陰陽海と十三層遺址がよく見えるところに、日本時代に「第一戲台」と呼ばれた建物はありました
こんにちは、台北ナビです。
九份が属する瑞芳區の水湳洞というところに「山城美館」はあります。一棟の赤レンガの建物ですが、ここは日本統治時代に「第一戲台」と呼ばれた集会所兼劇場であり、昇平戯院よりも3年早く設立し、内部には公衆浴場もありました。山城美館の館長で、九份の人たちから阿諾老師と呼ばれている林正文さん曰く、「日本時代はここへ来た人は、先に公衆浴場に入ってから、中へ入って行ったんだよ」とのこと。日本が去って国民党の時代になると映画館になりましたが、ほかの地方の状況と同じく映画館はその後廃れていきました。
廃墟に近い建物となっていたのを、地元のアーティストたちが「山城美館」として、作品の展示エリアかつショップとしました。ここからは有名な陰陽海が眼前に望めるだけでなく、後方の十三層選礦場遺址もきれいに望むことができます。
館内には、何人ものアーティストの作品が置かれています。木材で造られた個性的な椅子は、林正文さんの作品です。展示以外にアーティストを呼んで講座を開いたり、手作り教室も行っています。
林正文さんは木彫りアーティストで、大型作品製作のかたわら、木鈴をたくさん作っています。これは昔炭鉱で働いていた父親が腰にぶら下げていたそうで、木鈴の音が聞こえてくると、今日も父親が無事帰還したというのがわかったそうです。炭鉱夫は坑道内でもこの木鈴をぶら下げ各自の安否に耳を傾けながら仕事をしていたそうで、当時の炭鉱夫の苦労と悲哀が想い偲ばれます。
木の作品は、ほぼ林さんの作品です
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恰幅のいい林正文館長
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手作りで味わいのあるメニューの内容はいたってシンプルで、飲み物は、ブラックコーヒー、豆乳、黒糖入りショウガ茶、梅酢、桑の実ジュースなど。他にも台茶18号の紅茶もあります。
食事はマルガリータピザ、烤饅頭(焼き饅頭)、そして、不定期にある蔬食菜飯(ベジタブルライス)。カレーライスもありますね。おすすめは、焼き饅頭80元や米豆漿90元。新登場の醤醤好吐司も美味しそう。馬告鳳梨酥や南棗核桃糕などのお茶菓子もあります。