運賃を支払うこともできます。運転手さんにご相談を。

バスの車内では

台北の路線バスはほとんどがノンステップバスになりました

台北の路線バスはほとんどがノンステップバスになりました

細い路地や山間部を走る路線以外はノンステップバスの導入が進んでいて、体の不自由な方や高齢の方でも利用しやすくなっています。ただ、台湾では道路がデコボコしていてよく揺れるのと、急加速・急停車が日常茶飯事のため、日本のバスと同じ感覚で乗っていると、転倒したり、思わぬ怪我をする場合がありますのでくれぐれもご注意を。手すりや吊り輪にはしっかりとつかまりましょう。
吊り輪はしっかりと握りましょう

吊り輪はしっかりと握りましょう

博愛席のマーク。譲り合って座りましょう

博愛席のマーク。譲り合って座りましょう

車椅子やベビーカーを置くスペースもあります

車椅子やベビーカーを置くスペースもあります

このためか子供連れや高齢者に対しては座席を譲る習慣が根付いています。譲られたら無理をせず、好意に甘えて座ることも必要です。反対に着席時に席を必要とする方を見つけたら、率先して席を譲るのが台湾流。素晴らしい習慣だと思うので、真似したいものです。もちろん車内には「博愛座」と呼ばれる優先席がありますので、必要があれば活用しましょう。
バスのサービスについてご意見がある方はこちらのカードを取って投書してください

バスのサービスについてご意見がある方はこちらのカードを取って投書してください

消火器があります。万一のために位置を確認しておきましょう

消火器があります。万一のために位置を確認しておきましょう

緊急時にはハンマーで窓を割って脱出してください。このほか非常ドアも車体側面と天井に備えられています

緊急時にはハンマーで窓を割って脱出してください。このほか非常ドアも車体側面と天井に備えられています

また、座席にはシートベルトがあります。台湾のバスではシートベルトの着用が義務付けられており、違反者には1500元以上の罰金が科されるのですが、高速バスに比べて実際に着用している人はほとんどいません。ただ、安全のために着用をお勧めします。そして、実は飲食も禁止となっています。こちらも実際はMRTほど徹底されていませんが、思わぬトラブルを避けるためにも、なるべく控えたほうがいいでしょう。
あまり使用されていませんがシートベルトを締めましょう

あまり使用されていませんがシートベルトを締めましょう

未着用の場合は罰金が科されることも。。。

未着用の場合は罰金が科されることも。。。

こちらもあまり守られていないのですが、実は飲食禁止です。

こちらもあまり守られていないのですが、実は飲食禁止です。

目的のバス停が近づいたら…

電光掲示板をチェック!

電光掲示板をチェック!

路線バスでは、車内放送とLEDの電光掲示板で次のバス停の案内が流れます。原則としては次のバス停の案内は2回流れ、一つ前のバス停を出発(通過)した直後に、一度「下一站~~」(次は~~です)と流れた後、到着直前に「即將抵達~~」(まもなく~~です)と流れます。音声は中国語、英語のほか、一部路線では台湾語、客家語でも流れます。MRTと一緒ですね。

ただ、電光掲示板と車内放送は壊れていることもしばしば。。。スマートフォンなどがインターネットに繋がっている状態であれば、地図アプリを開いてこまめに現在位置を確認したほうがいいかもしれません。
降車する際は、日本と同様に「下車鈴」と書かれた降車ボタンを押して運転士に知らせます。ただ、一部のバスではプラスチックケースに入った緊急通報用のボタンが備えられているので、間違えて押さないようにしてください。

日本の路線バスでは、バスが完全に停止してから席を立つように促されますが、台湾では「即將抵達~~」の放送が流れた時には席を立って、出口付近まで近づきましょう。走行中の車内移動は大変危険ですが、停止した際に席を立ってからでは、運転士さんに「誰も降りない」と思われてドアを閉められてしまう恐れがあるんです。ICカードで乗車した場合は、降りる時もカードをカードリーダーにタッチするのを忘れないでくださいね。
早めに押したい降車ボタン 早めに押したい降車ボタン

早めに押したい降車ボタン

水色とピンクのラインが重なっている部分をまたがって乗車する場合は30元の支払いが必要なので、注意してください。

水色とピンクのラインが重なっている部分をまたがって乗車する場合は30元の支払いが必要なので、注意してください。

台北・新北市のバス運賃は基本的には15元なのですが、長い距離を走る一部の路線で、長い距離を移動した場合は30元かかる場合があります。これはバス停や車内の路線図を見ると書いてあります。カードの場合は自動的に運賃が支払われるので問題はありませんが、現金で慣れない路線に乗車する場合は注意が必要です。

そして降車の際も、バス後方には十分に注意してください。子供連れの場合はきちんと手をつないで、飛び出さないようにしてあげてください。

このほか、混雑した車内ではスリに注意しましょう。財布だけでなく、ポケットに入れていたスマートフォンを盗まれたという被害例もあります。また、揺れが大きいことに便乗して痴漢行為を働く不届きものもいます。被害にあった際はすぐに大きな声を出したり、運転士に事情を説明して通報してもらうようにしましょう。

いかがでしたか?台北のバスは路線は複雑ですが、乗り方を理解さえすれば、街歩きの心強い見方になっちゃうんです。

お気に入りのバス路線を探して思いっきり活用してくださいね!
以上台北ナビがお伝えしました!
関連タグ:路線バス街歩きバス公車

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2018-05-17

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