ここは台湾?それともヨーロッパ?「好様 VVG」プロデュースの情緒あふれるカフェレストランで思索の旅に出かけましょう。
こんにちは。台北ナビです。
今日は台北でも指折りのクリエイティブな文化施設、華山文創園區へやってきました。ここに「好樣 VVG」が展開する最新のレストランがオープンしたと聞いたからです!「好樣」の名に聞き覚えのある方はかなりの台湾通!さっそくオリジナリティあふれる空間にお邪魔しましょう♪
もともと酒工場だった華山園區にあります♪
華山文創園區は、日本統治時代に酒工場として機能していた広大な土地と歴史ある建物を活用し、クリエイティブな活動が行われる文化施設として生まれ変わったエリア。
近年台湾では日本時代の建物に注目が集まり、再利用する動きが盛んですが、その草分け的存在でもあります。長い歴史を刻んだ味わい深い建物にピッタリの、レトロでセンスのいいこだわりショップやレストランが並んでいることでも話題です。
大人気の「好様 VVG」は、台北に6店舗を展開
一方の「好様 VVG」は、ヴィトンなど有名ブランドのケータリングも手がける女性オーナーGraceさんが、独特の審美眼と物選びのセンスを生かして生みだす空間。各種ガイドブックなどでも紹介されている特別なスポットなんです。VVGとはVERY VERY GOODの意。1999年、大安区にあるレストラン「VVG VISTRO(好樣餐廳)」からスタートした好様ワールドは、6年後にレストラン2号店「VVG Table(好樣餐卓)」が誕生したのを皮きりに、ヨーロッパテイストあふれるお菓子の店「VVG BonBon(好樣棒棒)」、レストランの階上にひっそり佇むアパートメントホテル「VVG bb+b(好樣公寓)」と次々に姉妹店を展開します。
想像力あふれる世界観は、女性客はもちろん、台湾の有名人たちも虜にしました。勢いはとどまるところを知らず、2009年には書店「VVG Something(好樣本事」をオープン。内湖區にも「VVG Petite(好樣少事)」という子供の夢を形にしたようなかわいいお店を開いています。
というわけで、これから訪れる「VVG Thinking(好樣思維)」は、華山園區と好樣VVGという台北の今を象徴する2つの文化が出会った、まさに最新の注目スポットなんです。
出店のいきさつは、華山園區から「好様 VVG」へオファーがあったのだとか。「工場跡の一棟を使ってお店をやらないか」との打診を「好様 VVG」が快諾。もともとは樟脳工場だった広々とした空間を使って、これまでノウハウを培ってきたレストランと書店という2つの商業施設を融合させた、「好様 VVG」らしいスペースを作ることになりました。
ミントの植木鉢に迎えられ正面入口をくぐると、レンガ造りの建物は2階に分かれ、1階がレストラン、2階が書店や文具のショップになっています。目の前はハーブや色とりどりの花でいっぱい。ここは植物好きのオーナーが作った「花園」なのだそうです。
お店の中は緑がいっぱい
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ミントの葉はカフェのメニューにも使われています
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1階のレストランは3つの空間に区切られていて、花園の奥の部屋が「藍色的小房間(青い小部屋)」、右手が「紅色的小房間(赤い小部屋)」という名前。ネーミングは床のタイルの色から来ています。
「赤い小部屋」の奥にもう一つ部屋が。ここは「眾樂樂」と呼ばれていて、意味としては「みんなで楽しむ部屋」という感じです。実は2階に「獨樂樂」という小さな空間があって、こちらは一人の時間を楽しむ部屋、というのがコンセプト。「眾樂樂」と「獨樂樂」は対になっていて、呼び方にもお店の遊び心が感じられます。
1階はシャンデリアやランプ、トナカイの壁掛けオブジェ、窓にはドレープカーテンとヨーロッパの古いお屋敷のような雰囲気ですが、階段を登ると、大きな翼や鮮やかなブルーのドラム缶が置かれ、吹き抜けになった2階に向かって創造的な工房のエッセンスが増していきます。
花園から2階を見上げると、天井の梁に年代物の椅子が並んでいたりして、独特の世界観に思わず飲み込まれてしまいました。
入口を入って左奥にあるお手洗いへと向かうと、キッチンの前を通ることになるのですが、まるで映画のような可愛らしさに思わず足が止まります。中央に作業台が置かれ、銅のフライパンや鍋がぶらさがり、オシャレな若いスタッフたちが立ち働くのを見ていると、とても現実のお店の舞台裏とは思えません。
華山にお店をオープンするにあたり、厨房スタッフのほとんどは「VVG VISTRO(好樣餐廳)」と「VVG Table(好樣餐卓)」から移動したそうですが、新たに数名のスタッフも募ったとか。みんな好樣で働きたい!とやってきた料理好きでアイディア豊富な若者たちです。メニューはすべて一から考え、ここVVG Thinkingでしか食べられないオリジナルだそうです。
ナビたち取材班は窓が多く開放的な「眾樂樂」へ。壁に並ぶ写真を眺めていると、隣にレゴの人形が飾られているのに気がつきました。よくよく見ると、なんと海の写真には水着のレゴ人形、と作品に合わせたコスチュームをしているではないですか!こんなさりげないけど素敵なアイディアがお客さんを引き付けてやまないのですね。
店内には女性同士でランチを楽しむ人や、仕事の資料を眺めつつ、コーヒーを飲む女性客が目立ちました。ランチでも880元~とやや高めな印象ですが、スープなども一人前がかなりのボリュームです。単品メニューのおすすめは「炸義式豬肉捲(イタリア式豚肉巻き)」。見た目はコロッケのようですが、香草パン粉で豚肉を揚げた洋風とんかつです。中にオレンジピールが入っているのは、シェフいわく味のアクセント。アンティーク調の大きなお皿を使った盛り付けも独特で、料理がひとつのアートのようですね。
オリジナリティあふれる料理も試す価値アリですが、ナビのおすすめはスイーツ。
そのボリュームに甘い物好きなら思わず笑顔がこぼれます。アップルパイもチョコレートケーキも、2人で食べても充分満足できる濃厚さと量でした。ドリンク類はまず見た目のインパクトで楽しめます。美しいグラスやオブジェのようなラテ、アンティーク調のティーポットもこのお店ならではのセレクトです。
顛倒肉桂蘋果派(アップルパイ) 220元
パイもりんごもずっしりと厚みのあるアップルパイに、自家製の生クリームをたっぷりかけた自慢の一品。お店の花園でとれたミントを添えて。
ちなみになぜ顛倒(ひっくり返る)なのかというと、普通パイ生地の底の方に敷き詰められるりんごの果肉が、上の方に入っているから。そのためサクッとした食感の後にすぐりんごの酸味がやってきて、さっぱりとした味わいです。
酒漬櫻桃巧克力蛋糕(チェリー入りチョコレートケーキ) 220元
ほんのりリキュールの味わいがするチョコレートケーキ。
濃厚な甘さにチェリーの酸味がアクセントになっています。もちろんミントは花園製。オレンジにかかっているのは、台湾で人気のかなり酸味の強いフルーツ・百香果でつくったソースです。
德國青草茶(ドイツ風ミントティー) 160元
ドイツから輸入した茶葉と自家製ミントで作ったハーブティー。
爽やかな後味が濃厚なスイーツとピッタリ。
咖啡奶特(カフェラテ) 220元
細長いグラスにデコレートされた姿はアートのようです。
コーヒーの味と香りがしっかりした本格派ラテ。
酸香果粒茶(フツーツティー) 180元
イチゴ、ブルーベリー、ラズベリーをふんだんに使ったミックスティー。
ベリーの甘みと酸味そのままで、お茶というよりジュースのようなフルーティーさがありました。
特別な場所でここだけの味を楽しめる「VVG Thinking(好樣思維)」。とっておきの時間を過ごしたい人におすすめです。
台湾なのにどこか別の国に迷い込んだような、そんな不思議な感覚をぜひ味わってみてください。
以上、台北ナビがお伝えしました。