台中酒廠-台中酒工場(台中市)

タイツゥオンジョウツァン台中酒廠

閉店・移転、情報の修正などの報告

台湾の養命酒はここで造られています。中華庭園風の敷地&工場見学と試飲ができます!

こんにちは、台北ナビです。台中市の南西郊外、大肚山の麓の丘陵に広がる工業区のなだらかな上り坂を龍井方面へ走ること10分、道の右側に大きな中国の工場風の赤い門と椰子の木が見えます。長方形の門の上側には、「台中酒廠」の文字が。

この工場の前身は、1919年に大正製酒公司として、日本人により設立。1922年には、当時の日本政府により官営化され、「台湾総督府専売局台中支局」に、そして1945年光復後、台湾政府の管轄となり、1957年から、台灣省菸酒公賣局台中酒廠と名称変更。1998年には、台中市内(復興路と五権路交差点)にあった工場が、より広く交通の便の良い現在の工業地区へと移設。2002年、官営の公賣局から民営の台灣菸酒股份有限公司台中酒廠となり、工場の近代化、新商品開発、工場の観光化など、多角的な経営を目指しています。

緑豊かな環境

民営化後、観光化のため、工場手前には、広い中国式庭園を。花がきれいに植えられた花園など、緑豊かな設計です。正門斜め右に大きな酒瓶、酒甕が並んだオブジェ、正門の左手には、鯉がたくさん泳ぐ「龍の池」、滝が流れ、赤い橋が架かっています。文物館の左には、「三仙亭」と名づけられた東屋。その隣には、陶器でできた中国のお酒の三仙が各自酒瓶を抱えて杜康と鐘馗が囲碁を打っているのを李白が眺めています。
※(周の時代、中国でお酒を発明した伝説の人物で酒神の杜康、酒仙は酒を愛した詩人李白、酒鬼は鬼の大将鐘馗)
撮影ポイントがたくさんあるので、記念に撮影しておきましょう。敷地の右奥の、文物館へ。初めて訪れたなら、まずここへ行きましょう。商品の紹介のほか、この工場の歴史や過去の生産品の紹介、昔からの商品ラベルの展示など、日本時代を経ているだけに、日本語のラベルもあったりして興味をそそります。正門からまっすぐ伸びた路の両脇には、醸造、蒸留、貯蔵、製品包装、倉庫などの建物があります。これらの建物は、一つ一つが大きく、生産量の多さが感じられます。以前は、専用カートで、工場敷地内見学遊覧もやっていましたが、現在は休止。唯一自由参観できるのは左手前の「醸造酒大楼」。簡単に順路を整備しただけですが、ガラス越しに見える96ある醸造樽(1樽30トン入り)は壮観です。

文物館の左後方の小道を入っていくと、たくさんの黒い甕が整然と並んでいます。ここでは、鹿児島の黒酢の天然醸造を参考に、甕に入れて日光の力で自然醸造しているそうです。気のせいか、少し酢のにおいが漂ってきて、甕の中がどんな風になっているのか興味がわいてきます。

自然と健康を追求

約90年の工場の歴史の中で、作ってきた商品は時代に合わせて変化していきます。 台中では、大正時代には、日本酒と焼酎を主に作って、光復後は黄酒「玉泉」が主流となり、ここ数年は、日本本格麦焼酎「玉露」シリーズ、米焼酎「玉鶴」シリーズの中でも、台湾の養命酒を呼ばれる「永康酒」、台湾の産婦が産後に飲む「米酒水」(現在、花蓮の工場で生産)など、健康に関するお酒が主流となってきました。

男の人が飲むお酒というイメージから、女性、老人が健康のために飲むお酒、そして、紅麹を使った葡萄酒、腸内益細菌増殖に重要な「オリゴ糖」、酒造りから発展した「果実酢」シリーズなど、幅広い年齢層に愛される商品を作っているそうです。

お土産コーナーで試飲試食、そしてお買い物。

ナビたちが、王副工場長に案内してもらっていたら、11時前、1台の観光バスが入ってきました。台湾南部からの国内旅行のご一行様。まずは、いっせいにトイレへ、それから、文物館横の展示即売センターへ、ぞろぞろ入ってきます。ナビたちも一緒に中へ。先まで静かだった工場内に、活気があふれます。まずは「永康酒」の試飲コーナーへ。

子供のころ、祖母が毎日飲んでいたので、こっそり舐めた経験はありますが、あまりの漢方くささに、人間の飲むものじゃないとさえ思った思い出が。このころは、ウイスキーだって、ビールだって、みんな苦くてくさくてまずいって思っていたのに、年月は私の味覚をちゃんと育ててくれたようで、「酒の飲める体質で良かった。」と日々ご先祖様に感謝。でもこういうのは、健康に良いと思わなければ、飲まないでしょうね。まずは、ここで食道がカーッと熱くなり、続いて隣の甘酸っぱい果実酢コーナーで、お口直し。その奥には、食品コーナーが。
 
ほとんど試食させてくれます。他の工場で売っているものもありますが、ナビのおすすめは、シュークリーム。その場でクリームをつめてくれます。どちらの味もあっさりしたクリームなので、いくつでも食べられます。思わず10個入1箱買いました。子供や友達にも評判良かったですよ。国内旅行のご一行のみなさんも、あれこれ買い求めて、いくつも袋をぶら下げてバスに乗って次の場所へ。旅行の楽しみは、やっぱり「食」ですね。



ブランデーケーキ
しっとりして、ブランデーの香りがほのかに香るカステラ。 

280元/1箱

 
 
シュークリーム(ミルククリーム/ブドウ味): 

20元/1個 150元/10個入


酒粕入り台湾式クロワッサン(酒粕牛角):

台湾のクロワッサン(牛角)は、バターをたっぷり使って、さくさくの層があるものではなく、中身ぎっしりの少し固めで形だけがクロワッサンというものです。ここ数年、この牛角が流行しています。ここのは酒粕入り。でもお酒の味はあまりしません。

25元/1個  200元/10入


紅麹香腸

土産センターの外で販売。香ばしく焼かれた台湾式ソーセージは、紹興酒の香りと、少し甘みがあって、クセになるうまさ。

 25元/1本
紹興酒蛋
黄身の部分がとろりと半熟。お酒の味と香りが強いので、お子さんやお酒の弱い方は気をつけて。
30元/2個入   箱詰め20個入/300元

氷棒(アイスキャンディー): 
タロイモ、パッションフルーツ、酸梅、ピーナッツ、小豆、米糕味 /各15元
  
手作りもち: 
黒ゴマ、黒砂糖、小豆、桜、ピーナッツ 各20元/1個  100元/総合5種類 7個入

レストランもあります!

隣接されたレストランでは、工場直送の台湾生ビールも飲めますよ。これが目的の方は必ずタクシーで行きましょう。運転手の方は我慢我慢。スタッフの愛嬌があまり良くないのですが、これも我慢我慢。


ラーメン
(酒粕みそ、博多とんこつ、東京しょうゆ、キムチ)  各100元
ソーセージ類  200~250元
ドイツ式豚足、ローストチキン   各400元  
生ビール    (350CC) 40元  (500CC) 50元
その他おつまみ(小菜)類  40~70元




ライスバーガー 

(紅麹入りライスに、牛肉とたまねぎの炒め、三杯鶏、豚肉と葱炒めが挟まれています。紅麹入りライスがなんともおいしい) 
各45元

商品紹介(台中工場で生産されている商品)






玉泉 紅麹葡萄酒 (300元 500元 1000元)
東洋の紅麹と西洋の葡萄酒がであってできた体にとてもいいお酒。甘みが強く、口当たりもいいので、女性におすすめ。種類も多いので、好みを伝えて選んでください。

玉泉 寡糖水果酢 
ブドウ、キンカンレモン味/ストレートタイプ980ml  55元/1本
ブドウ、キンカンレモン、リンゴ味/濃縮250/元1本

台中工場で作られた純度95%のオリゴ糖を使用した健康酢。体をアルカリ性にする酢と腸内環境を整えるビフィズス菌の栄養源オリゴ糖、果物のビタミンC、おいしくて健康にいいので、ナビも愛飲しています。
玉泉 紅麹養生酢 (600元 濃縮)   
紅麹と工場敷地内でゆっくり太陽の力でできた黒酢を合わせた究極の健康酢。



玉泉 花雕酒  (化粧瓶入り800元)(瓶詰め 200元)   
「花雕」は、酒瓶の周りに美しく細工を施したという意味で、お嫁さんを迎えるときに飲むおめでたい席のお酒。中身は、紹興酒よりワンランク上の黄酒。
この台中工場では、旧工場が移転する際、倉庫の片隅に忘れられていた醸造甕を発見。30年ものになっていて、その香りは、倉庫いっぱいに広がって、そこに居合わせた人を驚かせたとか。現在は在庫も少なく非売品になり、国賓級のお客様がこられた際に使われるそうです。 現在販売されているのは、外見は普通の瓶詰めですが、中身は上質の酒米と小麦、麹を使って熟成させた黄酒。記念日や大事な方との食事の際に開けたいお酒ですね。





玉泉 清酒  155元

蓬莱米と白麹を使い低温で醸造した日本酒に近いお酒。町のレストランで飲んでいる地元の方をよく見かけます。
 



玉鶴 「永康酒」 500元  

台湾の養命酒。103歳まで元気に過ごされた陳立夫氏(前台湾国策顧問)の秘酒の調合法を研究し、22種類の漢方薬を入れて作った健康酒。漢方の味が強くて、おいしいとは言いにくいのですが、103歳まで健康に生きられるのなら、飲んでみる価値有りですね。
効能は、日本の養命酒とほぼ同じです。
オリゴ糖(寡糖):  300元
オリゴ糖は、でんぷんなどの糖質が消化される途中の姿で、ビフィズス菌をはじめとする腸内の善玉菌の栄養の素になり、善玉菌を増殖させて、腸の調子を整えたり、肝機能を高めたりします。にんにく、ごぼう、たまねぎ、ハチミツ、バナナなど、普通の野菜や果物の中にも含まれています。市販されているものの多くは純度50%なのに対し、台中工場では、麦芽糖から抽出し、95%まで純度を高めたものです。




そのほかにも台酒生技(バイオテック)の酵素や美顔マスクなどの商品もたくさんあります。
酒造りの工場内にちょっと進入



ここの敷地の広さといったら、ものすごいものです。見学ということで、車でぐるっと一周させてもらいました。観光客の人は敷地内までは入れませんが、発酵器械室が覗けたり、お酒の完了までの説明パネルが並ぶ廊下は、観光客の方にもっと見やすくと、今後改修される予定です。
以上、台北ナビでした。

記事登録日:2008-06-17

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2007-09-28

スポット更新日:2008-06-17

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