大稻埕(迪化街)の外れに位置する「有記名茶」は、1890年創業の老舗茶葉店。歴史を感じるレンガ造りが素敵です。きっと訪れたことのある人も多いのではないでしょうか?店内では茶葉販売のほかにも工場見学も行っていて、この日も地元学生さんの姿が……。
傍らの看板を見てみると、「SOMETHING CLASSIC」「SOMETHING MODERN」の文字。「SOMETHING MODERN」の矢印が指す方に目を向けてみると……、
何やら現代風のお洒落すぎる空間を発見!「WANGTEA LAB×有記」です。ここは2020年にオープンした「有記名茶」が新たに手掛ける喫茶スペースで、5代目主人の王聖釣さんが研究を重ね生み出した、新しい形の台湾茶が気軽に味わえるティーサロンなんです。
まず店内インテリアが素敵!お茶屋とも茶芸館とも異なる空間で、1階中央に鎮座するカウンターからは、カフェのようなバーのような雰囲気が漂います。近代的でとってもスタイリッシュ!
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モダンな中にクラシカルな要素も。開業当時から使われてきた箱は棚へと姿を変え、雨の日にクリーニング屋さんが洗濯物を工場内に干しに来たという思い出は照明のアイディアソースに。そしてテラゾー造りの階段は当時のまま……どれも見事にリノベーションされています。 |
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生ビール!?と思わせておいて、実はお茶。Nitro Tea(ニトロティー)は炭酸ガスや窒素ガスを加えたふわふわ&クリーミーな泡が特徴です。のど越しもスッと滑らか。やっぱりお茶だと思わせてくれるのが飲んだ後に爽やかに鼻を抜けるほんのりとした甘さ。(一部アルコール入りもあります) |
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こっちはコーヒー!?みたいだけど、やっぱりお茶。コーヒーのようにドリッパーを使い、ハンドドリップでじっくりと茶葉を開かせます。台湾茶は何度もお湯を継ぎ足して飲むのが一般的ですが、ここでは均一した味を提供したいと1煎目の一番よいところだけいただきます。 |
ほかにもエスプレッソみたいなマシンを使って、茶葉から濃厚なエキスを抽出したお茶や「鮮乳坊」の牛乳を使ったミルクティーなど、さまざまなお茶が味わえます。
メニューを見てみると、いずれも「Fermentation(発酵)」「Roasting(焙煎)」「Strength(味わい)」が数字で表されています。例えば、文山包種茶からできた「金種烏龍」は1・9・7で、発酵度1(弱い)、焙煎度9(強い)、味わい7(やや強い)ということ。
文山包種茶は緑茶のような風味が楽しめるお茶ですが、焙煎度を高めることでずっしりとした重さと香ばしさのある味わいに仕上がっています。同じ茶葉の「文山包種」は1・2・2、同じく文山包種茶からできた「奇種烏龍‐包種」は1・4・5と焙煎度を変えるだけで全く異なる味わいになるから不思議!飲み比べしてみても楽しいかもしれません。
「台湾茶をより理解して欲しい」という思いから始まりました。だからお茶本来の風味を味わって欲しいと砂糖やタピオカなどのトッピング類はありません。合わせるのは「COFE」や「某某Quelques Pâtisseries」とコラボした茶葉スイーツをどうぞ。伝統の台湾茶が新しい形でいただける「WANGTEA LAB×有記」。きっとたくさんの驚きが待っているはずです。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2022-01-06
台北の下町、迪化街近辺にある歴史のある茶商。ちょっと変わった穴場的なスポット。