世界中の素敵な本に出会いに、完全予約制の古民家ライブラリーへGO!
以前はVVGが運営していましたが、現在は変わっています。以下内容は参考程度にお読みください。
こんにちは、台北ナビです。
台北に民間の図書館があると聞きつけ臨沂街までやってきました。しかも、あのオシャレ集団VVGが運営しているというのだから、ナビの期待値は上がりまくりです!ウワサの図書館「文房 Chapter」は、MRT「忠孝新生」駅から歩いて3分とアクセス良好で、徒歩10分圏内には「華山1914文創園区」や、台北の秋葉原と呼ばれる電気街があるので、観光の合間に立ち寄れるのも嬉しいですね♪「台北にきてまで読書!?」と思われるかもしれませんが、普通の図書館じゃないことをお忘れなく!では、さっそくその全貌をご紹介しましょう~。
リノベーションで蘇った日本式家屋
そもそも、この建物は一体?「幸町日式宿舍」と呼ばれるこの古民家は日本統治時代である1930年代に建てられた文官員官舎です。その後宿舎として日本人も居住していたそうですが、10年ほど前から住む人がいなくなり廃屋になっていたところ、2012年台北市文化局による古民家再生プロジェクト「老房子文化運動」で築80年以上のこの家屋も対象となり、VVGグループの手により新しい命が吹き込まれました。約2年の改築工事を経て、2015年12月より正式に公益図書館として運営されています。
「当時の木材を使用する」というコンセプトのもと日本統治時代当時の家屋の再現を試みたそうで、使える木材はそのまま利用し、朽ちてしまった部分には新しい木材を付け足すという新旧木材の併用が取り入れられています。現在の台湾では入手困難となってしまった「台湾ヒノキ」をわざわざ日本から輸入するという工程を経ていることからも、その力の入れようが感じ取れます。リノベーションの新しさを感じさせないためにも、家具は全てVVGが収集したアンティークのものを使用して全体の調和をとっているのだそうです。またその家具たちが素敵すぎ!どの場所で読書しようかと、みなさんきっと迷うことでしょう。
この3本の飾り、真ん中の1本だけが新しく作り替えられていて、両側の2本は当時のまま再利用されているそうです。
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玄関を開けると、ヒノキの香りが迎えてくれます。それもそのはず、床には日本から逆輸入した「台湾ヒノキ」が使われているのです。あぁ、この香り落ち着く~。
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60年もののアンティークのソファは座り心地がよく、人気だそうです。
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オットマンが必要な方はこちらで
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1日48名までの完全予約制図書館。その利用方法は?
より多くの皆さんに「読書の楽しさを味わってもらう」ことを目的として運営されている「文房 Chapter」ですが、普通の図書館との違いはその利用方法にあります。200平方メートルの図書館と呼ぶには決して広いとは言えない空間で、静かに本に触れてもらいたいという願いから「1ターム2時間・12名まで」という制限を設けていて、1日に4ターム、合計48名に足を運んでもらえるシステムとなっています。誰でも自由に出入りできる訳ではないのでご注意あれ。ここを利用したいと思ったらまず文房 Chapterのホームページにアクセスし、ページ内の「予約時段」に個人情報を入力します。15歳以上から利用可能です。「身份證字號」にはパスポート番号か居留証の下4ケタを入力、利用当日は入力に使用した身分証明証の提示が必要なので、忘れずに持参して下さいね。
利用時間は①10:00~11:50、②12:00~13:50、③14:00~15:50、④16:00~17:50の4パターンから選択して下さい。後日、予約状況についてメールでお知らせが届くので必ずチェックしましょう。利用時の注意事項は、古い木材を使っている部分もあるので静かに移動すること、飲食の持ち込みは厳禁、携帯電話はマナーモードにしておくこと、です。置かれている本は全て自由に閲読でき、読み終えたら元の場所に戻すか、設置されている返却用の籠に入れておきます。
スタッフの楊淑瑜さん(左)と姜佳妤さん(右)。姜さんは日本語が話せるそうですよ。
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入館時は入り口にいるスタッフに身分証を提示しましょう。
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返却用のかご。
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「文房」の字は台湾の有名な女性書道家・董陽孜先生の筆跡だそうです。皆さんもお馴染み、台北駅構内の台鉄切符売り場頭上に飾られている「台北車站」の筆跡も董陽孜先生の作品なんですよ♪
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本棚に並ぶ書籍の半分はVVGが所持していたもので、半分は民衆の寄付によるものだそうです。そのセレクトがまたとても楽しく目移りしてしまうので、1時間50分では足りな~い!と感じる方はぜひまた次回の予約を(笑)。6000冊ほどある本たちが、人生に対する色々な考え方やひらめきを与えてくれそうな気がします。
無料で喫茶が振舞われます。
ケーキは毎朝VVGのベーカリーから焼きたてが届くそうで、種類は不定期に変わるとのこと。コーヒーはドリップ式♪やはり姜さんが丁寧に淹れてくれます。
入館後1時間がたったら、カフェスペースでティータイムです。本に集中して疲れた頭を、VVG特製のおいしいケーキとドリンクが癒してくれますよ。時間になると、カフェスペースのビデオから音が流れて、その時を知らせてくれるので、自分で時間を気にしなくてもよいのがありがたい!静かで落ち着きのある素敵な空間で読書ができて、しかもタダでティータイムを味わえるなんて、ちょっと贅沢すぎはしませんか!?これもまた、普通の図書館ではあり得ない「VVG Chapter(公益圖書館文房)」ならではのサービスといえます。ティータイムでお隣さんと仲良くなるのも楽しいものです♪
日台交流の一環「台日設計フォーラム」も楽しみのひとつです
館内では2か月に1回「台日設計フォーラム」を開催し、台湾人と日本人それぞれのデザイナーの展示や座談会を実施しています。歴史的繋がりも深く、近隣国の日本と台湾。「デザイン」を通して日台の文化や習慣の違いを理解し交流を深め合えるという、とっても素敵なイベントなんです。ナビが訪れた日は日本から「JUBILEE」というテキスタルブランドのデザイナー清水谷泰伸さんの作品が、台湾からは「+10(テン・モア)」という靴下ブランドの作品が展示されていました。今回の二者には「生活の中にあるものから受けたインスピレーションを、布や靴下のデザインに反映させる」という共通点があるのだとか。
「世界で最も美しい書店」にも選ばれている本屋も持ち、常に「読書」を推進してきたVVGが行きついた先にあった無利益の図書館。一度行ったら病みつきになるかも!?
以上、台北ナビでした。