毎年、桃園市で行われる「桃園地景藝術節」は、市内の1つのエリアにスポットを当て、趣向を凝らした野外アートを展示している芸術イベントです。今年は八徳エリアにて開催し、「新風景線(New City Scape/街の新たな風景)」というメインテーマの下、アートを通じて桃園と世界を繋げるこのイベントとなっています。
こんにちは、台北ナビです。
2019年9月6日~9月22日の期間に行われた「
2019桃園地景藝術節」へ行ってきました!今年のメイン会場となった八徳エリアの「大湳森林公園」や周辺の美術館や施設では、台湾のアーティストや世界の名だたるアーティストのダイナミックな作品の数々が展示されました。
イベント期間終了後もそのまま展示され、街のシンボルとなる作品もあります。桃園で新たなるアートの魅力を楽しんでみましょう~!
2013年から今年で第7回を迎えた「桃園地景藝術節」
今年で開催7年目のとなる「桃園地景藝術節」は、毎年桃園市内の1つのエリアにスポットを当て、趣向を凝らした野外アートを展示している芸術イベントです。
桃園市の芸術文化の発展を担う桃園市立美術館を筆頭に、桃園市政府や市民も一丸となって、アートを通じて桃園と世界を繋げるこのイベントに力を入れています。
今年の開催地は、市の北東部に位置する八徳区。八徳区は昔からの風情を残すエリアもあれば、都市開発によって高層マンションが立ち並ぶエリアもあり、これらの新旧のエリアのギャップこそが八徳区の特色とも言えます。
さらに桃園は「台湾新住民」と呼ばれる1990年代以降に国際結婚などの理由で台湾に移り住んだ外国人も多く暮らすエリアであり、様々な文化背景を持つ台湾新住民たちも桃園の大切な住民でもあります。そこで2019年の桃園地景藝術節のメインテーマは「新風景線(New City Scape/街の新たな風景)」。街の歴史や風情を守りつつ、新たな未来へと進んでいく八徳エリアを、アートを通じて伝えたいという思いが込められています。
歴史の趣を残す街角。
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高層マンションが立ち並ぶエリア。
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今年のメイン会場となる「大湳森林公園」は、かつて保安警察第一総隊(通称、保一總隊)の訓練場や宿舎として利用されていた場所でした。宿舎移転後は長きに渡り放置され、園内には自然がたくさん残されており、現在は植物や動物たちにとっても貴重な住処となっています。自然あふれる桃園市を表現し、守るべき希少動物・植物たちについてもアートを通じて世界に発信したいという思いが込められた桃園地景藝術節の開催地にはぴったりの場所でした。
今年は、台鉄桃園駅、桃園空港MRT環北駅から連絡バスが運行されたほか、さらに各エリアの会場間にはシャトルバスも運行され、公共交通機関を利用しての来場にも便利でした。
アート作品を見てみよう!
メイン会場「大湳森林公園」
メイン会場となる大湳森林公園は、かつての警察宿舎だった古い建物が立ち並びます。敷地面積16ヘクタールという広々とした園内は、運動場や遊歩道を活かしたダイナミックなアートや生態系の尊さを学ぶ展示が並びます。イベント開催期間中には毎晩ライトアップショーが行われ、週末には様々な国からパフォーマーグループを招いたショーもありました。
光の角度で印象が変わる古びたバラックを活かした作品「重生之屋」
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まるで軍隊が起立をしているかのようなイメージで作られた作品「動態陣列」 モーターでパネルが動きます。
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2019年のメイン作品の「桃樂源」
カラフルな花はどこでも自分の居場所を見つけられるという思いが込められています。
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ライトアップされた姿は水面の反射がさらに美しいです。
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樹脂を使って作られた銀色の山「自然舞衣」は、光の反射で様々な見え方をします。
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ライトアップは光の色が変わり幻想的。
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虹色のでこぼこは「漫遊小憩所」という、座って休憩できるアート
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「柔軟的防衛」と名付けられた作品は、弾薬庫として使われたエリアを使用し、柔らかなバルーンでつけたとげをつけ、柔軟に物事を受け入れるというアイデアを表現しています。
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自然の光とガラスの反射を使った「許多庭」という作品
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様々な生命とその力強さを表したアート「風彩」
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桃園メトロを描いて人々の進化を表現した「進程」
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木から降り注ぐ霧と地面のサークルで生活の共存を表現したアート 「共用循環」
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イベント期間中に行われたライトアップショー
西坡展區「西坡陂塘生態公園」
西坡陂塘生態公園の池の中に現れた雲たちは「歡聲笑語」というアート作品です。
シンガポール人アーティストが作ったこの雲たちは、毎時ちょうどの時間になると雨のように水が出る仕掛けになっています。世界の6.63億人が清潔な水がすぐに手に入らないと言われ、この雲が全世界に水をもたらし、温暖化や自然破壊に対する問題提起を表しています。
藝遊八塊厝展區
溪濱公園、中大公園、建徳公園、八徳市場の一帯にもアート作品をちりばめ、八徳エリアの歴史や文化と芸術作品を融合させています。
地元の人たちと作り上げるアート作品や、八徳の現在の姿を見つめなおし、さらによいまちづくりをめざすという思いがこめられた展示が多いのが印象的でした。
兒美館展區
スーパーマーケットや映画館が入った複合施設の中に位置する「桃園市兒童美術館」の展示も合わせて見られるようになっていました。
2019年10月13日まで「日月奇遇記」と題したオーストラリアのアーティストTanya SCHULTZ氏の展示を行っています。カラフルで可愛い世界感に魅了されるオリジナリティにあふれたアートです。
桃園地景藝術節の開催中には建物の外に「故事森林」というミニシアターが設けられました。ここではなんと、4D体験という視覚、聴覚、嗅覚、体感で楽しむアニメが上映されました。
甘いドーナツの香りが漂ったり、雨が降ったりとナビも大興奮で見入ってしまいました~。
2019年9月22日に大盛況の中閉幕した「2019桃園地景藝術節」。地元の人だけでなく、台湾全土、世界からも多くの来場者が訪れ、アート作品やショーを楽しんでいました。作品の中でも長期的に展示できる素材のものは、そのまま残していく予定で、毎年桃園市内に芸術的なフォトスポットが増えて行き、さらに魅力的な都市になっていく予定です。
毎年開催エリアの特色を活かした地元アーティストの作品や、世界の有名アーティストの作品も見られます。世界的に注目を集める大規模な野外アートフェスティバル「桃園地景藝術節」、来年はどんな作品が登場するのか?!2020年の開催も楽しみですね!
以上、台北ナビがお届けしました。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2019-09-27