馬祖列島の中で人口と面積が2番目の北竿で、神秘の坑道を歩いてきました
こんにちは、台北ナビです。
北竿は、梅花鹿(台湾鹿)の島やアジサシ保護区など8つの小島を持っています。また、今なお一般人は行くことができない高登と亮島も北竿に含まれています。が、明や清の時代には「遷界令」という住民の強制移住政策が何度も発せられ、1911年頃までは海賊が出没する島となっていました。このあたりは近海の海産資源も豊富なので、漁業を行なうために福建省からしだいに人々が移住してきました。
坂を下りていくと坑道の入り口があります
■注意事項:
ここへ入る際には潮の満ち引きに注意してください。
大潮の満潮時に到着した際には、引き潮になってからでないと参観できません。
ちょっと寄り道!
この突起物は何?
ナビたちは、岩の上にガラスの破片が埋まっている泥の塊群のようなものを発見。その塊が並ぶ岩へ上ってみました。これはかつて緊迫していた時代、向かいの国から海を渡ってきた兵士たち(台湾側は彼らを水鬼といいます)が岩を這い上がったときにこの破片で傷いたら、その血の跡で敵を捕獲することを目的として作りました。このような破片はここだけでなく、馬祖の海岸沿いの上陸しやすそうな岩にはたくさん残っています。台湾側からもフロッグマン(蛙人→ナビにはナイフを口にくわえ、暗い海中をカエルのようにスイスイ泳いでいく情景が思い浮かびました)と呼ばれる最強海軍陸戦部隊の精鋭たちが同じように真夜中泳いで海を渡り、対岸側で暗中殺戮を繰り広げた後、台湾側へ静かにまた戻ってくるという戦いの日々があったとか・・・、そういう英雄伝はここ馬祖にはたくさん残っているそうです。
岩登りする時、足を引っ掛けるのにいいとか考えないでください
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ほら、ガラスの破片もまだ残っているんです
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景色はいいのですが、安全とはいえません
ここでは海蝕や風化作用で形成された面白い地質景観を見ることができます。ちょうどナビが同行した人たちは、地質学専門の方たちだったので、入り口右の岩へ少し上ってみましたが、一般の方たちは岩へは上らず、そのまま坑道へ入ってくださいね。
滑ったら危険。
まっすぐ深い坑道です
南竿や東引と同じく、1968年から北竿でも兵士たちによって熊手、スコップ、鍬を用いて掘られました。北竿の坑道は、「午沙北海坑道」とも呼ばれます。坑道の長さは550m、幅9~15m。井型になった大きな南竿とは違い、まっすぐに伸びています。
見た目はこわい?
岩には、仏手という亀の爪のような外見で、台湾では希少な貝の種類を発見。
馬祖料理の珍味としてテーブルに運ばれてきます。食べる時は水かきの部分を掴み、硬い殻をかみ切って中を開けると甘くて美味しい肉が味わえます。
時間と採光状態によって、坑道の装飾が変化します
この坑道の工事は3年近くかかり、犠牲になった兵士は100人を越えました。船舶を隠すために掘られた坑道ですが、花崗岩という硬い岩を3人交代で昼夜休みなく削って掘ったこの坑道。今では、観光地として生まれ変わり、歩道や欄干も設けられています。
海水が入り込むと叫ぶ岩、それは海しぶきのこだまのようでもあります。
そして、引いては寄せる波や海岸沿いのような砂浜など、この坑道は聴覚、視覚に訴えてくる興味深いスポットだといえます。
以上、台北ナビでした。