国立台湾博物館(鉄道部パーク)

國立台灣博物館(鐵道部園區)

閉店・移転、情報の修正などの報告

一日いても飽きない!?台湾の鉄道の歴史が分かるニュースポットです

こんにちは、台北ナビです。

2020年7月、台北に新たな博物館「国立台湾博物館 鉄道部パーク」がオープンしました。台湾ではこれまでにも鉄道をテーマにした博物館や資料館などはありましたが、それらに比べて規模が大きく、内容も非常に濃厚なものになっています。

今回はちょっと「鉄分」の多いナビが早速参観。見所をチェックしてきましたよ。

日本統治時代の建物自体が見所

国立台湾博物館 鉄道部パークがあるのは、台北MRT「北門」駅と桃園(空港)MRT「台北」駅のちょうど中間地点で徒歩1~3分。台北MRT・台鉄・高鉄「台北」駅からも徒歩圏内です。

「庁舎」と呼ばれるメインの建物は赤レンガでいかにもな雰囲気をかもし出していて、察しの良い方ならお気づきだと思いますが、日本統治時代の1914(大正7年)に建設された建築物で、台北市の3級古跡に指定されています。元々は台湾総督府交通局鉄道部が入居していて、戦後は1993年まで台湾鉄道の総局が入居していました。そもそもこの場所は、台湾で鉄道が開通した当初から初代台北駅や車庫、工場などがあり、鉄道輸送を支え続けた場所でもあります。

建物は1階部分が赤レンガ、2階部分が木造となった折衷型で、明治後期から大正時代に流行した建築様式。1階外壁がレンガのアーチ状になっているほか、2階には外廊下があり、優雅で開放的な印象を与えます。高温多湿で白蟻被害に見舞われやすい台湾で、この様式の建物が残されている例は非常に少なく、貴重なものになっています。
正面玄関を入って左側に入場券売り場があります。購入後、右側から入場してください。EasyCard (悠遊卡)での入場も可能です。直接ゲートに行き、カードリーダーにタッチします。
豪華さが漂う正面玄関 豪華さが漂う正面玄関

豪華さが漂う正面玄関

チケット売り場

チケット売り場

一般のチケットには裏側にQRコードがあり、ゲートでスキャンします

一般のチケットには裏側にQRコードがあり、ゲートでスキャンします

台湾の鉄道に詳しくなれる!「鉄道文化常設展」

清朝時代の路線図。台湾の鉄道はこの頃すでに北部で開通していました

清朝時代の路線図。台湾の鉄道はこの頃すでに北部で開通していました

実はあまり知られていないのですが、台湾の鉄道は日本統治時代より前の清朝の時代に基隆―新竹で建設されたのが始まりです。その後日本統治時代になると、新竹―打狗 (高雄)間、花蓮港―台東を結ぶ鉄道などが急ピッチで建設されるようになります。鉄道開通前、台湾は比較的栄えていた西部であっても、都市間を結ぶ道路はほとんど整備されておらず、都市毎に独立した経済圏を形成していたんです。同じ島内にある都市同士でも交流・交易は非常に限定的なものでした。それが鉄道の開通で台湾全体が一つの大きな経済圏となり、産業が大きく飛躍。茶、米、木材、樟脳、砂糖、果物などの輸送に鉄道貨物輸送は重要な役割を担うことになり、内地(日本)をはじめ、世界の経済を支えるようになります。

戦後はモータリゼーションのあおりを受け、糖業や林業鉄道が相次いで廃止となり、小規模な鉄道事業は衰退の時代を迎えますが、都市間を結ぶ台湾鉄道は電化・複線化を行い、輸送力の増強と高速化を図ります。また、1996年には都市内の大量輸送を担う台北メトロ(MRT)が、2007年には西部を南北に縦断する台湾高速鉄道がそれぞれ開業し、人と物を大量に輸送でき、定時制に優れる鉄道は、いつの時代も台湾の経済や人々の暮らしを支え、なくてはならないものになっています。常設展では、そんな鉄道の歴史やシステムの解説を行っています。
日本統治時代の列車のおもちゃ

日本統治時代の列車のおもちゃ

時刻どおりに動く鉄道は台湾人に時間の概念を植えつけたんだとか

時刻どおりに動く鉄道は台湾人に時間の概念を植えつけたんだとか


台湾の鉄道の歴史を振り返ります

台湾の鉄道の歴史を振り返ります

1階【咱的鐵支路 OUR RAILWAYS】

台湾の鉄道の歴史を学べるコーナーです。清朝時代から日本統治時代、戦後まで、進化と発展を続けた台湾の鉄道の歩みのほか、現在運行されている路線、すでに廃止された路線などについて、認識を深められます。
鉄道の発展に台湾総督府や戦後の日本が大きく関わったことは皆さんもご存知の通り 鉄道の発展に台湾総督府や戦後の日本が大きく関わったことは皆さんもご存知の通り

鉄道の発展に台湾総督府や戦後の日本が大きく関わったことは皆さんもご存知の通り


映像と光で台湾の鉄道を紹介します

映像と光で台湾の鉄道を紹介します

1階【火車日常 TRAINS HISTORY】

中国語で「日常」、英語で「ヒストリー」と題されたコーナーですが、蒸気機関車から電気機関車への移り変わりや、切符の進化、特殊な車両や糖業や林業に特化した鉄道の紹介など、戦後の台湾の鉄道発展について理解が深められます。
マニアックですがすでに廃線となった路線の解説もあります マニアックですがすでに廃線となった路線の解説もあります

マニアックですがすでに廃線となった路線の解説もあります

精巧な車両の模型。じっくりと眺められます 精巧な車両の模型。じっくりと眺められます 精巧な車両の模型。じっくりと眺められます

精巧な車両の模型。じっくりと眺められます

急行列車「莒光號」の車内を再現した空間で記念撮影はいかが? 急行列車「莒光號」の車内を再現した空間で記念撮影はいかが?

急行列車「莒光號」の車内を再現した空間で記念撮影はいかが?

改札口を再現した場所も

改札口を再現した場所も

歴史を感じさせるヘッドマーク

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かつては台鉄にも食堂車がある列車がありました

かつては台鉄にも食堂車がある列車がありました

切符発券に使われていた特殊キーボード

切符発券に使われていた特殊キーボード

貨車や客車の後部に連結される車掌車の内部はこうなっていました

貨車や客車の後部に連結される車掌車の内部はこうなっていました

こちらにも模型が こちらにも模型が こちらにも模型が

こちらにも模型が


2階【解碼鐵路信息 RAILWAY SIGNALS EXPLANED】

安全な鉄道の運行を支える駅舎や車庫、信号所などの建物やトンネル、橋などの建築物、信号、タブレット閉塞などの紹介と解説があります。とはいえ、こちらの解説は割とあっさり目。「とりあえず見て、こんなものがあるんだよ」という概念を学べればいいという感じでしょうか。
かつては全国にあった扇形車庫。今は彰化のものが有名ですよね

かつては全国にあった扇形車庫。今は彰化のものが有名ですよね

苗栗車庫は電化後のスタンダードの形

苗栗車庫は電化後のスタンダードの形

日本統治時代の基隆駅舎

日本統治時代の基隆駅舎

第三代目の台北駅舎

第三代目の台北駅舎

西螺大橋は愛知県の旧犬山橋のように鉄道道路併用橋だったんですね

西螺大橋は愛知県の旧犬山橋のように鉄道道路併用橋だったんですね

阿里山森林鉄道には大規模な木造橋がありました

阿里山森林鉄道には大規模な木造橋がありました


台北駅周辺が地上線だった頃の様子を再現したジオラマもあります

台北駅周辺が地上線だった頃の様子を再現したジオラマもあります

見逃せないのが大ジオラマ。台北駅周辺の鉄道は今でこそ地下化されてしまいましたが、ここでは地上時代の様子を再現!懐かしい風景が甦ります。昼と夜の違いも演出されていて、夜にはライトアップする仕掛けもあり、とってもリアル。10~20分ごとに列車が行き交い、ずっと見続けたくなる空間になっています。
華山1914文化創意產業園區(華山芸文中心)の裏手の芝生はかつて扇形車庫があったんですね

華山1914文化創意產業園區(華山芸文中心)の裏手の芝生はかつて扇形車庫があったんですね

発車を待つ列車。趣があります

発車を待つ列車。趣があります

そうそう!昔は忠孝西路を跨ぐ歩道橋があったんですよ!

そうそう!昔は忠孝西路を跨ぐ歩道橋があったんですよ!

今いる博物館と中華商場。この時代から台湾に通っている人もいるのでは?

今いる博物館と中華商場。この時代から台湾に通っている人もいるのでは?

10~20分毎に列車が行き交います 10~20分毎に列車が行き交います

10~20分毎に列車が行き交います


2階【現代性時空秩序 MODERN TEMPORAL AND SPATIAL ORDER】

鉄道は多くの人の暮らしに密着し、鉄道のある文化を生み出しています。それは音であったり、味であったり、音楽や映画などであったり……。台湾人の記憶の中にある鉄道文化を通じた暮らしぶりを垣間見られます。
踏み切りや信号など、鉄道には欠かせないシステムです 踏み切りや信号など、鉄道には欠かせないシステムです

踏み切りや信号など、鉄道には欠かせないシステムです

鉄道マニアには好きな人が多いタブレット閉塞について詳しい説明があります 鉄道マニアには好きな人が多いタブレット閉塞について詳しい説明があります

鉄道マニアには好きな人が多いタブレット閉塞について詳しい説明があります

駅の案内放送や車内放送を自分の好きな列車・言語で聞けるコーナー。台湾語や客家語でも聞けちゃいます 駅の案内放送や車内放送を自分の好きな列車・言語で聞けるコーナー。台湾語や客家語でも聞けちゃいます

駅の案内放送や車内放送を自分の好きな列車・言語で聞けるコーナー。台湾語や客家語でも聞けちゃいます

駅弁や車内でのお茶のサービスなどは旅行者にとっても馴染み深いもの 駅弁や車内でのお茶のサービスなどは旅行者にとっても馴染み深いもの

駅弁や車内でのお茶のサービスなどは旅行者にとっても馴染み深いもの

日本人だからこそ知っておきたい、台湾の歴史が分かる特別展

庁舎の左側は特別展エリアになっています。ナビが訪問した際の特別展はどちらも日本統治時代の台湾にまつわる展示でした。日本の歴史教科書では習うことのない内容ですが、間違いなく日本の領土であった台湾であった事実。「よくわからない」で終わらせるのではなく、ぜひ理解を深めたいものです。

1階【「異論「現代」」展】(2021年2月28日まで)

1935年(昭和10年)に現在の台北二二八公園などで開催された始政四十周年記念台湾博覧会は、近代化を遂げ躍進する台湾をテーマに行われましたが、その背景には博覧会を通じて殖産興業、富国強兵を広く呼びかけ、強化する台湾総督府の意図がありました。当時の参観者が残した日記、小説、詩、レポートなどを通じて、展示されていたことの真実や当時の社会問題などを探ります。

台湾初の洋式ホテルとして建設された台湾鉄道ホテルは、近代的な設備を有し、華麗な内装で、太平洋戦争末期に台北大空襲で焼失するまで、日本統治時代の台湾を代表するホテルとして知られていました。著名人が宿泊したほか、盛大なパーティーなども開かれ、政治、経済、文化面で大きな役割を果たしていたホテルの栄光を振り返ります。

庁舎以外にも見所たくさん

【食堂】

かつて職員食堂と経理課と会計課の事務室だった木造の建物は1932年に建設されたもの。下見板の外壁は台湾の木造建築でよく見られるもので、ここでもその姿は健在です。現在1階は売店になっていて、台湾らしいお土産や鉄道関連の書籍やグッズ、博物館のオリジナル商品なども購入可能です。
お土産にどうぞ お土産にどうぞ お土産にどうぞ

お土産にどうぞ


【八角樓男廁】

大きな東屋のように見える白い八角形の建物は、まさかの旧男子トイレ。中央の大きな柱の周りで用を足すかなり斬新なデザインになっています。かつて鉄道職員は男性が中心だったため、大きな男子トイレが必要だったとか。今は園区内の建物を解説する小屋になっています。

【電源室】

1925年に建てられたもので、発電機やバッテリーなどが置かれていたといわれています。現在は多目的ホールとレストランが入っています。

ナビはここで「1925鐵道排骨飯」をオーダー。220元と少し値が張りますが、非常に具だくさんでボリューミー。さらにドリンクも付いているのできっと満足できるはずです。
ボリュームたっぷり「1925鐵道排骨飯」

ボリュームたっぷり「1925鐵道排骨飯」


【防空壕】

一目見て「えっ?」と驚かずにはいられないのがこの防空壕。太平洋戦争末期の1943年に建設された円錐形のコンクリート造りで、しかも外に露出しているというヘンテコな形が目を引きます。さらにこの下に地下室があるそうですが、現在は開放未定。鉄道部の高官などが避難する目的で作られたとのことで、駅、橋、トンネルなど鉄道施設が詳細に書かれた地図が貼られていて、作戦指揮ができるんだとか。現在の姿は日本統治時代のものではなく、戦後の国共内戦時に一部増強されているものです。

【工務室】

工務課と庶務課が利用していたとされる平屋の木造建物です。現在は蒸気機関車に関する特別展が開かれているほか、簡単な鉄道の原理を学べるプレイルームになっていて、親子で遊べる空間です。

【石畳】

MRT松山線の建設時の発掘調査の際に出土したのが清朝時代の石畳。時代を感じさせます。
本館、古生物館、南門園区へはシャトルバスで!

本館、古生物館、南門園区へはシャトルバスで!

国立台湾博物館には、今回ご紹介した鉄道部パーク以外に、「本館」「古生物館」「南門園区」という別施設があります。この別施設を結ぶ無料のシャトルバスが1時間に約1本の割合で運行されているので、ほかの展示も見たいという方はぜひ利用して下さい。

また、「鉄道部パーク」以外の3館も一緒に参観できるチケットも販売していますので、賢く利用して下さいね!

鉄道マニアならずとも楽しめる国立台湾博物館 鉄道部パーク。全体を見て回ろうとすると駆け足でも1時間30分はかかる盛りだくさんの内容です。台湾での旅行や生活になくてはならない存在である鉄道について知ると、台湾の歴史や文化、そして日本との関係にもさらに詳しくなれました。

また、これとは別に松菸文創園区に程近い台北機廠(車両工場)跡地に「国家鉄道博物館」の開設準備が進んでいます。実際の鉄道車両なども展示されるので、こちらにも期待したいところです。

以上、大満足の台北ナビがお伝えしました!

記事登録日:2020-08-06

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2020-08-06

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