エリアを歩こう～龍山寺～

こんにちは、台北ナビです。今日は台北の下町「龍山寺」にやってきました。ナビは古い街が好きで、たまに1人でブラブラ歩いては、面白いものを発見して喜んでいます。「龍山寺」界隈は、「萬華」（昔の名は、艋舺）（台湾語でバンカ）と言われ、昔は迪化街と同じく商業で栄えた街で、少し危険な香りも漂うところです。以前はこの街のよさがよくわからなくて、少し距離を置いていたナビですが、ここ数年歩いていると、変わらない古い街並みは、昔ながらの習俗や風習を大切に残していて、仏具街や薬草街、骨董街、伝統市場などを歩いていると、本当に消えてほしくない台湾のよさに気づきます。
片やバンカだからこそある怪しげな茶屋、婦人科や泌尿器科を掲げる多数の診療所、他の街には見られない変わった屋台とそこで売られるときに変な品々。極めつけは「華西街」夜市のヘビやスッポンの店。そして、廃娼後数年経つというのに、何となくそれっぽい若くない女性たち。ここに来ると、台湾の裏側を見てしまったような気分にもなります。あからさまな風俗やいつ何が起こるかわからないような危ない空気がねっとりと肌にはりついてくるような。でも、これも台湾の一面であり、庶民の生活もリアルに迫ってきます。
そして、なぜか時代もちょっと巻き戻されたような感覚に陥るのです。

青草店の店先には、見たこともないような植物がずらり

剥皮寮の街並みがきれいに復元されています

龍山寺の駅構内

それでもナビは、なぜかこの街にどんどん惹かれていきます。まず、MRT「龍山寺」に着いたら、駅の中に最初の楽しみがありました。それは「占いストリート」。最初はほんの数軒だったのが、今は「日本語OK」の看板を掲げる占い師も増えてきています。米粒や四柱推命、人相、手相と占いの種類も様々。料金は1件につき300元～など、相場は大体同じくらいです。どの方が当たるかは、ご自身でお試しくださいね。


おみやげ屋さんやマッサージもありました


占い師さんが大勢待機しています

地上に出ました

駅から和平西路三段の出口1の方向へ出てみました。和平西路を挟んで向こうのエリアは衣料品の問屋街ですが、「五分埔」よりかなり年代高めのマダムや子供服がほとんどです。
（★ＭＡＰ・小さな矢印に沿って歩きました）

ナビがこちら側の出口へ出た最大の目的は、「胡椒餅」！にありました。台北の街中でもたまに見かける胡椒餅ですが、個人的に一番おいしい！と思っているのはここなので、まず番号札をもらうため細い路地を入っていきました。
相変わらず並んでますね･･･。45元と他のところよりお高めなのですが、肉がギッシリ、肉汁たっぷり、この香りのよさったらヨダレなしには語れません。
いつ行っても後何分だからねと言ってくれます。お金を先に払って順番待ち。今回は30分以上の待ちでした…。3つある焼き釜は1日中フル回転、奥でせっせと餅を丸めているのは皆家族なんです。

「福州元祖胡椒餅」
住所：廣州街109巷入って100m先左に看板あり。駅すぐ横の路地。
電話：(02)2308-3075　営業時間：9:30～19:00　
年中無休　現金　日本語X

胡椒餅の路地に入る左の方の並びに古本屋さんがあります。龍山寺に溶け込みすぎているこの建物は、中古書以外に骨董とかも扱っています。天井が高く、奥深いこのお店の骨董ですが、よく広州街上で風呂敷みたいなのを広げ、ほんの数点だけ並べて売っているおじちゃんたちの品と似たりよったりの感がなきにしもあらず。古いだけなのか、価値もあるのか、どのくらいの値打ちものなのか…その点はよくわかりませんが、外国人が小物をいくつか買っていました。お酒や茶器、あれ、ケーキまで売っています。日本語書籍は入って右にかなり古いのが並んでいます。ナビはこの書籍の品ぞろえより、建物内の独特の雰囲気に惹かれてしまいます。

MRT「龍山寺」が位置する十二号公園は、お年寄りの人たちの憩いの場となっています。ただ椅子に座っているだけの人たちもかなり多く、ここでは若者の姿は見られません。台北市で平均年齢が一番高いエリアともいえます。特に週末は大変な混みようで、時間ごとに噴きあがる噴水を楽しんだり、おしゃべりに興じたり、ここにくるご老人たちは皆寂しそうじゃないですね。


駅すぐ横の屋台も大繁盛


西三水市場の様子

和平西路と康定路の角にも胡椒餅（35元）がありました

康定路と廣洲街にも、もうひとつの胡椒餅（30元）

新富市場・東三水街市場内

和平西路を東へ進み、康定路を左に曲がりました。少し先に東三水街市場の入口がありました。朝早くから賑やかな場所です。何に遭遇するかわからない期待と複雑な匂いに惹かれて、中に入ってしまいました！

市場の入口左には、チキンが数羽ぶら下がっていて、右は肉レンブの店。狭い路地の両側には、野菜や魚、果物などの食料品にまじって衣料品、下着、薬などなどごちゃごちゃと並んでいるのがいかにも伝統市場で、ナビも左右をキョロキョロ見ながら進んでいきます。おもしろい！

まん中までいくちょっと手前の右に「老生姜」の店がありました。おじさんが休むことなく、生姜を絞っています。下に生姜汁を受けるバケツが置いてありました。1本80元、大きいのは200元です。そのままは辛くて飲めません、黒砂糖を加え、あっためて飲みます。一杯飲ませてもらいましたが、カッ－！っと。こりゃ、ノドに効きそうだあ～～。

生姜はカラカラに絞られます

この下にバケツあり

生姜の店の前にあったお惣菜やさん。麺疙瘩という、ちぎり団子麺の材料がありました。麺は大きな麺の塊りをちぎって作っていくので、形がこういうできそこない状態になっています。一つずつ噛んで食べる麺とでもいいましょうか。

作ってみませんか？ 150元/一袋

ちょっと他のお店で食べた麺疙瘩画像ですが、こんな感じになりますもちもちしていて、噛みごたえがあって、おいしいですよ～

お惣菜はどれもおいしそうでした、晩ご飯用に買おうかなあ

狭い所をバイクも自転車も通りまくります

四重渓の温泉ピータンです、おいしかった！6個で100元


好きなものがちょっとずつ買えるのが市場のよさ。それに新鮮だし、作り方やおすすめをお店の人が教えてくれます


台がなくて、ブース内の路上で売ってる人も多いです


昆明街に出たら、子供たちが屋台で麺をおいしそうに食べていました。

昆明街から廣州街へ


お肉レンブの店やくつやさん、生活の匂いが充満する古い街並みが続きます

それにしてもいろんなお店がありますね

お守りや中国結び、骨董品の店、漢方薬やさんの前では、人が歩いている通りで漢方を煎じていました。通りにいろんな匂いがする…これが龍山寺エリアの特徴でもあります。中国結びとかのおみやげにできそうなものは、かなり安かったですよ。

「剥皮寮」という歴史的旧市街が広州街には残され、バンカが栄えていたころの人々の生活様式などを見学することができます。新しい観光地として、注目されているところです。
住所：台北市広州街101号、電話：（02）2336-1704（日本語の案内をご希望の方は事前にお問い合わせください）
見学時間：9:00～16:30、休館日：日、月、祝祭日、入館料：無料、WEBサイト：http://hcec.tp.edu.tw

剥皮寮龍山寺は夜市だけかと思ったら、このエリアでとってもステキな散策スポットを発見！「剥皮寮」に足を運んでみてはいかが？ Googleマップで見る

廣州街にはおいしそうな食べ物屋さんが並んでいます。こちらは台南麺の店。切仔乾麺と茹でた大陸妹という野菜、紅焼肉を注文してみました。これで、100元ちょっと。麺は台湾の人たちが好む柔らか～いゆで加減で、ナビにはちょっと物足らなかったのですが、お味の方はまずまずでした。

「進財切仔麺」
住所：廣州街96号　電話：(02)2336-7668
営業時間：6:00～16:30　休業日：月曜日、第4週は日曜日　現金　日本語はX

2軒先にお粥の店があるのですが、ここはいつ行っても大変な混みよう。ナビはちょっと前に行ったのですが、非常におすすめなので、ご紹介してしまいます！お店はお世辞にもきれいとは言えませんが、最初その人の込み様を見て、勇気を出して入ってみました。そして、皆が何杯も食べてるお粥を注文。紅焼肉もここの看板メニューらしく、店の人からこれも食べなさいとすすめられました。一口すすると出汁がなんとも、うまい！それ以上に紅焼肉がうまい！ここで紅焼肉は外せません！
★人が多いと合い席になります。

「周記肉粥店」
住所：廣州街104号　電話：(02)2302-5588
営業時間：6:00～16:30　休業日：不定期　現金　日本語は若いお兄さんが話せます　
お粥15元　紅焼肉50元　又焼肉40元　花枝60元　竹筍100元

龍山寺到着

龍山寺に来て、寺に行かないわけにはいきません。ここには、学問をはじめ、健康、商売、子宝、恋愛…とご利益抜群の神様たちが大勢いらっしゃいます。お供えのお菓子や線香は入って右側の受付で販売していて、お線香は1人1袋。火をつけた後は、1本ずつ香炉にお線香を入れて回っていけば、ちょうど1周したときになくなっています。お寺は右から入って左から抜けること。敷居は踏まないように必ずまたいでください。学問と恋愛の神様の前はいつも若い子たちでいっぱい。恋愛の神様は向かって一番左です。男性も一生懸命お願いしているのを見かけました。
★ご利益があった時は、お礼にもう一度お寺に来なければなりません。

艋舺龍山寺台北最強のパワースポット「龍山寺」！ご利益で有名な寺で“拝拝” Googleマップで見る

駅の横にあるので、目印になる「85度C」。ここから康定路にかけての廣州街沿いは、路上屋台が多くて、中国太陸のムードがあります。

青草やさんで買ったアロエ茶は30元、無色無味でした。中国語で「蘆薈」と書き、お通じがよくなり、咳止め、美容効果があるそうです。

青草通りで　

青草の店がこんなに多いのも、ここ「龍山寺」の特色の一つ。その昔、寺を中心に人々が必要とする様々な商売が発達してきました。寺が心の癒しなら、周辺には体の癒しの場所ができたというわけです。台湾の人たちは、捻挫や骨折などの外科系は、西医だけでなく漢方医にかかることも多く、青草店はその一部を担っているといえます。店には煎じて飲む薬草がいっぱい。おできができたとか、皮膚系にも、薬草をねってもらって貼ったりします。「良薬は口に苦し」と言いますが、匂いもかなり強烈だったりするんですよね、でも、効果てきめんです！
歩き疲れたときでもちょっと立ち寄って、いい香りの青草茶を一杯いかが？

西園路を越えると？

西園路を越えて、廣州街をさらに行くと「龍都氷果専業家」というかき氷であまりに有名なお店がありました。冬場はおしるこなどのあったかいスイーツももあります。夏場はすごい人。緑豆、大小のアズキ、タロイモ、ピーナッツ、湯圓、芋圓、脆圓の8種入っている八寶氷が有名で、ヘルシーな食材ばかりなので、ぜひお試しを！
★冬場にかき氷を食べても、それはそれでおいしい。
「龍都氷果専業家」
住所：廣州街168号　電話：(02)2308-3223
営業時間：11:30～12:30　休業日：不定期　現金　日本語X
八寶氷55元　什錦氷60元　マンゴーカキ氷100元　綜合果汁50元　紅豆湯圓55元

夕方位に華西街を歩く

夜も更けると、女一人で「華西街」、というのはあまりおすすめしませんが、友人たち数人なら、やはり華西街は「夜に」歩いてみることをおすすめします。朝からお昼過ぎまではほとんど店がシャッターをおろし、小吃の店が数軒並ぶだけという、ちょっと気の抜けた通りですが、夕方位になると、他の夜市とは異なった顔をもち、強烈な個性を放つ「華西街」が本領を発揮します。目をそらさずに歩いてみましょう、これも台湾の一面。やがて、あなたもバンカの闇に吸いこまれていくことでしょう。