日台共同開発の秘話を聞いてきました~♪
こんにちは、台北ナビです。
台湾に留学したことがある方なら絶対と言っていいほど、繁體字にも対応可能な「快譯通」の電子辞書をご存知でしょう!
その快譯通とパソコン周辺機器を取り扱う日本の「株式会社アーキサイト」がタッグを組み、この度ドライブレコーダーX-RUNを発売しました。
今回は「快譯通」の黄さん、李さん、「株式会社アーキサイト」の松本さんとお会いして、その開発秘話を伺ってきました。
左から「快譯通」の李さん、黃副總經理、「株式会社アーキサイト」の松本さん
安定安心のドラレコ「X-RUN」
(ナビ)「快譯通」と「アーキサイト」の出会いは?(松本さん:以下 松) 昨年の2016年、台北の展示会です。「快譯通」が出品していたドライブレコーダーAbeeを見つけ(以前ドライブレコーダーの開発に関わったことがあり、それと比べ)画質がキレイでデザインも良く、こんな優れたドライブレコーダーがあったんだ!と感激しました。
話しかけてみると、日本進出に興味があるということだったので是非とも一緒に!ということになり、Abeeを日本向けにカスタマイズしたX-RUNを共同開発することになりました。
(ナビ) X-RUNドライブレコーダー開発でどこにこだわりましたか?
(黄さん:以下 黄) 台湾では2010年の年末頃から、本格的にドライブレコーダーが開発され始めました。私たち「快譯通」は翌年の2011年~。日本はもう少し遅かったですね。
開発を始めた時に私たちが目にしたドライブレコーダーは本体が大きく、厚みがあり、操作もしにくいものでした。だから、小さくて操作が簡単にできるものを作りたいと思ったんです。ボタンもわかりやすい位置にあり、直感的に操作ができる形のものが良いと考えました。そして出来上がったのが、超コンパクトなドライブレコーダー!この業界でこんなに小さくまとまったレコーダーを作り上げたのは「快譯通」が初でした。
ですが、当時そんなコンパクトなものを作り出すのはとても困難なことだったんです。中に電池も入れなくてはいけない、車の中に取り付けるので暑い季節だと車内が高温になることも……運転中や暑い夏など電源が落ちたりして再起動させないといけなくなったら、使い物になりませんよね。
それらの点を考慮しながら、まずは安定して安全に使用できること。運転中でも安定して録画可能なことや、高温でも耐えられる安全なものであることに、特にこだわりました。ヨーロッパなどの安全規格もクリアしていているので、安心して使用してもらえると自負しています。
2つ目は画質です。レンズは時間をかけてこだわって選びました。カラーもくっきり出るものをセレクトしています。ドライブレコーダー業界の中でもいちばん良い物を使っていますよ。
(ナビ)電子辞書メーカーとして有名ですが、そこで養った経験や技術はドライブレコーダー開発に役立ちましたか?
(黄) 「快譯通」は電子辞書の分野ではすでに20年ほどになります。特に「わかりやすく使いやすい」操作画面に重きを置いています。その「わかりやすく使いやすい」というポイントを、ドライブレコーダーにも活かしました。
(松) 台湾や日本のほかのメーカーのものと比べてもわかると思うのですが、メニュー画面からの操作がとてもしやすいです。
メニュー画面からの操作が簡単! 初めて使ったナビも説明書を読まずとも、どう操作するかわかってしまいました
ドライブレコーダーってそんなに重要??
(ナビ) 台湾でのドライブレコーダーAbeeのシェアを教えてください!
(黄) 38%です。
実店舗ではドライブレコーダーとしてナンバーワン人気です。
台湾のタクシーでも採用されていて、中でも55688台灣大車隊(台湾でいちばん大きなタクシー会社)にも採用されています。
(松) 電子製品としてのシェア率38%は驚異的な数字なんですよ。
(ナビ) 1/3以上のシェアがあるということですね! それはすごい!!
黄さん
(ナビ) 台湾ではもっぱらMRTやバスに乗車しているので、ドライブレコーダーの重要性についてあまり考えたことがありませんでした……。どういった点が重要なのですか?
(黄) 決定的なのは、自分を守る為ですね。万が一の時の証拠になり、保険会社への提出でも的確な解決が望めます。
今回発売したX-RUN M6とM7の特長を教えて!
(松) 基本的にはどちらの機種とも「夜間に強い」、「キレイに撮影できる」、「操作が簡単」というこの3点に尽きます。
M6とM7のいちばんの違いは、解像度が「Full HD」か「WQHD」だということ。
解像度がWQHDである「M7」の方はFull HD のM6に比べて、1.8倍解像度が高いです。例えば同じナンバープレートを撮影した場合、解像度が高いと、引き延ばした時により鮮明に確認できます。要は写真の画素数のようなものですね。
しかも「M7」のように、WQHDもある商品は現状ほとんどないということも特長のひとつだと思います。
明るさということなら、F1.8のレンズを搭載している「M6」の方が明るいですよ!また、主観にはなりますが、シンプルで使いやすいデザインがとても気に入っています。しかも「M6」は、とても買い求めやすい価格に設定しました。
日本へ進出してみて感じた台湾との違い
(ナビ) 日本の市場をどう考えていますか?(黄) 日本はここ2、3年でドライブレコーダーを搭載するという意識が高まってきましたね。台湾より人口が多い=車も多いのでとても期待しています。
(ナビ) 台湾市場と日本市場の違いはどんなところでしょう?(黄) 台湾でも日本でもデザインや品質を重視する点は共通しています。違いは、日本はハイスペックをとても好むという点です。
(松) 台湾は周波数が60Hzですが、日本は関東が50 Hzと関西が60 Hzで違いますね。そういった周波数対策や、LED信号機対策も行いました。その点が「快譯通」さんにとっては大変だったかなと思いますが、個人的にはすべての翻訳とファームウェア修正を担当したので、それが大変でした。
(ナビ) 日本向けの商品の開発にはどれくらいの時間がかかりましたか?
(松) 発売まで8か月ほどですね。台湾企業にとっては時間がかかっている印象、日本企業にとっては早い方ですね。
(李さん:以下李) 一緒に開発していく中で、アーキサイトさんが問題点をどんどん指摘してくれて、それに対応する。そして、実施テストを行って……という繰り返しでした。
(松) 日本に合う規格に作り変えるために時間がかかった感じですね。弊社スタッフが実際ドラレコを装着し運転して、問題点を見つけました。それをとことん解決してくれたので、発売してからの問題はほぼありません。
相性抜群の「快譯通」×「アーキサイト」
(ナビ) 「アーキサイト」と共同開発をしてみて如何でしたか? 日本企業は細かくてうるさいなぁとは思いませんでしたか??(黄) あはは!とっても楽しかったです!(本当に楽しそうに)
松本さんをはじめ、アーキサイトのスタッフの方々はとても積極的で、ドライブレコーダーのメリットとデメリットも、深く理解していました。だから商品に対しての要求もとても高かったのですが、やりがいがありましたね。フィードバックが早かったのも、とてもやりやすかったです。
(ナビ) 「快譯通」、共同開発をしてみて如何でしたか?(松) 基本他国との共同開発をする際に日本からの要求はとても高いです。ドライブレコーダー自体は事故の瞬間を撮影するものなので、特に要求を高く設定しました。
それでも「快譯通」はこちらが出した要求に対して、どんなに細かいものでもできないということは一切なく、全てきちんと答えてくれました。真面目に誠実に取り組んでくれたのがとても良かったです。
台湾の優良ブランドを日本で広めたい!
(ナビ) アーキサイトが「X-RUN」を日本で発売する思いはどんなものがあるのでしょう?
(松) 私は以前台湾に3年間住んでいたんですが、台湾の友人の車や台湾のタクシーにはみんなドライブレコーダーが付いていたのを見て、普及率がとても高く、日本と違うなぁと感じていました。日本でも、年配の方や運転に自信のない女性ドライバーなど、ドライブレコーダーを付けたらいいのになぁ~と思ったんです。
もちろん台湾は日本の約倍という事故率の問題もあります。ですが、日本でも付けたらいいのにと。そこで展示会で出会ったのが「快譯通」のAbeeでした。この品質と価格なら日本の市場に持っていける!しかも「快譯通」は電子辞書で有名で、私にとって非常に信頼できるブランドだったので、日本に台湾の素晴らしいブランドを広めたいと思いました。
(ナビ) 発売後の売れ行きや反応はどうすか?
(松) 発売して約2ヶ月ちょっとですが、売れ行きもはても良いです。日本ではみんなが知らないブランドなのに非常に好調で、とても嬉しいです。
最後に「快譯通」から、日本のみなさんへメッセージをお願いします!
Abeeは台湾でいちばん売れているドライブレコーダーです。それを日本向けに開発したのが「X-RUN」です。お手頃価格で品質も良く、ハイスペックなので自信を持ってオススメします!
和気あいあいとした雰囲気でした
実際、台湾のニュースで交通事故の模様が出てくる際、ドライブレコーダーで撮影した事故の瞬間の映像が流れてくることが多々あります。日本のニュースで目にするのは、事故後の画像がほとんど。事故の瞬間を目にすることで、安全運転への意識も高まりますよね。
台湾では普段車の運転をしないナビですが、実家の車に搭載した方がいいんじゃないか? と考えてしまったほど、万が一の時のためのドライブレコーダーの重要さを感じました! 試しに買ってみるには、お手軽な値段設定も魅力的です。
以上、台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2017-05-12