廟の中には、新竹名物のビーフンや魚団子スープなどが食べられる屋台がいっぱい!屋台と共存している廟は台湾中探してもここだけ!
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こんにちは、台北ナビです。城隍廟は台湾各地にあるけれど、廟前と廟の周囲が大きな屋台エリアになってしまっているのは、ここ新竹の城隍廟だけでしょう。また、新竹へ遊びに行くと言えば、ビーフンと魚の団子スープを食べに行くのか?と聞かれるほどの名産となっているこの小吃ですが、城隍廟へ行けば、この2種以外に、もっと多くのおいしい小吃が食べられるのです。と、ナビの目的は、実は「食」だったりするのですが、廟に来たからには、他の地方と違った要素を持つ新竹都城隍廟についても知っておきましょう。
城隍廟とは?
城隍廟に祭られているのは、城隍神。城隍神は、城市の守り神であると同時に、死者を裁く裁判官でもあるのです。台北や台南の城隍廟といえば、月下老人で有名ですが、新竹は少し変わった神様たちがいます。たとえば、陰陽の神。陰陽司公は、顔の半分が黒く半分は白くなっています。また、舌をベロッと出して、顔が白い神は「大爺」と呼ばれ、善悪の賞罰を行う謝将軍。もう一人「二爺」は范将軍。魂を陰界に送り込むのは、鬼の形をした「金、銀将軍」。送りこまれた魂を入口で受けるのは「牛、馬将軍」。これらの神様は、お祭りのときに登場します。人が中に入って、装着出来るようになっているのです。廟の中に入ると、何人もの神様が両側にいらっしゃって、またその大きさと衣装の色彩や表情などにちょっとびっくりします。廟は道教ですが、隣の建物は仏教で、中央にいるのは布袋さんそっくりの弥勒菩薩様でした。
新竹都城隍廟は1748年に完成しました。壮麗な建物は、現在三級古跡にも指定されています、淡水廳治(今日の中央商場、中央市場、土地銀行、三角建國公園、社教館、中正台、体育館駐車場、郵便局などがすべて含まれるエリア)が出来たのは1756年のことです。台湾では、先に城隍廟を完成し、都市の中心がその周辺にできたという唯一の例です。1895年、日本統治時代が始まり、道教を信仰する台湾人に仏教の要素が入ってきました。神像を崇める日本人は、多くの道教の廟を閉鎖してきましたが、新竹の城隍廟は中でも被害が一番少なかった廟だそうです。ここは歴史的にも価値があるゆえ、天井の梁と神様の彫刻、そして、正門の一対の獅子はぜひ鑑賞してほしい部分です。
廟に到着
さて、この日は台北駅から台鉄の自強号に乗ると、1時間10分後に新竹駅に着きました。駅前で待っている新竹のタクシーのメーターは、最低100元から。廟まで乗って約10分でした。廟にはざっと見たところ3箇所の入口があります。駅から来た場合、一番小さい手前の入口は、廟の中に直接入っていける入口。まん中の入口は、三角公園に面しています。ナビは東轅門という文字が奥に見える入口から入ってみました。廟内の屋台は、毎日大体10:00~21:00が営業時間です。
廟に直接出入りできる出入り口
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三角公園の真ん前の出入り口
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こういう椅子がいいんですよね
廟でお参り
さらにずっと進んでいくと「慈門」という文字が見え、そこからが廟になっていました。大きな香炉が2つある廟前広場から、廟に向かって右側の入口へ入ります。台湾の廟や寺は、基本向かって右から入り左から出ます。そして、入口出口の敷居は踏んではいけません。必ず跨いで入り、跨いで出ること。廟の中は厳かな空気が流れていました。司祭服を着た人がお経を唱え、静かに祈る人たち、観光に来た人たちも言葉を発することなくあちこちを見て回っています。260年の歴史をもつ廟なので、時折上を見上げると、天井の組み方は重厚、狭い通路が奥にも右にも広がっているのが、7回の改築を行ってきた歴史を物語っているようです。廟の屋根と屋台エリアはつながっていて、廟の周囲もびっしりと屋台が取り囲んでいるのが、他の廟にはない不思議な形成をかたどっているのです。
屋台の紹介
こちら創業100年といわれる「阿城號米粉」はおそらく新竹の城隍廟では一番有名ですが、今回は新竹名産と言われるビーフンと貢丸湯以外のB級グルメをご紹介しましょう。
肉燥飯
どれもおいしそうだけど、どれから食べようかな。肉燥飯(魯肉飯とほぼ同じもの)が最高においしい!と聞いていた廟すぐ横の「柳家」に入ってみることに。老舗80年。まだお昼前だったけど、もう満席。「肉燥飯一碗」と頼むと、ドカンと一碗。ん?なんだか大きいな。他にも鹹鴨蛋(鴨の煮込み卵)やビーフンも格別だそうなので、たくさん食べたい人にはこれもおすすめです。さて、空き席を見つけて座ったナビ。ご飯の上には、台湾エシャロットと干しエビ、豆腐乳で煮こまれた豚肉と酸菜、香菜、黒胡椒、そして、タクアンがのっかっています。ナビは、香菜が大好きなので、多めに乗せてもらいました。あ、苦手な人もいるので、画像を撮るときは少しよけておきました。さて、香りもいいけど、味がまろやかで食べやすい。今まで食べた中で、一番かも。途中まで食べて、あ、これ大碗だ、と気づいたのですが、食べ切ってしまいました。また、城隍廟に来ることがあったらここは外せません!
★後日、ここの屋台は人を見て肉燥飯の大小を決めるというのを知りました。ナビ、悲しむべきなのか、光栄だと思うべきなのか…。また、食べに行きた~い。
「柳家肉燥飯」電話:(03)526-7980 営業時間:10:30~22;00 休業日:毎月の第2,4火曜日
スルメスープ
東轅門から入ってすぐ左にある「雅珍號」で食べてみることにしました。老舗45年。ここの看板メニューは★★羹。スルメとサメの練り物、豚肉皮の揚げものが入っているとろみスープ。屋台の前には、細長い椅子しかないので、座って食べられないのかなと考えていると、真向かいにイートスペースがありました。この廟内の屋台はその屋台が保有するスペースに座って食べることになっていますが、全体的にオープンエリアなので、他の屋台で注文したものを少しもって来て、一緒に食べても大丈夫です。さて、この食べたことがないスープを楽しみにしていたナビですが…、決め手の豚肉皮の揚げ物が口には合いませんでした。スルメと練り物、スープ味はなかなかよかったです。
雅珍號」電話:(03)524-0220 営業時間:10:00~21:00 休業日:不定期
潤餅
さて、リベンジしようと、大好きな「潤餅」が有名なお店に行きました。ここは三角公園に面した店で、いつも列ができているのでわかりやすいです。中の主役はシャキシャキのモヤシと塩味のキャベツ。ピーナッツの粉と干した豆腐の細切り、切り干し大根、肉デンブ、ニンジンなどなど。小吃というと大体揚げたりして脂っこいのが多い中、潤餅はとてもヘルシー。ここのはピーナッツ味も香ばしく満点!歩きながら食べられます!
こんな感じで包んでもらいます
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具だくさんでヘルシー!
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「郭家元祖潤餅」電話:(03)522-2285 営業時間:8:30~22:00 休業日:隔週で水曜日
カキ氷
廟の外側にカキ氷の有名店があるというので行ってみました。お店の中に書かれた歴史を見てみると屋台から始まり、今は2代目が継いでいるそう。他の店と違うところは、シロップ水にパイナップルと紅糖と黒糖を使用しているところ。アズキなども含め、ほとんどの材料が手づくり。ナビはここで売れ筋だという草苺鳳梨牛奶冰(イチゴとパイナップルのミルクカキ氷)を試してみました。イチゴの時期がもう終ってしまっていたからか、イチゴがちょっと硬くて酸っぱい。パイナップルとミルクはおいしかったです。聞けば、仙草は台湾で上質だとされる關西産を使っているそうで、仙草入りのスイーツを食べてみるのもよさそうです。
「阿忠冰店」住所:新竹市東門街187号 電話:(03)525-9990 営業時間:11:00~23:00 休業日:年中無休
台湾は地方の屋台が面白いとよく聞きます。新竹の城隍廟はかなりディープ。ここへ来たからには、先にお参りを済ませましょう。じっくり廟を見学してから、どの屋台で食べようかゆっくり選んでくださいね。ナビはこれを機に、地方版屋台にいろいろ挑戦していきたいと思っています!
以上、台北ナビでした。