台湾人に学ぶ新型コロナウイルスとの向かい合い方とは……
こんにちは、台北ナビです。
新型コロナウイルスの流行により、普段のように過ごせず不安な日々。台北ナビにできることは、台湾を紹介し続けることだけだと思っています。安心して旅を楽しめる時のための情報収集の助けに、そして台湾ロスに陥る方々に一時の癒しとなりますように……。
新型コロナウイルス対策が絶賛されている台湾について、実際に住んでいるとどんな感じ?と気になっている方も多いのでは?そんな方々のために、今回台北ナビではナビライターさんと「新型コロナウイルス」について語り合ってみました。
座談会メンバーの紹介
A:小学生6年生の娘さんを育てる心優しきフリーライター
Y:2人の小学生を育てるアウトドア派のフリーライター
U:好奇心旺盛で、台湾の素敵を見つけ出すプロであるコーディネーター兼フリーライター
C:愛猫3匹とゆかいな旦那さまと暮らす人気ブロガー
H:台湾歴が日本歴を超える、中国茶を誰よりも愛するライター
F:クールな外見からは思いもよらないほど、相手の懐に飛び込むのが上手なライター
L:台南を愛する台南在住のフリーライター兼コーディネーター
S:スクーター出勤をしていて、日本人には見えないナビスタッフ
M:MRTに乗って出勤しているナビスタッフ
会社勤めしているとマスクを買うのは結構大変です!
M:早速ですが本題へ!台湾のマスク対応が日本で絶賛されていますが、会社勤めしていると全然買えないんですが、皆さんはどうでしょうか?マスクアプリに出る残量が実際とかなり異なって、薬局をさまよい歩いて結局買えなかったってことが……。きっとこの制度が始まってから、番号札を配ってみたりと、当初政府側が考えてなかった方法を採用した薬局があるからだと思いますが、私は本当に買えなくて困っていました……。
L:私は台南に住んでいるので、台北とはちょっと違うかもしれませんが……。保険証提示の指示が出てすぐの頃は、台南でも薬局に行列&番号札配布の様子が見られましたが、ここ2、3週間は普通に買えます。少なくともうちの近所では並んだりすることもありません。アプリで在庫のある所にいって、マスクくださいと言えば、すぐ買える感じです。ほぼ家にいるので2、3日に1枚程度しか使わないということもあり、このまま安定して供給されれば、なくなることはなさそうです。台北の皆さんはどうですか?
大人用は売れ切れの文字
A:幸い、我が家には常備しているものが大量にあるので、まだ列に並びに行ったことがないんですよね。夜、薬局に行ったら、「大人用売り切れ。子供用あり」の貼り紙を見ました。大人用は、販売開始時刻の1~2時間から行列しているので、その列に並ばないと手に入らないのかなぁ?子供用に関しては、在庫がかなりあるみたいで、すんなり買えました!
U:私はまだコロナで騒ぎになってからマスクは買っていないです。以前に日本から持ってきたものがあり、なんとかそれを使っています。ここまで騒ぎになる前にワトソンズに行った時に、台湾の方々がすごい行列で並んでマスクを手に入れていたのを初めて見たときは台湾の皆さんすごいなとびっくりしました。今はそれが普通の光景になっていますが……。
選挙グッズ
C:私は旧正月前にコロナの件がくすぶり始めた時に心配でマスクを注文していて、今はまだ手持ちのもので足りています。なのでマスク制度が始まってから買いに行ったことはないんです。実は、先日義理の家族からマスクをおすそ分けにと送られてきたのですが、選挙グッズ!選挙時に有権者に何かプレゼントするのは台湾のお決まりですが、マスクプレゼントとは……。どこから入手したのかもわからないし、なんか怖くて使えない……。
A:使えますよ~!我が家の在庫の大半が選挙グッズとしてもらったもので…。今回の騒動前には処分を困っていたほどなのですが、ありがたく使用しています。ちょっと薄めなんですけどね。
F:私は以前から日本のマスクフェチで、帰国の度に毎回買って持ち帰っていたマスクの在庫がまだあるので、助かっています。いよいよ足りなくなったら健保卡持って薬局に並ぶ予定ですが、実際並ばれた方いらっしゃいますか??
H:私は並んで買っていますよ!やり方はお店に任されているようで、行く店によって違いはあるものの、混乱なきよう整理券が配られ、整理券の数以上になると、時間前でもきちんと断ってくれるのが助かります。ニュースでは店頭で小競り合いなどの場面も流れていましたが、私の行った薬局では非常にスムーズでした。実はSARSの経験から勘が働き、ニュースで武漢肺炎第一報を小耳に挟んだ時に、日本から二箱送ってもらいました。加えてSARSの時の使い残しもあったりします。
M:SARSの混乱を経験しているとは……!
買一送一って素晴らしい!
S:僕は昨年ワトソンズで買一送一の時にまとめ買いしたマスクがあったので、お陰様で足りています。逆に買一送一でなければまとめ買いすることがなかったと思うので中華圏の買一送一文化に感謝しています。実際にどういう風に買うのか知りたくて、3月上旬に10分並んで購入したことがあるんですが、販売開始の2時間前から折りたたみの椅子持参で並んでいるおばちゃんがいたのには驚きました!
大人用は売り切れだけど、子ども用はたくさんあるよ!という貼り紙
Y:みんな在庫が結構あるんですね……。私は気づいた時には時すでに遅し……マスクはすべて売り切れでした。「人混みに行かない=マスクを使わない」行動パターンを心がけ、マスクの消費量を必死に減らしています。ですが、マスク購入のために、30分くらい並んで2枚とかしか買えないので、割りに合わないと思って参戦しません。ただ、子供用マスクはいつも在庫があって、並ぶことなく1週間に1回に5枚買えます。通学時に着用しないといけないので大助かり。子供を大事にする台湾ってすばらしい!
列に並ぶか?ネットで事前登録するか……
M:在庫も怪しく、買うのも絶望的なのは私だけなのか……涙。3月12日から「2.0版」と呼ばれるネット予約制が始まって、早速私も登録してみましたが、もうなんかエラー続きで……。あきらめかけた時に奇跡的に成功したから良かったものの、こんなにぼやっとした感じでできた登録は、次回からできるのか不安です……。
A:きっとできるよ!台湾ってまずやってみて、状況に合わせてどんどん改良してくれるから!失敗は成功の母だからね。完璧を求めすぎないのがいいのかもしれないね!
M:ですよね!手数料が1回7元かかるのが不満と言っている人もいますが、私は1時間並んで買うくらいなら7元を喜んで払いたいです。
台湾人の意識の高さにビックリ!
M:旧正月に日本へ帰国していた時、台湾の友達や同僚からいち早くマスクと消毒用製品が不足しているから買えたらお願い!という連絡が。日本ではまだまだ実感がない時だったのに、その意識の高さに驚いたのを覚えています。
MRTの主要駅でも……
|
 |
ホテルでも……
|
 |
レストランでも……
|
体温を測ります! |
C:台湾人1人1人の感染予防に対する姿勢や、このコロナウイルスにて犠牲者を出したくない、過去にSARSにて多くの犠牲者を出してしまったことを二度と繰り返したくないという、強い気持ち、団結力を感じられますよね。
A:そうですよね!私も何より台湾人1人1人の行動に感心させられます。誰もが緊迫感を持って行動しているところがすごいなと思います。そんな台湾の人に触発されて、自分が発生源にならないよう気を引き締めて行動しています。
Y:我が子の小学校では毎日の体温測定を義務化し、手洗いや咳エチケットを徹底して教えるなど、子供たちの感染症予防に対する意識がきっちりと養われていると思います。保護者も予備のマスクや消毒液をクラスに提供していて、学校も保護者も真剣そのもの!「台湾人=テキトー」という私のイメージが新型肺炎を期にガラリと変わりました。
A:学校と言えば、子供の新学期開始前には、ネット上のアンケートに答える形で、渡航調査(中国大陸・香港・マカオへ入境したか)がありました。それがクラスのラインで送られてくるのも今時というか……迅速な対応に感動すら覚えました。
C:日本のニュースで取り上げられている政府の取り組みはもちろんですが、そのアプリをちゃんと使いこなして、混乱を起こすことなくルールにのっとり行動する台湾の人たちこそが素晴らしいと思っています。あとは、2月初めごろから病院や公的機関、公共交通機関だけでなく、飲食店やデパート、大型施設では入店前の手のアルコール消毒、体温測定(37.5度以上の人は入店をお断り)、マスクを着用していない人の入館お断りなど、各々の取り組みも世界的にも評価されてもいいのでは?と思っています。
台湾政府の取り組み、これが助かる!
S:政府の判断・対応が本当に迅速で素晴らしいですよね。SNSを使った情報発信にも注力しているので情報を得やすく便利です。マスクの購入についても台湾在住の外国人への配慮がなされていて助かりました。皆さんはどうですか?
F:何といっても「マスク政策」は賢いやり方だと思います。この政策があるから、いざ本当に自分のマスクの在庫が無くなっても「何とかなる」という安心感が生まれ、平常心が保てている気が……。
Y:私もマスクの支給制は精神衛生上、かなりいいと思います。一部の人による買占め行動が制限されるし、マスクを求めてあちこちを彷徨うようなこともありません。
H:情報を徹底的に公開していて、政府の指導の裏側の「なぜ」の部分を小学生でもわかりやすいくらいの言葉で告知してくれるのも、いいですよね。きちんと理解してくれるであろうと、国民を信頼して正しい情報を流してくれるところには感動しています。
M:わかります!私は生まれて初めてこういうウイルスの怖さに直面したので、正直最初の頃は怖さがどんなものか、どう対応していいのか、フェイクニュースは何かとか、無知すぎて途方に暮れていたんですよね。でもニュースを見ていれば、今自分が何をすべきかってことがわかるのが、ありがたい。そして毎日テレビから流れるこういう予防を心がけましょう!というコマーシャルを見る度に、今気を付けないといけない、やるべきことが何なのかを自分に言い聞かせられるのが、一番助かっているかな。
※↓こういう動画がニュースのコマーシャルの時に流れます。日替わりで内容がかわりますよ~!
A:ITを活用して、情報がクリアなのがいいなと思います。日本でも話題となっているマスクアプリもそうですが、中央流行疫情指揮中心(感染症指揮センター)とラインでお友達になると情報が送られてくるし、疑問点を投げかけると、AIですがお返事がくる。中央流行疫情指揮中心のウェブでも感染者数はもちろん、検査は何人、そのうち陰性は何人、隔離から解除された人は何人……と、毎日細かに知ることができるのが安心です。毎日、中央流行疫情指揮中心のトップ自ら記者会見で現状を報告してくれるのもいいですね。その模様はもちろんラインで送られてきて、スマホから見ることもできますし。
U:ですよね!衛生福利部陳時中部長が毎日のように状況を知らせつつ努力している姿を国民に伝えているのは統括されていて良いですよね。
M:陳部長が見るたびにやつれてきているような気がして、それはそれで心配……。
F:在宅隔離困難者のために、旅館施設が専門の訓練を受けて受け入れを実施している点も、柔軟性があって台湾らしいなぁと感じています。あとは、「居家検疫」対象渡航者の公用交通機関の利用禁止と、空港から自宅や宿泊先へ向かう際の各空港に待機するタクシー送迎サービスなど、徹底しているところが素敵です。
L:個人的には、冬休みの2週間延長はよかったんではないかと思っています。