台湾南部で泉質抜群の「美人湯」を堪能しよう!
こんにちは、台北ナビです。
台湾は日本に負けず劣らずの温泉大国!台湾各地に温泉があるのですが、今日ご紹介するのは台湾南部にある「四重渓温泉」。嘉義以南は熱帯気候なので、1年中比較的温暖です。だから、台湾の温泉といえばどうしても北部の温泉がクローズアップされるのですが、それでも台湾四大温泉のひとつと言われる「四重渓温泉」の泉質は想像を絶しました!
『
この温泉のためだけに屏東県を訪れたい』
そう思わせてくれるすんごい温泉を興奮気味にご紹介したいと思います!
温泉大国台湾が誇る「四大温泉」のひとつ!
台湾の四大温泉ってどこだか知っていますか?台北の「
陽明山温泉」「
北投温泉」、台南の「
関子嶺温泉」、そして屏東県の「
四重渓温泉」です。外国人観光客にとって、北部の温泉地はアクセスしやすく便利なので人気がありますが、現地台湾人が選ぶ温泉地投票で、最近人気なのは泥温泉の「関子嶺温泉」です。そうなんです……、実は『四重渓温泉』ってあまり注目されないんですよね……。
しかし、「四重渓温泉」を一度訪れたらきっと何度も何度も訪れたくなるはずです。かくいうナビもその一人。というのも、最強のお湯を体感してしまったからです。「四重渓温泉」は碳酸氫鹽泉(炭酸水素塩泉)に属していて、アルカリ性のお湯が湧き出ます。これはいわゆる『美人の湯』。台湾では比較的よくある泉質ですが、物が違いました。
お湯はサラっとしているのですが、浸かってみると肌に吸い付くようにねっとりとしてくるんです。湯の花が浮いていたり、湯量が豊富なため、源泉かけ流し(温度調節はしています)という宿がほとんどです。四大温泉に選ばれた中で唯一の「美人の湯」だけあって、台湾一の「美人の湯」といってもいいのではないかと思うくらい、浸かるとすぐに美肌になる即効性が体感できます。
高松宮宣仁親王がハネムーンのためにこの地を訪れた!
四重渓温泉は、1895年に恒春に駐屯していた高橋曹長が馬に乗って山に入ったときに発見されたと記録されています。1896年になって、温泉地として開拓され始め、「公共浴室」がまず設置されました。ここは現在も地元の人たちのお風呂代わりとなっているそう。
大切に保存されています
1930年(昭和5年)、高松宮宣仁親王が新婚旅行で四重渓温泉を訪れ、「四重溪清泉日式溫泉館」に宿泊しました。使用された浴室は、現在でもきれいなお湯が毎日張られていて、フロントにお願いすると脱衣場から参観できるようになっています。この「四重溪清泉日式溫泉館」の前身が、1896年に山口さんが建てた山口旅社。その後1898年、松原さんが四重渓の荒地でコーヒー栽培や温泉浴場の経営を始め、この一帯は「温泉村」と呼ばれるようになりました。
つまり四重渓温泉は「四重溪清泉日式溫泉館」から始まったとされているんです。
南洋ムード漂う「茴香戀戀溫泉會館」に宿泊体験してみました!
たくさんある旅館の中から、ナビは今回「茴香戀戀溫泉會館」に宿泊体験してみました。オーナーが自ら選んでいるという植物たちが元気に育ち、南国ムードたっぷり!そんな旅館の魅力はなんといってもプールのような大浴場!大人はもちろん子供も楽しめる施設がいっぱいです。
そしてここの温泉、とにかく湯量が豊富で質がいい!温泉は循環ろ過させず、源泉をかけ流していて、湯の花が浮いていたり、お部屋のシャワーからも美人の湯が出てくるんです。温泉で全身を洗えば、頭の天辺から足の爪先までツッルツルに♪シャワーのお湯が温泉というのはその湯量の豊富さを物語っているように思います。
スタンダードのお部屋はコテージ風。木の温もり溢れる室内は、優しい光が差し込んで、とても気持ちよく朝を迎えられそうです。備品は必要最低限のものは用意されていますよ。全室深くて大きい浴槽が2つ用意されている浴室があるので、お部屋でも思う存分温泉を楽しむことができます。
特別室ともいえるヴィラは3室。2人用のお部屋が2部屋、4人用のお部屋が1部屋です。どのお部屋も贅沢なつくりで、戸外と屋内どちらでも温泉が楽しめるようになっています。大浴場も楽しいけれど、こんなに充実していたらお部屋にこもりたくなっちゃいます!
雰囲気良すぎのヴィラゲート
お部屋の中に庭があるんですよ~!そしてそこで温泉に浸かれるのです!
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もちろん室内にもバスタブ!
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カップルならこんな♡型の浴槽を堪能する?!
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キングサイズベッド
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充実のハード面以上に、ナビが気に入ったのはスタッフのフレンドリーさと親切さです。会うたびににこやかに挨拶をしてくれたり、困ったことがないかなどさらりと聞いてくれます。台湾南部の人々の温かさを感じられるはずです。
茴香戀戀溫泉會館
屏東縣牡丹鄉石門村大梅路1-16號
(08)882-4900
http://www.fennel.com.tw/
ホテル内でも食事ができますが、せっかくここまで来たので、地元民に人気というレストラン「新興平價餐廳」にやってきました。名前の通り、値段はそれほど高くないのに、飽きのこないなかなかの味付け。なるほど、地元民がイチオシというだけあります。
情人淚
また、ここでは台北ではあまりお目にかかれない原住民食材もいただけました。今回いただいた「
情人淚」、見た目はワカメのようです。実はこれ、雨が降ったあとにだけ出現する珍味であることから、「恋人の涙」という意味のロマンチックな名前がつけられています(日本語訳はイシクラゲというようです)。ビタミン、リン、亜鉛、カルシウムなどのミネラルやたんぱく質を多く含み、認知症や夜盲症の治療にも効果が見られることから、近年養生食品としてじわじわと人気が出ているという食材。それ自体は特に味はしないので、タマゴとニンニク、そしてネギとさっと炒めていただきました。
飾らないけれど、お箸がどんどん進むおいしい料理の数々
そのほか、「溪哥魚」、蜂の幼虫、カタツムリなど……なかなか食べる機会のないものも普通に出てきてビックリ!でもどれもこれも抵抗なく食べられました。
「溪哥魚」あっさりで淡白な味の小魚である溪哥魚を油で揚げて、ガーリックフライにあえています。ごはんを掻きこみたくなります!
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「炒野生螺肉」カタツムリ炒め。もうそのままの形で出てきます。フランス料理だとエスカルゴとして高級品のイメージですが、野生と書かれていることから養殖したわけではなさそうです。コリコリとした食感がくせになります。
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「雞鵤刺養生湯」朝鮮人参のような味がして、身体に良さそう!
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これが雞觴刺!白い花を咲かせる植物なのですが、高血糖、高血圧、高血脂や肝臓の病気に効果があると言われています
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「山蘇小魚乾」ぬるっとした食感の山蘇を豆豉(トウチ)で炒めたもの。小魚の苦味がいいアクセントになっています!
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これが豆豉(トウチ)!
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「蒜香五花肉」ビールが欲しくなるような濃い味付け。噛めばじゅるりと脂の旨味が出てきてうまうま~♪
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「油煸」ショウガがいい味出してる!そして噛めば噛むほど肉の甘みが感じられる不思議料理!
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絶品タマゴ「紅仁鴨蛋」が食べられるレジャー農場「潘氏農場」
四重渓温泉街から徒歩で5分ほどのところにある「潘氏農場」。レジャー農場と聞いてやってきたのに、ただの民家のような佇まい!場所を間違えたかなぁとも思いましたが、中にはとてもエネルギッシュな潘旭煌さんが待っていてくれました。
潘旭煌さん
潘さん曰く、レジャー農場とは元々農場のことを知ってもらうために開放しているはずなのに、レジャーにフォーカスしたところが多くなってきているのが気になっている。少なくとも自分のところは、着飾ることなくありのままを見せたいということで、今の形になっているのだとか。藩さんは続けて言います。最近の消費者は自らの視覚、嗅覚、味覚、安さにばかりとらわれていて、最も大切な「
栄養」という部分を忘れています。
だから、添加物が多く、不自然な食品が作られるのは消費者の責任でもあると思うです。消費者のそういった考えを今一度考えてみて欲しいと考えています。
植物や動物が自然の営みと同じように育てる「自然農法」という考えから、鴨を放し飼いにしています。藩さんの鴨は寝る時以外は川を気持ちよく泳いでいます。このように自由に育ったハッピーな鴨たちが生む卵は、栄養価が高く、黄身がオレンジ色をしていることから「紅仁鴨蛋」と呼ばれ、今や四重溪を代表するお土産物になっています。
ちなみに抗生剤などを打たなくて病気などにならないのかな?と心配になりますが、ストレスなく育っているため、体内の免疫力が高く、自然の病にはかからないのだとか!すごい!
美しい色の黄身と透明な白身にうっとり♡
しょっぱくて直接食べるなんて無理だと思っていた鹹蛋。でもここのは自然な塩味でそのまま食べられる~♪
この美しい卵を「
鹹蛋(塩タマゴ)」「
皮蛋(ピータン)」「
溫泉蛋(温泉タマゴ)」に加工して販売しているのですが、ここでは「鹹蛋」のDIYを体験できます。一般的な鹹蛋の作り方は塩水に卵をつけて塩分を浸透させますが、こちらでは天日塩、四重渓の温泉水を加えた赤土につけます。時間はかかりますが、塩分がじっくりとしみこむことで、柔らかな塩味を感じられました。
ちなみに塩度は漬ける時間の長さで決まってくるので、自分の好みで取り出してくださいね。ナビは5日間漬けて、目玉焼きにしてみました。鹹蛋だから味付けも不要!野菜と一緒に溶き卵にして炒めたりするだけでもおいしくて、使い勝手がいい~♪なるほど、四重溪のお土産として人気が高いのもうなずけます!
塩加減の目安はこちらを!ちなみに南部は暑いということもあり、北部よりも塩分の高い鹹蛋が好まれるそう
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抜群の塩見加減だった目玉焼き
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潘氏農場
屏東縣車城鄉溫泉路47巷5號
(08)882-2437
DIYは200元/人(4名~予約可能)
https://www.facebook.com/PanShiNongChang/
このほか日本と台湾の歴史的なことを学ぶなら牡丹社事件の関係スポットを巡るという手もあります。これについてはほかの記事に詳しく書いていますので、そちらを参照してみてくださいね。