新北市の新荘~板橋~中和~新店を短絡する新路線!今後の延伸も待ち遠しい~!
こんにちは、台北ナビです。
2020年2月1日、台北メトロに新たな路線が開業しました。それが「環状線」です。鉄道ファンのナビも早速プレ開業中の1月末に乗り初めしてきました!今回はその模様をレポートします。
環状線とは……
今回開業した環状線ですが、計画では文湖線の動物園駅を起点に松山新店線の大坪林駅、中和新蘆線の景安駅、板南線の板橋駅、桃園空港MRTの新北産業園区、蘆州線の徐匯中學、淡水信義線の士林駅、文湖線の剣南駅、松山新店線と台鉄(台湾鉄道)の松山駅、板南線の永春駅、淡水信義線の象山駅などを経由して動物園まで戻ってくる計画全長49.2kmの路線です。
今回開通したのは第一期区間の新北市新店区の大坪林駅から新北市新荘区の新北産業園区駅まで15.4km。「今回開通したのはほんのちょっとじゃん」とお思いになるかも知れませんが、これまで新店、中和方面と板橋、新荘方面の間をMRTで移動しようとすると必ず台北市の中心部を経由していたため、今回の開通で所要時間の短縮と既存路線の混雑解消に繋がると期待されています。
しかも新北産業園区では桃園空港MRTに接続。駅にはインタウンチェックインが設置されていて、チャイナエアライン、マンダリン航空、エバー航空、ユニー航空を利用する際、搭乗便出発の3時間前までチェックインができます(2020年2月現在)。荷物を運ぶ手間が軽減されるのは楽ですよね!そして逆に、桃園空港から台湾に入国した場合、ここで乗り換えれば板橋や烏来の玄関口である新店へとスムーズに行けるのが便利です。
現在のところ、ラッシュ時は4~7分間隔、オフピーク時は5~10分間隔で運行し、大坪林―新北産業園区の所要時間は31分です。環状線がない時は松山新店線と桃園空港MRTを乗り継いで40分以上かかっていたので、時間短縮が実現しています。カーブの多い中和区中心部や板橋駅周辺ではかなりゆっくり走りますが、その他の区間ではまずまずの速度で駆け抜けます。これまで公共交通手段がバスしかなかった沿線エリアでは渋滞しらずのMRTが出来たのは画期的なことです。
これが環状線の車両だっ!
環状線の車両はこちら。第1編成と第2編成はイタリアで製造されました。スタイリッシュで格好いい~♪ちなみに環状線のラインカラーはイエローで、白い車体に良く映えて明るく清々しさがあります。
1編成は4両編成。ひとつの車両には3カ所にドアがあります。板南線や中和新蘆線などの車両に比べると小さい車両ですが、文湖線の車体と比べて、長さも幅も広く、窮屈感はありません。
青色は優先座席です。台湾では席を必要としている人に譲る習慣が根付いています。真似したいですね。
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文湖線と比べても広々としています
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キャリーケースなどが置けるスペース
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車椅子やベビーカースペースもあります
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乗り換えには余裕を持って
まさかと目を疑った最大地下6階~地上6階の移動が伴う景安駅の乗り換え
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エスカレーターや階段の昇り降りは安全に注意して
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環状線は放射状に伸びる既存の路線との乗換駅が多く、一見利便性が高いように見えるのですが、大きな落とし穴があります。それは、乗り換えに時間がかかる駅が多いということ。
特に景安、板橋、新埔(新埔民生)、頭前庄の各駅は、高架⇔地下という移動が必要になり、長いエスカレーターや階段を昇り降りする必要があります。
改札外乗り換えとなる板橋、新埔(新埔民生)駅では乗り換えにルールがあるのでご注意を
また、板橋、新埔(新埔民生)では改札外での乗り換えとなり、外を歩かなければならないルートもあり、悪天候や荷物の多い際には注意が必要です。
実際に景安と板橋で乗り換えをしてみたところ、ゆっくり歩いて10分近く掛かってしまいました。エスカレーターや階段を使う場面も多く、安全のために時間には余裕を持って移動しましょう。
それと、改札外での乗り換えとなる板橋、新埔(新埔民生)での乗り換えは、
20分以内に完了する必要があります。そして、悠遊卡や一卡通のようなICカードではなく、
トークンで乗車されている場合は、黄色に塗装された乗り換え用の自動改札機を通ってください。そうしないとトークンが回収されてしまいます!
鉄道ファン的見所は?
さて、環状線の路線図を見てみると、沿線には住宅街ばかりで観光スポットが少ない……。利用頻度は今のところそこまで高くなさそう……。でもでも、環状線に乗るだけでも地味に楽しめるポイントが幾つかあるのでご紹介します!
【①:前面展望が楽しめる】
環状線は文湖線と同様に無人運転です。なので先頭車両では前面展望が楽しめます。防音壁が設置されているところがほとんどなのですが、一部区間では目の高さの部分が透明になっていて、街の様子をながめることが可能です。文湖線とは違った迫力があるのでぜひかぶりついてみてください。
既存の高架道路の上に建設された環状線の線路と駅
【②:街を縫うように作られた高架区間】市街地を縫うように建設された環状線は、既存の構造物を避けるようにかなりの難工事の末に開通しています。
秀朗橋~景安、中原~板橋、新埔民生~頭前庄では、既存の高架道路の上下線の間に支柱を立て、その下または上に線路を通すという曲芸的なことをしていて、うねうねと伸びる線路を見ているととても楽しいです。建築に興味のある方、ジャンクションマニアの方はぜひ観察してください!笑
また、景安~板新間は地上の道路幅が狭いので、内回りと外回りが上下に重なる2層構造になっていて、中和駅などはさながら京急線の蒲田要塞のよう。設計した人や工事をした人の苦労がうかがえます。
上に高架道路。支柱の間を縫うように環状線は走ります
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中和駅周辺の二重高架部分。かなりの急カーブをフランジを軋ませながら走行します
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大坪林駅
【③:駅がアートスティックでお洒落】大坪林はイエローとグリーンのタイルやアクリル板で装飾されていて不思議なムードが漂うほか、板橋駅はパステルカラーの壁画があり、とてもカラフル。無機質になりがちな駅が生き生きとしています。写真映えもするスポットなので乗車記念に撮影してみてはいかがでしょう~?
新北市中心部の南側と西側がぐっと近くなった環状線の開通。板橋の林家花園を見学した後に新店の碧潭でボートに乗ったり、烏来に温泉に入りに行くなんてことが気軽に出来ます!そして、これからも少しずつ延伸されていく予定なので、ぜひ今後の動向にも注目してくださいね。
以上、台北ナビがお伝えしました。