台湾料理教室で中華にチャレンジ!

駐在員の奥様が、家庭でできる中華料理のレシピをウェブ上で公開!そのテクニックはちょっとした工夫次第。数々の中華の奥義には、ナビレポーターも目からウロコです。



皆さんは台湾料理と聞いて何を思い浮かべますか?お馴染みの小籠包をはじめとする中華って、実は中国大陸の料理が多いですよね。じゃあ台湾料理って一体どんなの???そこで今回は、私が台湾家庭料理を習っている「黄媽媽(ママ)料理教室」についてレポートしてみたいと思います。

先生は出張サービスで。家庭でゆったりできる教室です


「黄媽媽料理教室」では、生徒の自宅の台所に黄先生が出向き、中国語(通訳付き)で料理のデモンストレーションを行って、終了後、我々生徒ができあがった料理を試食する、というスタイルをとっています。生徒さんは6人、子連れでの参加がOK、ということで、小さなお子さんがいらっしゃる方も多く参加しています(私もその一人)。約1時間半の授業で、3品(主菜・副菜・スープ)ができ上がります。

まず始めにレシピが配られ、材料の説明が行われます。我々の前に並べられた材料は普段から口にしているものがほとんどなのですが、中には見たことのない乾物や、市場で見かけたことはあるけれど、買ったことのない野菜なども登場します。もちろん知らない材料については名前のほか、入手方法も教えてくれます。また調味料はパッケージのまま、乾物は戻す前の状態のものも一緒に見せてもらえますし、後で実際に市場に買いに行く場合の注意点もアドバイスしてもらえます。おかげで今まで苦手だった市場での買い物も苦にならなくなりました。

調味料の量にご注意を!「蒜辣鶏丁」


本日の一品目は「蒜辣鶏丁(チキンのピリ辛炒め)」。蒜(スァン=にんにく)・辣(ラー=辛い)・鶏丁(ジーティン=鶏肉のさいの目切り)と訳せば想像できますよね?まず干し蝦を油で炒めてから、下味をつけておいた鶏肉、調味料を加えて炒めます。最後に鶏肉よりも少し大きめに切っておいた赤ピーマン、青ピーマンを加えて仕上げます。味の決め手は“蒜蓉辣椒醤”。この調味料を使って“蒜辣”の味にします。舐めてみたらすごく辛かったので、分量を小さじ1杯と控え目にしてもらいましたが(それでも十分辛かった!)、“台湾人だったら大さじ山盛り3杯くらい入れるヨ!”という先生の言葉に、我々はビビッてしまいました。

中華バジルで香りをつけよう「九層塔炒杏鮑菇」


二品目は「九層塔炒杏鮑菇(きのこの中華バジル炒め)」。九層塔(ジョウツァンター=中華バジル)・炒(ツァオ=炒める)・杏鮑菇(シンバウグウ=エリンギに似たきのこの一種)です。まず杏鮑菇を水で洗って一口大に切り、油で炒めて調味料を加えます。鍋から取り出す前に九層塔と赤唐辛子を加えればすぐ出来上がり。台湾でバジルといえば「九層塔」を指しますが、日本で使われているイタリアンバジルとは香りが異なりエスニックな味に仕上がります。
先生は青菜類を使う前には必ず流水に10分以上さらします。農薬を洗い流すためなのですが、私なんか、いつもそんな丁寧に洗わずに料理していたので反省…。根や茎も非常に丁寧に処理するし、とにかく下ごしらえにかける時間が長いんです。この料理も杏鮑菇は同じ大きさになるよう切り揃え、九層塔を丁寧に洗って葉だけ摘んで…と非常に手間がかかっています。でもそうするからこそ、短時間で仕上げてもおいしいんでしょうね。

歯ごたえある花のつぼみ入り「鶏片金針湯」



最後は「鶏片金針湯(チキンと金針花のスープ)」。鶏片(ジーピェン=鶏肉のそぎ切り)・金針(ジンゼン=金針花)・湯(タン=とろみのないスープ)です。鶏肉は事前にそぎ切りにされてあったので、先生に尋ねてみたところ、台湾では市場で鶏肉や豚肉を買う際、その場で骨を取ってもらったり、料理で使う大きさにカットしてもらうのが一般的で、家で肉を切る機会は多くないそうです。
余談ですが、台湾では包丁研ぎは夫の仕事と決まっており、先生は我が家のちっとも切れない包丁を使いながら、「あなたのご主人は包丁を研がないの?」と呆れていました。次は夫に頼んでみよう…。



金針花はオレンジ色をした食用花。水で戻して使います。生で売られている緑色のものもありますが、これは花が咲く前のものだそうです。それ自体味はありませんが、歯ごたえがあって美味しく、見た目も上品なのでスープの具によく使われるそうです。
作り方は、まずそぎ切りにした鶏肉を湯通しして水洗いし、余分な脂や臭みを取り除きます(このひと手間が大事!)。沸騰した湯に鶏肉を入れ、しばらく煮てから金針花と調味料を加え、ひと煮立ちしたら火を止め、ねぎのみじん切りとゴマ油を加えれば完成!

途中、子供たちに邪魔されつつ、それでも皆さん熱心にメモを取りながら先生の手際のよさに感心していると、あっという間にお皿に盛り付けられて完成です。遊んでいた子供たちも美味しそうな香りにつられて寄ってきます。先生が台所をきれいに後片付けして帰られた後、おまちかねの試食タイム。食事をしながら「さっきの調味料、どこそこで見たよ」とか、「あの店の野菜はいいよ」などの情報交換から、果てはレストラン批評へと話は盛り上がり、食べ物に関する話題は尽きることがありません。


後日、レシピを参考に作ってみると、下ごしらえさえ丁寧にしておけば、身近な材料であっという間にできます。お味のほうはというと、珍しい食材も手伝ってか「接待で口の肥えたご主人様」も大満足の出来栄え。これに自分なりのアレンジを加えると、“我が家の台湾家庭料理”のレパートリーも増えて、料理の幅が広がります。これからもいろんな料理にどんどんチャレンジするぞ!
<材料 6人分>

★この「料理教室」のコーナーは、今後、浪花っ子「美千緒」さんの体験レポートして、連載してゆきます!(台北ナビ編集部より)

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2008-07-10

ページTOPへ▲

その他の記事を見る