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最愛の人を失った悲しみを優しく描いた「百日告別」、いよいよ日本でロードショー!

日本でも人気のバンド・Mayday(五月天)のシー・チンハンが主役を熱演。もう一人の主役・カリーナ・ラムは金馬奨最優秀主演女優賞を受賞!

こんにちは、台北ナビです。

2015年の東京国際映画祭で上映され、早々にチケットが完売したという感動の映画「百日告別」が、2月25日(土)より日本で公開されます。
監督は「9月に降る風」「星空」などの話題作を手がけたトム・リン(林書宇)。

実はこの映画は、愛する妻を亡くした監督自身の体験がもとになっています。 最愛の人の死というつらい出来事に、人はどう直面し、どう乗り越えていくのか。
重いテーマですが、それを優しい視点で描き出したこの映画は、見る人の心に大切な何かを語りかけてくれます。

初七日、四十九日、そして百日告別… その心の軌跡がリアルに描かれる

妊娠中の妻を亡くしたユーウェイ(シー・チンハン)と、<br>婚約者を亡くしたシンミン(カリーナ・ラム)<br>(画像提供:太秦株式会社)

妊娠中の妻を亡くしたユーウェイ(シー・チンハン)と、
婚約者を亡くしたシンミン(カリーナ・ラム)
(画像提供:太秦株式会社)


映画は高速道路で起きた多重追突事故の凄惨な場面から始まります。この事故で、結婚間近だった婚約者を失ったシンミン(カリーナ・ラム)と、妻とお腹の子を亡くしたユーウェイ(シー・チンハン)。
目の前の現実を受け入れられず、心と体が切り離されたような日々を送る2人……。

その難しい役どころを熱演しているのが、歌手や女優として活躍するカリーナ・ラム(林嘉欣)と、アジアのスーパーバンド・Maydayのギタリスト、シー・チンハン(石綿航)です。
いつもそばにいた、大切な人がいない現実に戸惑うシンミンとユーウェイは、ただ流されるように淡々と日々を過ごしていきます。セリフは少ないですが、その表情やしぐさに、計り知れないほどの悲しみや痛みが溢れているんです。そのリアルさは、見ていて胸が締めつけられるほどでした。

そんな悲しみの中、彼らは初七日、四十九日…と節目ごとの法要に参列します。日を追うごとに、少しずつ変化していく2人の心情。そして、百日目を迎えたシンミンとユーウェイは……

一般公開に先立ち、トム・リン(林書宇)監督が来日

2月6日(月)には、東京・虎ノ門の台湾文化センターで特別試写会&トム・リン監督のトークショーが行われました。

サプライズゲストとして、以前からトム・リン監督の作品を気に入っていたという行定勲監督が登場し、大いに盛り上がったようです。
(当日の様子はこちらでご覧いただけます)

そしてその翌日、台北ナビのインタビューに応じてくださいました!


――昨日、試写会とトークイベントがあったんですよね。いかがでしたか。

正直、びっくりしました。
主催者の方が行定勲監督まで招いて、誕生日ケーキまで用意してくれて…。本当に驚きました。
(注:監督は2月8日が誕生日で、41歳になったそうです)

映画を見てくださった日本の皆さんの反応もすごくよくて、とてもうれしかったです。

――この映画は、(奥様を亡くされたという)監督ご自身のご経験がベースになっていると伺いましたが、こういう内容で撮ろうと思ったときのお気持ちを教えていただけますか。

……それは大きなテーマですね。
まず、そのきっかけからお話しようと思いますが、当初はこれが映画になるとは思っていませんでした。
というのは、僕自身も妻を亡くして、百日目を迎えたとき、この主人公と同じように山の上で法要をやったんです。その山から街に下りていくバスでまわりに座っている人たちを見て、ふと思ったんです。
彼らは皆、自分と同じように最愛の人を失って、今日、百日目を迎えている。でもきっと、自分とは全然違う百日間を過ごしてきたんだろうな、と。

すると、一枚の絵が浮かんできたんですね。一人の男性と女性がいて、彼らは2人とも百日前にとても大事な人を失ってしまった。
それから百日の間、彼らはどんなふうに生きてきたのか。どんなことに直面して、どう乗り越えてきたんだろう?

それで家に帰って、すぐにそれを書き留めたんです。そんなに長いものじゃなくて、1ページぐらいの文章だったんですが。
それからしばらくそのままにしていたんですが、そのうちまた、だんだんとその思いがよみがえってきて…。
彼らはどんな2人だったんだろう? 近い存在なのか、あるいは遠く離れた場所にいるのか。彼らは悲しみや迷いを乗り越えることができたのだろうか。

考えていくうちにどんどん興味がわいてきて、一つの物語ができていったんです。
――百日目を迎えた、まさにその日がきっかけになったんですね。かなり時間が経ってからお考えになったんだと思っていました。

実際に脚本を書いたのは1年ほど経ってからなんですが。
もともと僕はいつも、思いついたことを何でも書き留めるメモ帳みたいなものを持ち歩いているんですよ。で、きっかけはそのメモだったんですが、それが時間をかけてどんどん発酵していって、「よし、脚本化しよう」と。
もがき苦しみながら、愛する人を失った現実と向き合うユーウェイとシンミン<br>(画像提供:太秦株式会社) もがき苦しみながら、愛する人を失った現実と向き合うユーウェイとシンミン<br>(画像提供:太秦株式会社)

もがき苦しみながら、愛する人を失った現実と向き合うユーウェイとシンミン
(画像提供:太秦株式会社)

――皆と一緒に乗った法要帰りのバスで思いついたということですが、台湾では見知らぬ人が一つの場所に集まって、一緒に法要するような慣習があるんですか。日本ではあまりなじみがないので、映画を見て驚いたんですが。

台湾にも両方あるんですよ。自分の家に集まって行うというところももちろんあります。
映画のように大勢で一緒に法要するというやり方は、都会で暮らしている人に多いですね。家が狭くて法要ができないし、お坊さんもなかなか呼べない。
それで、特に大きなお寺が、初七日とか四十九日に集団で供養するというようなサービスを行っているんです。
結婚間近だったシンミンと婚約者との幸せだった日々<br>(画像提供:太秦株式会社)

結婚間近だったシンミンと婚約者との幸せだった日々
(画像提供:太秦株式会社)

――初七日の法要のとき、シンミンとユーウェイはお経がうまく読めず、まわりを見て戸惑うシーンがありますが、この集団法要はいろいろな節目の人が一緒に行うんですか。

そうです、混ざっているんです。初七日の人もいれば四十九日の人もいて、一緒にやるんですね。

――そうやって同じところに何度も通っていくうちに、だんだんと気持ちが変化していくということでしょうか。

まさにそうです。実際、お寺では毎日、こういう法要をやっているんですよ。
それで映画にもあったように、お寺がカードを用意して、法要を終えるとスタンプを押してくれる。次は来週ねというリマインドもしてくれる。そういうふうにして皆、記録していくんです。
――それはいろいろなお寺でやっているんですか。

どのお寺でもというわけではありませんが、いくつかのお寺でやっています。
台北では土城という場所に毎日法要をやっているお寺があります。実際には、映画で見るよりもはるかに大勢の人が参加して、大規模な法要が行われているんですよ。

「キャスティングの際の直感には自信をもっています」


――この映画は、セリフがあまり多くないですよね。それでも見ていると、彼らの行動や表情から、愛する人を失った悲しみや憤り、やるせなさがすごく伝わってくるんですが、どんなふうに演出や演技指導をなさったのでしょうか。

監督の仕事は二つあると思うんです。一つはキャスティングで、役者をきちんと選ぶことができれば、ある意味で監督の仕事の半分は終わったと思っています。
なぜなら、選ばれた役者というのは皆さん、すごくまじめで、一生懸命で、役柄に対する理解もある。

ですから、監督としてのもう一つの仕事は、演技指導というよりも、その役柄が置かれている状況や心理状態について説明すること、たとえばこれは何回目の法要で、そのときの心境はどのようなものなのか。
そういうことをきちんと伝えたら、あとはどう演じるかは役者さんにお任せします。皆さん、プロですから。理解すれば、それに合った素晴らしい演技を見せてくれます。

――では、主人公役のシー・チンハンさんとカリーナ・ラムさんはどのように選ばれたのでしょうか。

物語ができて、だれに演じてもらおうかと考えるときに、いろいろな役者を想像するんです。それで、ああ、この2人だったら、きっとうまくやってくれるんじゃないか、と。
オーディションをしたり、いろいろな役者と話してみたりということではなく、直感で「この人なら」と思って、オファーしました。

――じゃあ、その直感は大当たりだったんですね。

そうですね。いつも自分のキャスティングの際の直感というのは、ものすごく信じて、大事にしています。
育児休業を終え、本作で女優復帰を果たしたカリーナ・ラムさんは、<br>見事金馬奨主演女優賞に輝きました<br>(画像提供:太秦株式会社)

育児休業を終え、本作で女優復帰を果たしたカリーナ・ラムさんは、
見事金馬奨主演女優賞に輝きました
(画像提供:太秦株式会社)

――そうやってさまざまな思いを重ねながら映画を撮り終えて、完成したフィルムを最初に見たときはどんなお気持ちでしたか。

完成したときは、とにかくホッとしました。とても長い時間をかけて作ったので、ああ、終わった、と。
この映画は、実は編集の段階にものすごく時間がかかったんです。今まで編集した映画の中で、これが一番大変でした。

というのは僕にとって、この映画の全体のリズムというのが何よりも大事だったんですね。だから、たとえば後半の部分をちょっと変えただけでも、最初からまた通しで見て、全体の流れを確認する。
自分の作品の中で、この映画を見た回数が一番多かったです。

それで、台北映画祭のワールドプレミアで初めて一般公開された映画を見たんですが、そのときはもう、本当に感動しました。
――観客になって見たような感じだったんでしょうか。

普通の観客というよりも、映画の物語の展開によって、再び自分自身の思い出の世界に引きずり込まれてしまったという感じです。編集しているときはそういうことはあまり考えなかったんですが。
映画の中で描かれている出来事は、人から聞いた話などを参考にしているので、僕自身の経験とは違いますが、それでも最愛の人を失った悲しみというのは同じなので、やはりいろいろと思い出してしまいました。

トム・リン監督流・旅を楽しむコツとは?

一人、沖縄を旅するシンミン。そこで出会った人々との小さな触れ合いが、彼女の気持ちを少しずつ変えていきます<br>(画像提供:太秦株式会社)

一人、沖縄を旅するシンミン。そこで出会った人々との小さな触れ合いが、彼女の気持ちを少しずつ変えていきます
(画像提供:太秦株式会社)

――シンミンが行けなかった新婚旅行に一人で行くシーンがありますが、どうして行き先に沖縄を選んだんですか。

沖縄は台湾の若い夫婦がハネムーンでよく行く場所なんです。僕自身も沖縄が大好きですし。
沖縄の人ってすごく温かいですよね。それが、シンミンの心情と対照的なので、映画にしたらすごく見応えがあるんじゃないかという勘もありました。

――(恋人と行くはずだった場所を)一人で旅するというのはかなり辛いと思うんですが、あえてそうするというのは、それで何か癒されるものがあるのでしょうか。監督も同じように一人旅をされたと伺いましたが…

そうですね、僕は北海道に行きました。
癒される、慰められるというよりも、……なんていうのかな、……僕にとってはむしろ、ある種の逃避だったかもしれません。その逃避の中で、孤独を感じながらも、本当にいろいろなことを考えました。

旅でだれも自分を知らない場所に来ると、自由になれるというのもあります。だれも自分に起こった出来事を知らないので、同情や憐みのまなざしを向けられることもない。
すると、自分自身がしっかりしてくるんですね。そうやって、だんだんと気持ちが落ちついていきました。
同じ日に、同じように最愛の人を亡くしたユーウェイとシンミン。けれども、それぞれが別々の時間を生き、違ったやり方で孤独と向き合っていきます。<br>悲しみの乗り越え方は人それぞれ違う…そのリアルさこそが、見る人の心を打つのかもしれません<br>(画像提供:太秦株式会社) 同じ日に、同じように最愛の人を亡くしたユーウェイとシンミン。けれども、それぞれが別々の時間を生き、違ったやり方で孤独と向き合っていきます。<br>悲しみの乗り越え方は人それぞれ違う…そのリアルさこそが、見る人の心を打つのかもしれません<br>(画像提供:太秦株式会社) 同じ日に、同じように最愛の人を亡くしたユーウェイとシンミン。けれども、それぞれが別々の時間を生き、違ったやり方で孤独と向き合っていきます。<br>悲しみの乗り越え方は人それぞれ違う…そのリアルさこそが、見る人の心を打つのかもしれません<br>(画像提供:太秦株式会社)

同じ日に、同じように最愛の人を亡くしたユーウェイとシンミン。けれども、それぞれが別々の時間を生き、違ったやり方で孤独と向き合っていきます。
悲しみの乗り越え方は人それぞれ違う…そのリアルさこそが、見る人の心を打つのかもしれません
(画像提供:太秦株式会社)

――台北ナビは台湾の観光情報を発信しているサイトです。最後に、台湾のオススメの場所やおいしいものなどを教えていただけますか。

うわーっ、それはいっぱいありすぎるんですが…(笑)

とにかく日本の皆さん、もし台湾が好き、あるいはこの映画を見て行きたいと思ってくださったら、ぜひ台北でも高雄でも行ってみてください。
行く前にあんまりいろいろ決めないほうがいい。この観光スポットは必ず行かなくちゃとか、これは絶対見なきゃとか考えずに、とにかく行って、自分の目で見る。それだけで、どこに行ってもすごく面白いと思うんです。
少年のような笑顔で、旅の醍醐味について語るトム・リン監督

少年のような笑顔で、旅の醍醐味について語るトム・リン監督


僕が特に羨ましいと思うのは、地図を片手に、カメラを提げて、台北の街をブラブラしている人です。彼らにとっては、一歩踏み出せばどこも見知らぬ街ですから、すべてが新鮮で素晴らしい。
ときどき、何でもないただの道を覗き込んで、カメラで何か撮ろうとしている人を見かけるんですが、何が面白いのかなと思って思わず一緒に覗いてみても、別に何もない(笑)。
でも、彼らにとっては新鮮で、楽しいんですよね。それでいいと思うんです。

――監督も旅がお好きなんですね。

そうです。特に行ったことのないところはワクワクして面白いですね。
今回もこのエリア(台湾文化センターのある虎ノ門)に来たのは初めてだったので、昨日もこの周辺をブラブラ歩いてみて、すごく面白かったです。
そう言って笑う監督は、本当に楽しそうでした。

トム・リン監督のお話を伺っていると、心から映画が好きで、新しいことが好きで、いつも前を向いて何か楽しいことを探している、そんな印象を受けました。
また、インタビューの中で「この映画は全体のリズムを大事にしている」と伺って、だからすべてのシーンが流れるように美しく、まるで芸術作品のような仕上がりになっているんだなと納得しました。

もう一度ゆっくり「百日告別」を見て、監督が話してくださったたくさんの想いをじっくりと味わってみたいです。

以上、台北ナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2017-02-21

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