
本日ご紹介するのは、台北では見たことも聞いたこともないご当地名物。台湾南部・屏東県潮州にある朝ごはん屋さん「宜囷早點」で出合った1品です。
その名も「阿婆粿」!パッと見はネギ餅(葱油餅)みたい?ナビん家(関東出身)で手作りする薄っ~~いお好み焼きにも似ているかも。もともとこのエリアで食べられてきた庶民的な小吃なのだとか。
店主に聞いてみると、「阿婆粿(アーポーグイ)」は潮州でも年配の方しか知らないという料理で、起源は、忠孝路と清水路の交差点にあった新山戲院(新山映画館)の前で、一人の阿婆(お婆さん)が焼いていたことに由来すると言われています。当時、そのお婆さんは低い椅子に腰掛け、在来米(インディカ米)の米漿(米をすりつぶして作った液体)に、もやし・ニラ・九層塔(台湾バジル)を加えて焼き上げていました。この3つの食材はどれも欠かせず、ひとつでも欠けると味が変わってしまうため、「阿婆粿」には必ずもやし・ニラ・九層塔が入っています。
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というわけで、「宜囷早點」でも、在来米の米漿を鉄板に薄く広げ、もやし・ニラ・九層塔、さらに卵をのせて、追いタネ(米漿)を加えて焼き上げます。お婆さんが焼いていた当時は、卵を1つ食べることさえ贅沢だった時代。今では卵入りが一般的になっていますが、こうして気軽に食べられることに、思わず感謝したくなります。 |
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「阿婆粿」や「粉漿蛋餅(古早味蛋餅)」に添えられる「醬油膏」も手作りです。砂糖と醤油を独自の配合で炒めて作るため、市販品とはひと味違うコクがあります。
また、毎日涙をこらえながら玉ねぎを切って作るという「洋蔥辣椒(ピリ辛玉ねぎ)」は、玉ねぎ・醤油・唐辛子・砂糖だけを使ったシンプルな味付け。素材の良さがダイレクトに伝わる一品です。辛みが欲しいときにトッピングすると、また違った味わいが楽しめます。
「宜囷早點」の名物はほかにもあります。それが、種類豊富な昔ながらの「粉漿蛋餅(古早味蛋餅)」。
一般的な「蛋餅」(台湾風の卵クレープ)は既製の皮と溶き卵を合わせて焼き上げますが、「粉漿蛋餅」は毎日手作りした米粉の皮にネギ入りの溶き卵を重ねて焼き上げます。冷蔵・冷凍された既製品とは異なり、作りたての皮を使うからこそ、ふっくら&もちもちの食感に仕上がるのが特徴です。
20種類以上あるメニューの中から、その日の気分で選べるのも人気の理由。
お店のおすすめは「大阪焼蛋餅」50元。たっぷりのかつおぶしがのっていて、お好み焼きのような味わいです。
毎朝仕入れたばかりの食材を使い、すべて手作りしているためどれも新鮮。これも地元で愛されている理由のひとつです。潮州の朝ごはんは「阿婆粿」と「粉漿蛋餅」で決まりですね。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2026-04-22