淡水区のニュータウンを走る次世代交通機関がついに開通!
こんにちは台北ナビです。
新北市北部の淡水区で2018年12月、淡海ライトレール(輕軌/LRT)緑山線が開通しました。ナビは開通直前に特別に体験乗車する機会に恵まれ、皆さんより一足早く、ライトレールの旅を楽しんできました!今後乗車される方の参考になればと思います。それでは、早速出発しましょう~!
そもそも淡海ライトレールって?
LRT「紅樹林」駅は高架駅です
ライトレールという言葉は、なかなか馴染みのない方もいらっしゃると思いますが、簡単に言うと、路面電車の進化版。ヨーロッパではたくさんの都市で運行されていて、台湾では高雄で2015年に高雄ライトレールが開通しています。具体的には、軌道と車道を分離したり、高架区間を設けて、高度成長期の日本の路面電車のような渋滞の影響を受けることがないように工夫されているほか、誰もが使いやすいようにバリアフリーに配慮されているなど、次世代の交通機関として全世界で注目されています。
今回開通したのは、MRT「紅樹林」駅を起点に崁頂を結ぶ緑山線。淡海新市鎮と呼ばれるニュータウンがあり、観光だけでなく通勤路線としての役割が期待されています。将来的にはさらに延伸して漁人碼頭やMRT「淡水」駅を結ぶ計画があり、もっと便利になりそうです。
因みに、淡海ライトレールを運営するのは、開通に合わせて新しく設立された新北メトロ。台北メトロや桃園メトロとは別会社となります。問い合わせの際は窓口を間違えないようにしましょう。
新しくてユニークなライトレール
さて、難しい話はさておき、実際に乗ってみましょう。淡海ライトレールは基本的に必要最低限の施設のみ作られていて、全線を通して有人駅なのはこの紅樹林駅のみ。万が一問題が生じた時は1階にあるインフォメーションセンターで対応をお願いしましょう。同様に、トイレがあるのも紅樹林駅のみですのでご注意を。また、オリジナルグッズを販売する売店が設置される予定です。この日は特別にライトレールのラッピングが施されたミネラルウォーターが配布されたのですが、こちらも将来的には販売予定なんだとか。
開放的な紅樹林駅のホーム 頭端式1面2線の駅です
淡海ライトレールには、いわゆる改札口がありません。駅のホームには交通IC乗車券をタッチするカードリーダーが備え付けられているほか、自動切符販売機があり、乗車前に必ずカードをリーダーにタッチするか、切符を購入する必要があります。
高雄ライトレールでは車内にカードリーダーがありますが、淡海ライトレールの車内にはカードリーダーがありません。
また、乗車時には水色の、降車時には紅色のカードリーダーにタッチしなくてはいけません。もしここでタッチに失敗してカードがエラーを起こした場合、紅樹林駅のインフォメーションセンターまで行って対応してもらう必要があります。
ちなみに、切符を購入した方は、そのまま乗車し、降車時にもそのまま降車してしまって大丈夫な信用制が採用されています。ただ、随時車内検札を行う方針で、万が一キセル乗車(不正乗車)が発覚した場合は、台湾の法律で罰せられます。
運賃表はこちら(提供:新北メトロ)
路線図。延伸が楽しみです
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運行情報などが表示されるLCD(液晶ディスプレイ)
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また、紅樹林駅や崁頂駅は2本の線路の真ん中にホームがある島式ホームなのですが、そのほかの駅は基本的にホームが向かい合う対向式ホーム。反対側に行くためには構内踏切を渡る必要があります。
この踏切には遮断機がありません。電車が近づいても警報音は鳴らず、台湾の歩行者用信号に似た信号の赤が点灯するだけです。横断の際には必ず安全の確認をしてから渡りましょう。お子様連れの場合は特に注意が必要です。
ジミーの絵本の世界を表現したオブジェは必見
可愛いジミーのオブジェ
そして駅の見所はなんといっても、全ての駅に台湾の人気絵本作家、ジミー・リャオ(幾米)のオブジェが飾られていること。途中下車をしながら写真撮影したら楽しいですね。ただ、全体を写そうとすると黄色い線の外側にはみ出してしまうので、安全の確保を忘れないでくださいね。
ライトレールを題材にした絵本も出版されています。この本を読みながら旅をしたら楽しさが倍増しちゃいますね。
大きい窓で明るい車内。気配りが随所に感じられるスグレモノです
電車が入線してきました。ドイツ・フォイト社の技術供与を受け台湾車両で製造された国産車。5両編成で全長34.5メートル。定員は265人。設計最高時速は70キロです。
乗降時にはボタンを押します。何もしないとドアは開きません。ですが、このボタンがちょっと曲者で、押してもすぐに「カチッ」と音がするわけでもなく、押したような感触があるわけでもない不思議なボタンです。ただ、押してから暫くすると「ピーピー」と音を立ててドアが開きます。正直にいうと非常に動きの鈍いドアで、慣れないと戸惑います。
そして、一定時間が経つと「ピーピー」と音を立てて自動的に閉まります。何もしなくても閉まるのは、エレベーターのドアと似ています。挟まれないように素早く乗降しましょう。
車内はセミクロスシート。一部はボックスシートになっています。ここで注目すべきなのは座席の素材。台北メトロは無機質なプラスチック素材を使っていますが、新北メトロは表面を加工して少しざらざらした膜が張られています。これは、冬になると台湾の平地で一番寒くなることが多い淡水で、座った時の冷たさを軽減するための配慮。金属の手すりにも同様の加工がされています。
全線乗りとおす時の所要時間は約25分!次世代を感じるLRTの旅を楽しんでください!
大きい窓からの展望はまずまず
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鉄道ファン必見!前面展望も可能です!
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淡海新市鎮-濱海沙崙間はカーブが急なため、一度パンタグラフを下ろして、バッテリーで走行します
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ライトレール向けの信号表示はこちら
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高架区間を疾走するLRTの走りを動画でご覧ください!
「濱海沙崙」駅や「淡水行政中心」駅などでは淡水魚人碼頭やMRT「淡水」駅方面へのバスと乗り換えができます。紅樹林駅を拠点に反時計回りで淡水周遊旅行を楽しんでみてはいかがでしょう?
以上、今後の延伸がもっと楽しみになった台北ナビがお伝えしました!