台湾で活躍する日本人⑬『一柳夢吾』インタビュー

台湾サッカー界のFUTURO(未来)を創りにやってきたイケメンJリーガーの周りには、台湾で頑張る日本人が集まってきていました!

写真提供「ATHLETA Taiwan」 写真提供「ATHLETA Taiwan」

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こんにちは、台北ナビです。

台湾ではあまりメジャーではないサッカーですが、数年前、社会人や大学生のチームでつくる台湾プレミアリーグが発足し、台湾スポーツ界でも少しずつサッカー人口が増えてきています。その中で台中に本拠地を置く台中FUTUROへ今年3月に移籍してきた一柳選手に、最近引っ越したばかりの新しい事務所でお話を伺いました!

一柳さんのプロフィール&台湾プレミアリーグについて簡単にご紹介!

写真提供「ATHLETA Taiwan」

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【一柳夢吾(いちやなぎ ゆうご) プロフィール】
1985年生まれ。東京ヴェルディを皮切りに、サガン鳥栖、ベガルタ仙台、ファジアーノ岡山、松本山雅FC、FC琉球、タイのクラブでも2年間のプレー経験があり、帰国後ザスパクサツ群馬へ加入。

2019年3月、台湾プレミアリーグに所属の、数人の日本人がオーナーを務める台中FUTURO(代表:小森由貴氏)に所属。ディフェンダーで背番号は5。

【台湾プレミアリーグ(台灣企業甲級足球聯賽)とは?】
台湾には台中FUTUROの他に、北市大同、高市台電、台灣鋼鐵、航源F.C、台灣體大、台北紅獅、銘傳大學。8チームがあります。(2019年8月現在)。年間3巡、21試合を行います。

新しい事務所にお邪魔しまーーす!

左から勝コーチ、一柳選手、小森代表

左から勝コーチ、一柳選手、小森代表

ユニフォーム(ホーム用)

ユニフォーム(ホーム用)

一柳選手に会いに、台中市の中心部にほど近い忠明路の国軍病院のお隣にある事務所へお伺いしました。取材の時点では、まだ内装が終了していなかったので、がらんとしていたのですが、完成したら選手の宿舎やスクールの事務所も兼ねるそうです。この日は一柳選手のほかに、ナビの取材のために日本出張から急いで台湾へ戻ってくださった小森由貴代表と勝香織コーチのお二人も同席してくださいました。

壁の色は、チームがホームで試合するときに着るユニフォームの色と同じなんですよ。

JリーグやFIFAワールドカップにあまり詳しくないナビですが(失礼!) 、メディアを通して、サッカー選手は華やかだというイメージがありました。事務所に入ると、想像通りモデルさん?とみまちがえそうなイケメンが笑顔で迎えてくださいました。そう、そのイケメンこそが一柳選手だったのです。

台中の『FUTURO」ってどんなチームなの!?

写真提供「ATHLETA Taiwan」 写真提供「ATHLETA Taiwan」

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子供のクラスを指導する勝コーチ

子供のクラスを指導する勝コーチ

現在は、U6、U8、U10、U12、U14のサッカースクールとプロチームの両方として活動しています。子供達は、日本人(台中駐在家庭のお子さん)、日台ハーフ、台湾人、日本台湾以外のお子さんなど約70名に日本式指導法のスクールを展開しています。

ここから、台中の逢甲大学へ中国語を勉強するため来台した際にチーム関係者と知り合って、サッカースクールコーチとして台中FUTUROに参加した小森代表もインタビューに合流!彼は得意の中国語を活かしてマネジメントも担当しています。

早速質問に答えていただきましょう!

小森代表

小森代表

―「なぜ台湾でサッカーチームを作ろうと思ったのですか?」

(小森代表 以下:小):僕が台湾へ来たのは実家が台湾で会社をやっていて、仕事のために台中に来ました。サッカーに関しては、世界中で盛んなスポーツなのに、台湾ではかなりマイナーなスポーツのようで驚きました。そんなとき、息子をサッカーの練習に参加させていた台中在住の日本人と知り合い、サッカー教室にも満足していないし、自分達もプレーしたいということから、自分達のチームを作りました。

(一柳選手 以下:一):台湾サッカーは環境や組織がしっかりと整っていないために、能力や技術が高い選手がいるのに活かしきれていない印象があります。

そこを台中FUTUROが変えていけるように子供達にはまず『サッカーを楽しみ、サッカーを通じて相手をリスペクトすることやお互いに協力すること』を指導しています。

選手たちには、しっかりとしたプロ意識や野心を持つこと、規律を守ることの大切さを自分の経験を通じて伝えています。

見られる立場として身なりを整えるのも大事ですね。

台湾でサッカー競技人口が増えない理由と現状

―台湾ではサッカーがイマイチ盛り上がってないように思います。台湾でサッカー競技人口が増えない理由と現状について聞かせてください

(一):サッカーは、ボール1個あれば、どこでもできるスポーツなんです。貧しい国の子供たちでも、ボール1個をみんなで追いかけて楽しんでいます。

台湾ではサッカーを習っている子供達が、中学生になる前後から、勉強が忙しいという理由で辞めてしまうのです。台湾は、公立学校で体育や部活動に力を入れているところは少なく、その上高校、大学受験に向けてものすごく勉強しないといけないので、スポーツを諦めてしまいます。それと身長が高くなるという理由で、バスケットボールで遊んでいる中高校生が多いですね。

中高校生の競技人口数が少ないので、大人になってサッカーに興味を持つ人が少ないです。

ですから子供達のサッカー人口を増加させるのも大切です。

今の台湾は日本でJリーグが始まる前と言えば分りやすいでしょうか。だからこそ、『台湾はサッカー界にとっての新天地!』

子供達への指導を通じ、競技人口とサッカーファンを増加させて、プロの試合を身近に楽しんでもらえるようにしたいです。自分自身は選手として、チームメートとの人間関係や台湾の風土を考慮して強いチームになって、日本からもファンが台湾まで試合を応援に来てくれるようになることが目標です。

覚えたての中国語で台中の生活を満喫中の一柳さん

―台中に来られて5か月が過ぎましたが、台湾の生活は慣れましたか?

(一):サッカー選手として、海外は2度目で、台湾の前にタイに2年間いました。スコータイという歴史のある地域のチームです。プレー環境や生活環境は決してよくなかったですが、毎試合5、6000人の熱狂的なサポーターの中でプレーしたことがいい思い出です。

台湾もタイと同じように暑い国で、親切な人も多く、時間の流れがゆっくりと感じるので生活を楽しんでいます。台中には一人で気軽に街歩きできる場所が多くあるので、覚えたての中国語を使って色々巡ろうと思っています。

―台中はどんなところですか?

(一):きれいな街ですね。お気に入りは、国立科学博物館から市民広場をつなぐ緑園道公園の周辺です。市内には雰囲気の良いカフェが多いので、休みの日には、ぶらっと一人で出かけて、のんびりしています。

―台中のおすすめスポットありますか?
(一):夜市は、逢甲夜市や一中街が好きで、時々出かけます。一中街は周囲に学校が多いので、若い人が多く、食べ物も安い気がします。日本には無い小吃もいろいろあって、未体験の物も多いので、毎回、いろんなものにチャレンジしています。今の所、臭豆腐は、揚げた臭豆腐が食べられるようになりました。最終目的は、臭豆腐朝辣火鍋です(笑)

―おすすめの台湾の食べ物は?
(一):一中街行くと「刈包(グゥアバオ)」をいつも食べます。パクチー大好きなんで、大盛りで(笑)

朝ごはんだったら「飯圑(ファントゥァン)」っていう台湾おにぎりがお気に入りです。最近、ようやく「紫米(ズーミー?)」と聞かれて、黒米の入ったご飯を選べることを知りました(笑)。腹持ちが良いらしいので、最近は「ズーミー」って言って買います。

それと日本でもいろんなところで飲まれているようですが、台中発祥の「タピオカミルクティ」でしょうか。
ファンの方が台中へ来られたら、台中の素敵なスポットを案内できるよう研究中の2人。将来は試合観戦+一柳夢吾が観光ガイドする台中っていうのも企画中??? ファンの方が台中へ来られたら、台中の素敵なスポットを案内できるよう研究中の2人。将来は試合観戦+一柳夢吾が観光ガイドする台中っていうのも企画中???

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最後に日本の読者へメッセージをお願いします

(一)&(小):台湾に旅行に来られる時、台湾プレミアリーグで台中FUTUROが試合をしている日程が合えば、ぜひ応援に来てください。プレーヤーにとって応援は勝つための最高の原動力です。ファンの皆様、お待ちしています!!
インタビューを通じて、台中FUTUROに携わる人たちみんなが、本当に台湾のサッカー界を盛り上げたいんだという熱意が伝わってきました。近い将来にここでサッカーを学んだ選手が世界で活躍するようになったら素敵ですよね。

以上、台湾のサッカー界が秘める無限の可能性を感じた台北ナビでした。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2019-09-10

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