独特の世界観が広がる東区の小さな本屋さん。「世界で最も美しい本屋ベスト20」のひとつにも選ばれています。
こんにちは、台北ナビです。
今日はVVGグループが2009年12月に設立した、東区にある本屋さんへ足を運んでみました。可愛らしく佇む真っ赤な引き戸を引くと、懐かしさと新鮮さが混在した不思議な空間が広がっていて、沸々とアイディアが沸き上がってきそうな予感のするお店でした。
米国のエンタメ系サイト「Flavorwire.com」が選ぶ「世界で最も美しい本屋ベスト20」のひとつに選出された「VVG Something」。ここに並べられた本たちは主に「デザイン・芸術・撮影・美食」をテーマとしており1冊1冊、オーナのGraceさんが旅先で調達してきたものです。Graceさんにとって本を読むことは芸術品に触れることと同じだそうで、旅先でいちばんにすることは本屋に立ち寄ること。その国ならではの芸術に触れられる楽しみがそこにあるのでしょう。
自分には思いもつかないような作者の発想や思想が1冊の本となり表現されるクリエイティブな世界に魅了されているというGraceさんが選んだ本の中から、ぜひあなたのお気に入りを探してみて下さい♪
老若男女問わず楽しめる空間なので、カップルや親子で訪れてもよさそうです☆
本屋といってもそれだけに留まらないのが「VVG Something」の魅力でもあります。例えば、料理関連の本の横には、木製のカトラリーやカレールーが並んだり、童話関連の本の周辺には玩具が置かれていたり、という具合に13坪の小さな空間はそれぞれにテーマを持ってディスプレイされています。コンセプトや配置はスタッフみんなで考え、最終的にGraceさんの確認をとるというスタンスでお店を運営しているようです。スタッフの知恵やイマジネーションを優先し採用するやり方はいかにも彼女らしいな、と感じました。
また、古いものが大好きなGraceさん。誰かが昔使い込んだ古いものたちには、そのものにしかだせない味わいがあります。他人にはただの傷にしか見えないかもしれないけれど、彼女にとってはそれがとても美しいものに感じられるのだそうです。店内に置かれたアンティークのテーブルや椅子、食器たちもきっとGraceさんと同じようにその美しさに惹かれた人のもとへ引き取られて行くことでしょう。
店内の飾り棚に大切に並べられているペンたちに注目してみて下さい。メールやSNSが主流となった現代で「筆を取る」行為ともう一度向き合って欲しいというメッセージを込めて2012年に設立された台湾の文房具ブランド「物外」の商品たち。中でも真鍮素材を使った「ystudio」シリーズのペンは、ぜひとも手に取ってその重厚感や書き心地を実感してみて欲しいです。使い込むほどに変化する色の具合を楽しめるのも、真鍮素材ならではの魅力のひとつ。写真右手に持っているペンはBessさんが愛用しているもので、左手の新品と比べるとだいぶ色合いが変わっているのがわかります。
このペンを握ったときに自然と文字を書きたくなる衝動に駆られたナビですが、皆さんもきっと同じように感じるのでは?と思います。2016年にアメリカで開催された新しいデザイナーの大会に台湾を代表して出展した経緯もあり、欧米からわざわざ買い求めにやってくるお客さんもいるのだそうです。熟練の職人技が光るアンティーク調のシンプルなペンは決して安くない買いものですが、一生ものになること間違いなしです。大切な人へのギフトや自分へのご褒美にオススメのMIT商品でした。
レトロな活字たち
書籍以外でのオススメはこちら。その昔主流だった活版印刷用の活字たちです。現代の日本においては絶滅に等しい活版印刷ですが、昔は一冊の本を刷るにしても、これら活字をひとつひとつ組み合わせて印刷していたと思うと、なんて果てしない作業なのでしょう…このお店で人気なのは、結婚式などのおめでたいときによく使う「喜」の字が2つくっついた「雙喜」だそうです。ハート型やカップルバージョンなど、いろんなパターンがあってかわいい!その他、アルファベットが今年の干支であるトリと一緒に彫られている活字もプレゼントによさそうでした♪
レジの近くに黄金に輝くイカしたマシンを発見!イタリア「エレクトラ社」の ベルエポックというエスプレッソマシンを新たに導入したそうで、店内の好きな席でコーヒーが飲めるのだそうです。ナビがお邪魔したときは生憎このイカしたマシンがメンテナンス中だったため、ドリップコーヒーを頂くことにしました。台湾で焙煎した豆を使っているそうで、Bessさんが丁寧に淹れてくれました。
が、出てきたコーヒーが抹茶を頂くような器に入っていたので思わず躊躇してしまったナビ。そうだ!この既成概念に捉われないスタイルこそVVGなのだと、ハッとさせられた瞬間でした。Graceさんは日本で抹茶を頂くときのように、両手で器を包み込むスタイルがお気に入りのようで、コーヒーだろうがお茶だろうが、この形式で出てくるのだそうです。思わず器を回したくなる衝動を抑えながらコーヒーを頂きました。とても飲みやすい味でした。コーヒーのほかに、台湾の東方美人茶や日本の煎茶などもありました。店内のお気に入りの席を見つけて、コーヒーやお茶をお供に読書タイム、もう間違いないですね。
人間はイマジネーションを働かせ、いろいろなものをクリエイトできる生きものだと考えるGraceさん。その活動の原点がここにあるような気がしました。VVGファンは必須、本好き、古いもの好きの方もぜひ一度立ち寄って見て下さいね。
以上、台北ナビでした。