日本のノスタルジーがちりばめられたローカル路線。台湾の田舎の風情を味わいたい方におすすめ。
こんにちは、台北ナビです。
今日はちょっと遠出して、日帰り旅行に出発してみましょう。台北の北の山岳地帯、基隆の西方には、かつて金鉱、炭鉱が点在していました。その頃大いに賑わったのが、今やレトロな街として観光化されている九イ分(にんべんに分)、金瓜石。平渓線沿線も同じように、炭鉱の町が多かったようです。基隆河に寄りそうようにして瑞芳から菁桐まで続くこの支線は、大正10年(1921)開通。周囲の鉱物運搬を主目的に敷設されました。神社の跡、防空壕、そして遺棄された加工場…あちこちに日本のノスタルジーがちりばめられた路線なのです。
基隆-侯石同 台北から1時間。ローカル色が匂い立つ
平渓線は、北台湾を蛇行して淡水河に流れ込む基隆河の上流を通る山深い支線。当時この地域で盛んだった鉱工業の原材料を運搬するため、鉄道路線は必要不可欠だったようで、1921年に民間の「台陽鉱業」がこの路線を完成させ、1929年に台湾総督府鉄道局に移譲されたそうです。このローカル線は、台北から鉄道で行けば日帰りで十分歩いて回れるルートなのですが、行き方がやや難しいので、電車の乗り継ぎ方からお知らせしましょう。まずは「台北車站」から急行列車で自強号も停車する「瑞芳」駅へ。「瑞芳」は九イ分の入り口でもあり、平渓線の始発駅です。このローカル線は、利用者が少ない、ということもあって、だいたい1時間に一本くらいの間隔でしか運行していません。乗り継ぎ時間は確認していきましょう。終点の菁桐までは8駅。適当な駅で途中下車して、駅周辺を案内していきましょう。
侯石同 小高い丘には立派な神社跡
瑞芳を出ると次の駅が「侯石同」。「侯石同」には立派な日本時代の神社が残っているらしいので、降りてみました。駅前はポツンと雑貨屋が一軒というもの寂しさ。時が止まったかのような静寂ぶりです。駅前には朽ちかけた巨大な石炭の精錬場がありましたが、そのさびれた様子がよけいに時の流れを止めています。深緑のトタンで覆われた暗い建物には「瑞三鉱業」とペンキで書かれて、広場のたくさんの引込み線は雑草が生え放題。
裏へ回ると階段があって、上階にいけたので登ってみると、工場の裏口から橋が伸びていて、基隆河を越えて山中の道へつながっていました。坑道からトロッコで運び出した石炭を直接、この工場まで運び込めるしくみだったのですね。資料によれば、この炭坑は最盛期で1500人の鉱夫が働いていたそうです。戦後は産量が減りつづけ、1981年に廃坑となったそうです。
さて、肝心の「神社」です。駅を出て介寿橋という橋を渡り、集落に入ったあたりにある「侯石同一百階」と書かれた石段を登った先の小高い丘に、その「神社」はたたずんでいました。
今はあずまやと椅子が点在する公園と化していました。亭の屋根は瓦がふかれていて、どうやら、かつての本殿の瓦を再利用したように見うけました。鳥居も残っていましたよ。石でできた立派な鳥居には「瑞三鑛業奉納」などと彫られてあって、昭和初期に建立されたようですが、こんな山郷深くに完全な姿の神社の鳥居を発見できるなんて、けっこう感動でした。日本の遺物、特に神仏関係のものは戦後ほとんど残っていないだけにですね。
今はあずまやと椅子が点在する公園と化していました。亭の屋根は瓦がふかれていて、どうやら、かつての本殿の瓦を再利用したように見うけました。鳥居も残っていましたよ。石でできた立派な鳥居には「瑞三鑛業奉納」などと彫られてあって、昭和初期に建立されたようですが、こんな山郷深くに完全な姿の神社の鳥居を発見できるなんて、けっこう感動でした。日本の遺物、特に神仏関係のものは戦後ほとんど残っていないだけにですね。
菁桐―平渓 防空壕にはナビもビックリ
平渓線は1日に15往復しかしなく、うまく発車時間を見ながら移動しなくては、駅で思わぬ足止めを食うことに。頼りになるのは鉄道だけなので。次の平渓線に間に合うように駅に戻って、今度は一気に終点の菁桐まで。ちょうど日曜日だったので、ハイキング気分の観光客が半数以上。けっこう若いカップルが多いです。渓谷が続き、時には滝がみえたり、民家の軒先をかすめたりと変化に富む景色を楽しみながら、所要時間35分で終点の菁桐に到着。菁桐駅は瓦でふかれた日本風の駅舎でした。昔の鉄道電話、金庫、手動の券買器などもあって、駅自体が博物館のような風情でした。ここもかつての炭坑だったらしく、石炭積み出し用の施設が近くに残っていました。
停車時間15分で、同じ車両が登り線になります。時間節約のため、そのまま引き返すことにして、隣の平渓駅へ。ここは平渓線沿線最大の街だそうです。ここには、なな、なんと、戦前から残る防空壕を発見!作って半世紀以上も経っているというのに、よく壊れもしなかったと驚きです。今では子供たちの遊び場になっているそうですが、子供たちはそれが防空壕で、日本人が残したものとちゃんと知っていました。スゴイ!
十分 生活感に満ちる町並み
平渓では食事を済ませ、次の発車時間を待ってから、次の目的地、十分へ向いました。ここも平渓線の中では大きい駅で、ちょうどナビが行った日が祭りの日だったらしく、各家庭でお供え物が並ぶなど、町全体がわき立っていました。駅の沿線は生活感があります。線路の両側の商店と住宅は自由に行き交いができ、駄菓子屋に子供が集い、路上で遊ぶ、昔懐かしい情景が広がっています。街のみんなが顔なじみ、という和やかさです。十分瀑布は通り過ぎるだけ
この近辺にある十分瀑布は、高さ20m、幅40mと、「台湾のナイアガラ」と例えられるほど立派な滝で、沿線を代表する観光スポットだというので、とりあえず向かってみることにしました。歩くこと30分。が、入り口に着いて入場料を見ると、なんと200元も取るのを知って、まあ見なくてもいいか、と入場ゲートの前を通過してしまいました。トンネルを抜けた先には、雨よけがわりの小さな待合室しかない小駅、大華駅がありました。ここまで2.9km歩いたことになります。
ここで帰りの瑞芳行きへ乗車して、一路台北へ。車内では、何回も同じ車掌さんにキップを切ってもらいました。この車掌が、ちょっと妖怪顔で不気味なムードをかもし出していたのですが、帰路にはお互い気心もしれ、にっこりと笑ってキップを売ってくれました。
記事登録日:2003-01-21
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スポット登録日:2009-04-22
















































平渓駅
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