老街オブ老街!台湾最古の商店街で感じるノスタルジー
こんにちは、台北ナビです。
三峡老街や十分老街、それに深坑老街や鹿港老街などなど、台湾には「老街(ラオジエ)」と呼ばれる、むかしながらの面影を今に残す通りが、数多く点在しています。なかでも、台南の西側にある「安平老街」は、オランダ時代に造られた、台湾で最も古いとされる商店街。まさに、老街の中の老街として人気を集めているスポットです。
様々な文化が混ざり合いノスタルジックな雰囲気ただよう「安平老街」を、のんびりと歩いてみました。
「安平老街」とは?帰りのバスの乗り場にも気をつけて!
オランダ統治時代、政治や貿易の中心として重要な役割を果たしていた「安平」は、台南の海側に位置する港町です。拠点となっていた「安平古堡」を中心に、台湾で初となる街が形成されていったそう。
「安平古堡」から東に延びる「延平街」は当時、今ほどの長さはなかったものの、300年以上もの歴史があるというから驚きです!平日の人通りは比較的少なめですが、休日ともなれば屋台や露店が並び、たくさんの観光客でにぎわいます。この「延平街」に「効忠街」と「中興街」とを合わせたエリアが、主に「安平老街」と呼ばれています。
安平老街は、台南中心部から少し離れた場所にあります。タクシーなら台鉄「臺南火車站」(台南駅)から約20分。バスの場合は、駅から2番のバス、もしくは観光スポットを結ぶ「台湾好行バス」の88番か99番に乗車し、「安平古堡(安北路)」バス停で下車します。(88番なら、ひとつ前の「延平街」で降りてもOK)
2番バスは「台湾好行バス」より本数が多めで便利ですが、駅方面へ向かう帰りのバスの乗り場は、行きに降りた場所ではなく、安平路沿い(古堡路との交差点近く)にある「港仔里」バス停になるので、ご注意を!!
安北路×古堡街交差点のそばの「安平古堡(安北路)」バス停で下車
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2番バスの帰りのバス停「港仔里」は、小さいのでお見逃しなく!
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「モヤシの井戸」から散策スタート!
「安平古堡(安北路)」バス停から、古堡街を下り、延平街との交差点まで歩いてきました。早速、ここから「安平老街」散策を開始!…と、思ったら、入り口の向かい側にひっそりとたたずむ赤レンガでできた、小さな井戸を発見しました。冊で囲われているものの、石碑には3級古跡と記されています。
地元の人の話によると、これは清朝時代に造られたもので、かつては貴重な水源とされて人々から重宝されていた井戸なんだそうです。日本時代に入り水道が整うと、だんだんと使われなくなっていきましたが、この水を使ったモヤシ作りが評判となり、人々から「豆菜芽仔井(モヤシの井戸)」の愛称で親しまれるようになったそうです。
今度こそ延平街に突入!と思った矢先、おいしいものの匂いにつられて、ついつい入ってしまったのが、カキやエビなどの海の幸を使った小吃が楽しめるこちらのお店。港町である安平は、昔からカキや虱目魚(サバヒー)の養殖が盛んで、火燒蝦というエビの漁場としても知られています。せっかく安平に来たからには、食べておかねば!ということで、蝦巻きと肉燥飯をいただきました~。
鄭家蚵仔煎孔雀蛤大王
延平街117號
(06)220-6088
11:00~20:30
ちょっとお腹が満たされたら、今度は食後のデザートを欲してしまったナビ。先ほどのお店からすぐの所に「豆花」という文字を発見し、さっそく入ってみました。赤レンガの外観も、オリエンタルな雰囲気漂う店内も、どことなく懐かしさを感じます。このお店は、ごはん系も食べられますが、伝統豆花のメニュー表が分けてあり特におすすめなようです。プレーンやアズキなど、オーソドックスなメニューがある中、ナビが気になったのは「ㄋㄟㄋㄟ豆花」という変わり種。練乳がかかった、甘くてまろやかな豆花でした。
拍龍坊
延平街140號
(06)226-7373
10:00~20:30、月曜休
種類が豊富でうれしい!
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迷你水蜜桃(ミニモモ)を買ってみました
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安平には、フルーツをシロップ漬けにした「蜜餞」のお店がたくさんありますが、「益生興蜜餞」の蜜餞は、独自にブレンドした漢方で漬けていて、甘すぎないのが特徴です。いろいろ試食させてもらうと、漢方特有の苦みはなくフルーツの本来の甘さが楽しめました。ドライフルーツもあり、梅ひとつとっても20ほど種類があることにびっくり!「蜜餞」なら飛行機に持ち込むことができるので、お土産にもおすすめですよ。
益生興蜜餞
延平街87號
(06)223-2555
9:30~20:00(土日祝日は9:00~)
平日に訪れたせいか、子供たちの遠足グループによく遭遇しました。そんな子供たちがたくさん集っていたのは、昭和を感じるかわいい駄菓子屋さん。広々としている店内には、安くてかわいい駄菓子が、所狭しとぎっしり並んでいます。昔を思い出すような素朴なパッケージのお菓子や、懐かしのおもちゃなど、見ているだけでも楽しくて、ついつい長居してしまいました。
金泉興蜜餞童玩行
延平街79號
(06)223-9217
9:00~21:30
安平には、エビ煎餅のお店もたくさんあります。ぶらぶらと歩いているだけで、エビ煎餅の試食がたくさんもらえるなんて、幸せ!せっかくなので、「安平小舗」のエビ煎餅を持ち帰ることにしました。ここのエビ煎餅は、油で揚げていないのでヘルシーなんだそうです。店内にはおひとり様1パックまでとなっている、激辛味もあったので、辛いもの好きならぜひ挑戦してみてくださいね。
安平小舖(小舖前店)
延平街107-1號
(06)221-9885
9:30~18:30(土日祝日は9:00~20:00)
細路地にも迷い込んだら劍獅に遭遇するかも…
にぎやかな「延平路」からひっそりと伸びる細い路地「延平街104巷」にも迷い込んでみました。「効忠街」と「中興街」は、赤レンガの民家が多く立ち並ぶ少し静かな通りです。
このあたりにある民家は、清軍に敗れて政治の中心が台南市内へ遷ったことから廃墟となりつつあった「安平古堡」の赤レンガを使って立てられたとも言われています。屋根が低く、中庭を囲むように作られているのが特徴的で、どことなくかわいらしさを感じてしまいますが、建物の老朽化が進み時間の流れとともに、その数は減ってきているそうです。
樹齢300年という木を発見!
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古井建物をリノベした「烘爐咖啡館」もこの通りに
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そういえば、街歩きを始めてからよく見かけるこの飾り…。かっこいいような怖いような、そして動物のようなおじさんのような…この動物の正体は「劍獅」という獅子で、このあたりの民家の入り口などによく飾られています。「劍獅」の由来については諸説あるのですが、口にくわえた剣で災いを跳ね返し、家を守ってくれるという言い伝えがあることから、安平の人々に長年親しまれています。効忠街にある「海山館」の入り口には、目がぎらっとした緑色の劍獅が
!!その表情や剣のくわえ方、模様にもいろいろ個性があったり、意外なところで遭遇することもあったりするので、ぜひ「劍獅さがし」にも挑戦してみてくださいね。
「安平」の長い歴史を感じながら、海の幸グルメをすっかり堪能したナビ。台南駅周辺も、レトロな雰囲気ただようエリアですが、「安平」はそれともまた違った独特な雰囲気をかもしだすエリアだと思いました。
安平には、まだまだ他にも見どころが満載。台南の中心部からはもちろん、高雄からのショートトリップとしても、ちょうどいい場所なので、ぜひ足を伸ばしてみてくださいね。
以上、台北ナビ(岩田優子)がお伝えしました。