「台湾映画の新しい潮流を感じよう!~上映会&トークショー」 12月3日の第八回『藍色大門』アンコール上映で締めくくり!

易智言(イー・ツーイエン)監督からムービーメッセージが届きました

台湾文化センターとアジアンパラダイスの共催により2016年3月から実施してきました「台湾映画の新しい潮流を感じよう!」と題した上映会&トークショーは、12月3日の第八回『藍色大門』アンコール上映で締めくくりました!

その様子が届きましたのでお届けします!

前回参加できなかった希望者からの熱い要望により開催されたアンコール上映!

2016年の最終回は、4月に上映した『藍色夏恋』が予約開始3時間で満席となり参加できなかった希望者からの熱い要望によりアンコール上映となりましたが、やはり予約は半日で定員に達しました。

毎回定員を大幅に越える多数の応募は、昨今の台湾、そして台湾映画への関心の高さを証明するものと言えます。
『藍色大門』はすでに日本で全ての権利が切れており長らく日本での上映の機会がなかったことと、このイベントシリーズでの上映に際し14年前の作品に新字幕を付けたことも期待値の高さの一因です。

新字幕制作は、台湾の権利元と『藍色大門』の易智言(イー・ツーイエン)監督の協力により実現したもので、字幕・翻訳は2003年の日本公開時に本作の小説の翻訳を担当した樋口裕子がこれにあたりました。
(C)アジアンパラダイス

(C)アジアンパラダイス

今回は易智言(イー・ツーイエン)監督からムービーメッセージが届きました!

要約は以下の通りです。

「この映画の脚本を書いているときは台湾映画界がどん底の状態で、資金が集まってこれが本当に完成するのかどうかわからない状況でした。脚本を書き終わってから映画が完成するまでに3年近くかかっています。脚本を書きながら資金を集めるかたわら、主人公の若い俳優を探していました。

しかしクランクインできないうちに俳優はどんどん役の年齢から離れていくので、毎年新しい俳優を探し陳柏霖と桂綸鎂は3年目にやっと見つかりました。 2人を見つけてからは順調に撮影にこぎ着けたので、この出会いは運命だと言えます。 それ以後2人の成長はずうっと見て来ました。デビューからもう14~5年経ちますが、たぶんほかの俳優と監督の関係よりもかなり近く、父親が見守ってきたという感じです。 2人が目指す方向性はかなり違いますが、その歩みの中で全く新しい世界で自分たちの業績を残していっていることをとてもうれしく思います。 この業界に導いたのは私ですが、その後彼らが自分たちの道を切り開いていった事は素晴らしいし、とてもうれしいです」
(C)アジアンパラダイス

(C)アジアンパラダイス

トーク部分では、映画『藍色大門』についてはもちろん、金馬奨の模様も聞けました!

今回のトークは、青春映画のレジェンドである『藍色大門』が生まれた背景、タイトルに込められたテーマの解説、桂綸鎂(グイ・ルンメイ)と陳柏霖(チェン・ボーリン)の近況、ロケ地についてなどです。

そして11月26日に行われた金馬奨の模様を、主な受賞者とレッドカーペットの写真を見せながら、受賞結果や授賞式の様子など取材エピソードを交えた取材報告がありました。 さらに、金馬奨の特徴や審査方法などの話題に観客は興味深く聞き入っていました。
(C)アジアンパラダイス (C)アジアンパラダイス

(C)アジアンパラダイス

この台湾文化センターとアジアンパラダイス共催によるイベントシリーズでは2000年以降の作品から秀作をピックアップし、各作品の解説とともに近年の台湾映画の流れを系統的に伝えてきました。

第一回目に上映した『海角七号君想う国境の南』は台湾映画の救世主と言われるエポックメーキング作ですが、ここにいたるまでの台湾映画人の試行錯誤と努力の積み重ね、そしてそれ以降の様々なチャレンジについての一貫したトークにより、台湾映画への理解を深めさらなる興味を持ってもらえたのではないかと思います。

★2016年実施一覧


3月21日(月//祝)作品:『海角七号~君想う国境の南』
14時開演
トーク:魏徳聖(ウェイ・ダーシェン)監督の第一作が果たした役割と新作情報。
ゲスト:トニー・タナカ
ムービーメッセージ:魏徳聖(ウェイ・ダーシェン)

4月23日(土)
作品:『藍色大門』 ※権利切れのため貴重な上映(新字幕)
14時開演
トーク:近年の台湾の青春映画の原点、ここから始まった青春映画の系譜について。
ムービーメッセージ:陳柏霖(チェン・ボーリン)

5月15日(日)
作品:『あの頃、君を追いかけた』
14時開演
トーク:台湾の大ヒット映画の系譜。
旧正月のコメディ以外にヒットする要因について。
ムービーメッセージ:九把刀(ギデンズ)

6月17日(金)
作品:『シルク』 ※権利切れのため貴重な上映
19時開演
トーク:台湾のサスペンス映画の原点はここに。
最近増加傾向にあるサスペンス映画について。
台北電影節上映予定作品紹介と、これまでの受賞作に関する話題
ムービーメッセージ:蘇照彰(スー・チャオピン)

8月6日(土)
作品:『KANO』
14時開演
トーク:撮影裏話。
ゲスト:永瀬正敏

9月10日(土)
作品:『九月に降る風』 ※権利切れのため貴重な上映
14時開演
トーク:台湾映画の新人起用と俳優育成事情。
ムービーメッセージ:林書宇(トム・リン)

10月15日(土)
作品:『セデック・バレの真実』
14時開演
トーク:台湾のドキュメンタリー映画に秀作が多いのはなぜかˇ…。台湾の社会と文化、それを描く監督たちの意欲について。

12月3日(土)
作品:『藍色大門』アンコール
※権利切れのため貴重な上映(新字幕)
トーク:作品解説と、金馬奨取材レポート
ムービーメッセージ:易智言(イー・ツーイエン)

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2016-12-05

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