林本源園邸・林家花園 (板橋)

The Lin Family Mansion and Garden林本源園邸

閉店・移転、情報の修正などの報告

100年以上の歴史的建造物を見学して、日常からタイムスリップ!

こんにちは、一青妙です。
新北市板橋区にある国定古蹟「林本源園邸」にきています。総統府・司法院・台湾銀行・国立台湾博物館など、台湾の日本統治時代に建てられた建造物の数々は、いまでもとても良い保存状態で残っています。それとは対照的に、清朝末期時代の建物で保存されているものは数少なく、とても貴重です。映画に出て来そうな中国建築を是非一緒に堪能しましょう!
一面の塀

一面の塀

意外に地味な入り口です

意外に地味な入り口です

塀の向こう側

台北駅からMRTで6駅目の「府中」で下車。良くある台北の街中の風景を歩くこと約10分。見えて来たのは一面の塀。なんだろうなと思って近づくとそこが「林本源園邸」。
受付の横に見学時間と状況が出ています

受付の横に見学時間と状況が出ています

まず邸宅見学のチケットをゲットしましょう!

まず邸宅見学のチケットをゲットしましょう!


アーチの門をくぐると、受付です。台北県の古蹟に指定され、1987年より一般開放。かつては一人100元の入場料が必要でしたが、現在は無料。また有料になるかもしれないので、今がお得な時期かもしれませんね。
ガイドの簡さん。とっても優しいですよ!

ガイドの簡さん。とっても優しいですよ!

綺麗に整備されている園内です

綺麗に整備されている園内です


本日私を出迎えてくれたのは日本語ガイドの簡さん。彼女をはじめ、ここには合計8名のボランティアの日本語ガイドさんがいて、庭園のガイドをしてくれます。8名のうち、日本人は1名で、他は全て台湾人。でも、皆さん流暢な日本語を話せるみたいだから安心ですよ。

受付の右側にあるのは林家が住んでいた邸宅で、左側が林家の庭園です。
庭園は国が管理しているので、開園時間内ならいつでも自由に見ることができますが、邸宅の部分は林家が管理しているため、自由開放ではなく、見学時間が決められています。一日5回、一回の見学は定員30名。結構人気があるので、早く行かないと当日見れないなんてことにならないよう、まず着いたら見たい回の見学予約をすることをお勧めします。邸宅のガイドは、その時に集まった見学者が一番メインで話す言語で行われます。
今回はまず庭園の見学をして、それから邸宅の見学予定で出発です!

林家花園〜ようこそ秘密の花園へ〜

真面目に見学スタートですよ!

真面目に見学スタートですよ!

1区「方亭」

まずは庭園の見学からスタート!
手入れの行き届いた垣根のと舗装されたコンクリートの細長い道を歩いていくと、その昔、運動や芸をしたあとの休憩場所として使用されていた「方亭」がまず現れます。ちょっと座ってガイドさんのお話を聞きましょう。
庭園は9区域に別れていて、ざっと見て回るだけでも最低約1時間かかると聞いてびっくり。ちょっと見た感じだと、そんなに広く感じませんでしたが、実は6054坪もあるんですって!建物全体が見えないよう、色々な工夫が施されて庭園全体が造られたので、その広大さは歩いてみないと実感できないそう。まだ歩き始めたばかりなのに、全部見きれるかちょっと心配になってきました…。

2区「汲古書屋」

方亭の右後ろにあるのが“古い智慧を汲む”という意味の書庫。ここには昔、1000巻以上の書物がありました。林家の祖先は中国大陸の福建省からきているので、建物の屋根は、南洋建築の影響を受け、特徴有る半円筒状に建てられています。
雨戸を開けたり閉めたり

雨戸を開けたり閉めたり

パラパラめくってみてね!

パラパラめくってみてね!

現在書物はもうここにはありませんが、建造物を説明したパネルが中に置いてありました。
方鑑齋を囲む深い緑色が美しい池

方鑑齋を囲む深い緑色が美しい池


3区「方鑑齋」

桃源郷の意味

桃源郷の意味

書庫の左側から続く暗くて細い回廊を歩いていくと、その先光がえてきます。目の前に広がるのは、まるで桃源郷のような四角形の見た事もない翡翠色をした美しい池。池には鯉や亀が泳いでいました。この池を挟んで両端に休憩できる場所があります。そこは林家の兄弟が本を読んだり、詩を吟ずる場所だったとか。
方鑑齋水院の山や橋、回廊 方鑑齋水院の山や橋、回廊 方鑑齋水院の山や橋、回廊

方鑑齋水院の山や橋、回廊

その他、池の周りにはお芝居を演ずる舞台やお芝居を見る場所、精巧な彫刻が施された橋(隠居橋)、回廊がありました。
復刻されたもの

復刻されたもの

この回廊の壁には昔の有名な書家が書い文字が刻まれていますが、オリジナルは老朽化のためはっきりと見えません。復刻されたものは青い字で見えます。

4区「來青閣」

庭園内で最も華美で最高の建築物がこの2階建ての「來青閣(来青閣)」。VIPのお客さんが泊まる場所です。2階は四方を開け放すことができ、そこから周囲を眺めると、緑の野山が目に飛び込んで来る事からこの名前が付けられたとか。(現在は観光客が多く、建物老朽化のため、2階に上がることは残念ながらできません)

1階の天井の真ん中には鶴、その周囲に4匹のコウモリがあって、中国語読みをすると福が授かる「賜福」という意味になるんですよ。おめでたいですよね!
建物の中は、細部迄凝っていて、当時使われていた来賓用の椅子や机の復刻版が陳列されています。
「福」を示す壺です

「福」を示す壺です

「平安」を示す花瓶です

「平安」を示す花瓶です

來青閣を囲んでいる壁には壺など様々な形をした透かし窓があります。中国語で「壺」は「福」と同じ読み方です。
幸運のモチーフ 幸運のモチーフ

幸運のモチーフ

庭園内の建築物の細部を見て行くと、このような幸運を呼び寄せるものをモチーフとしたものが沢山ありますよ。信心深い中国人らしいですよね。
ちょっと疲れたから舞台の椅子で一服!

ちょっと疲れたから舞台の椅子で一服!

來青閣の向かい側には「開軒一笑」という額が掲げられている小さな舞台があります。大衆向けでなく、來青閣に泊まったVIPや林家の家族が見るための舞台だから、こじんまりとしています。


「横虹臥月」

來青閣の先の橋は「横虹臥月」。形が横たわった虹や月のように見えることから名付けられました。橋の下には洞窟のような秘密のトンネルがあり通行できます。子供達のカクレンボに適した格好の場所ですよ!
歩くだけでワクワクしてきます。 歩くだけでワクワクしてきます。

歩くだけでワクワクしてきます。

この橋によって、庭園は大きく前後2つに分かれています。庭園内を一望できないよう、このような建造物で視覚的な隠蔽効果を出すのは、中国式庭園の常套手段だそうです。奥が深いですよね。橋の下を歩きながら北に向かうと次の場所に出ました。

5区「香玉簃」
面積がそれほど大きくないこの建物は、林家の人々がVIPを招待し、お花の鑑賞をしたり、休憩をするための場所。目の前には花を植えるための敷地があり、当初より、四季折々に合わせた花々が植えられてきました。特に秋に咲く菊は見ごたえがあり、素晴らしいものだそうです。
中央にそびえ立つ大きな木はマンゴーの木です。マンゴーの季節には緑色の実がなるそうですよ!
周囲の壁は空かし窓となっていて、桃や銭挿し、壺などがかたどられていました。
意味はそれぞれ

桃=壽•長生きのこと
銭挿し=お金持ち
壺=福

この香玉簃の後ろの建物はお手伝いさんが住む場所なんですって。

?!「檻」?!
マンゴーの木が植わっている中庭を抜けると、ガジュマルの木の根に囲われた今は空の檻と孔雀を飼っている檻「梅花亭」がありました。林家の人々は、植物だけでなく孔雀と猿などの動物も飼っていました。ちょっとした動物園みたいですね。

6区「月波水榭」

池の中に建てられた橋を使って渡る2階建ての四角形の建物。でも老朽化のため、普段は2階まで上がる階段を使う事はできず、中秋節などの特別な期間のみ開放されています。ここから眺める月はとても美しく、水面にも月が映し出されます。人とちょっと違ったお月見ができるので、時期があったら絶対に行く価値ありだと思いますよ。

7区「觀稼樓」
來青閣より小さな2階建ての楼閣建築の觀稼樓(観稼楼)。
林家の人々が2階に登り、周囲の田畑を耕す農民を見て、改めて働くことの大切さを忘れないようにすることからこの名前がついたとか。この建物を囲む壁には果物が透かし窓のモチーフとなっています。

瓢簞(福)
金瓜=南瓜(禄)
桃(壽)
ザクロ(喜)

お土産屋さん
庭園内にはお土産屋さんもあって、ぬいぐるみ、Tシャツのような一般的なものから、林家の歴史を書いた本、ポストカード、邸宅の写真(見学時の写真撮影不可)付きの解説本なども売っているので、より詳しく知りたい方はここで購入する事ができます。
ここで偶然にも唯一の日本語ガイドの日本人・岡部三智男さんと会う事ができたので、本日のガイド・簡さんと一緒に記念写真!


8区「定静堂」

以前林家がVIPを招待して宴会を開いた場所。つまり、ご飯を食べる食堂ですね。100人以上入ることができる四合院造りの園内最大の立派な建物です。
門が三重になっていて、一般のお客様には最初の門しか開けず、VIPになると3個の門が全て開かれて招き入れられる仕組みになっています。部屋は仕切りがない大空間で、中庭があります。中には当時の林家の集合写真などが展示されていて、当時を彷彿することができました。
正面の壁には八角形と六角形のレンガ。それぞれ魔除けの八卦と長寿を意味する亀を表しています。 正面の壁には八角形と六角形のレンガ。それぞれ魔除けの八卦と長寿を意味する亀を表しています。

正面の壁には八角形と六角形のレンガ。それぞれ魔除けの八卦と長寿を意味する亀を表しています。

左右には円形の門があり、ちょっと離れて見ると、2つの丸が遠近法によりなんとも言えない不思議な景色が眺められます。

9区「榕蔭大池」
いよいよ最後の区域。周囲に植えられた榕樹(ガジュマル)の影が大きな池に映り込むことから名付けられた場所。いくつかの休憩場所があり、池でボートを漕いだりして遊んだあとに、ゆっくりしていたそうです。なんとも優雅ですよね。
池をぐるっと一周して辿り着いたのは庭園の出口。出口には「板橋別墅」=「板橋別荘」という看板が掲げられています。


林家邸宅〜清朝時代にタイムスリップ〜

私が参加した回は殆どが台湾人のため、中国語でのガイド。邸宅内での写真撮影は厳禁。外側の庭園部分から外観のみ撮影できます。門を開けてもらいガイドさんに連れられて邸宅のある塀の中へ。静寂の中、歴史を感じさせるが「三落大厝」が静かに佇んでいました。
邸宅は素晴らしい清朝時代の四合院。まるで映画のセットの中に迷い込んだよう!
邸宅の写真を撮る事はできないので、その美しさを伝えられないのがとても残念。機会を作って、是非自分の目で見て下さい。また、雨の日は、「建物の屋根にある獅子の口から流がれ落ちる雨水がその下にある水瓶に流れこむ」という珍しい光景が見れます。約1時間かけて、ガイドさんの解説と一緒に邸宅をぐるっと一周見学しました。

林家の歴史

1778年 林家の祖先が福建省漳州からきて、淡水(現在の新荘)に居住。
1818年 2代目の林平候がに大嵙崁(現在:桃園)で商人として米や塩を扱い財を成し、一大貿易商となり、
       それを元手に土地を買収、田畑を開墾し台湾一の富豪となる。
1847年 板橋に邸宅を建設し始める。
1851年〜1853年
       5人の息子のうち2人国華、国芳が力を合わせて三落大厝(屋号:本記)を建立。
1888年 その息子が三落大厝の後ろに五落大厝(屋号:源記)を建立。
       (今その部分の土地は売ってしまい、マンションになっている)
1893年 庭園ができ、その後、名前を合わせて「林本源園邸」と名付けた。

邸宅と庭園を造るのに40年の年月をかけて、その総工費は銀50万両(当時台北城の建築費は銀20万両)にものぼったと言われています。

周辺散策

林本源園邸の出口から一歩外にでると現代に逆戻り。右手に道なりに進み一本目の道を右折すると、いきなり現代の台湾の街の風景が広がっています。「文昌街」は道端で果物や野菜が売られていて、青空床屋さんに座っているおじいちゃんや顔の産毛を取っているおばあちゃんがいます。
更に進むと「茶館街」の道標。その昔、林家がお茶の葉を取引して、沢山のお茶屋さんがここにあったからこの名前がつきました。
そのまま茶館街を行かずに直進すると市場が現れます。市場には必ず面白い光景が広がっていますよね。ここの市場は大きくはないけれど、美味しくて有名な屋台があるそうですよ!
突き当たりには「慈恵宮」というお寺があり、そこには林家が寄贈した柱が見れます。その他にも林家が建てた「大観書社」(文章帝を祭っている孔子廟)や「接雲寺」が近くにあります。林本源園邸の周囲には色々と林家と縁のある場所があるので、次回は時間を取ってゆっくりと回ってみたいと思いました。


〜林家が建てた建造物〜

林本源園邸の周囲には上記のようにいくつもの寺院が林家によって建てられています。
昔、この辺りは漳州人(板橋の林家が当主)と泉州人(萬華や新庄一帯)の人々が交わる所で、争いが絶えませんでした。これらの建造物は争いで命を落とした人々を祭り、両方の人々が気兼ねなく集まり、信仰を深め、学問を学べる所として林家が建てたものです。

板橋行脚というHP。中国語表記しかありませんが、板橋地区の観光スポットがまとまって紹介されているので、興味のある方は覗いてみて下さい!

五大家族

台湾には事業にとても成功した富豪が一族が5つあり、それを総称して「五大家族」といわれています。今回訪問した林本源園邸はそのうちの一つである「林家」の邸宅と庭園。見ただけでその栄華を感じとることができます。
私の実家「顔家」も実は台湾五大家族の一つのです。その昔、台北から北の基隆一帯に広大な土地を持ち、林家花園と同じくらいの邸宅と庭園があり、日本の天皇が台湾に行ったときはそこに泊まったと聞かされていました。でも、今は全ての土地が政府に徴収され、見る影もありません。「林家」のように、その一部が今少しでも残っていたらどんなに良かったのかと思うと残念で仕方ないです。観光に歴史を感じさせる場所が時に入ると、ちょっと気が引き締まり良いものだなと思いませんか。

記事登録日:2010-11-22

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2010-11-22

スポット更新日:2014-09-24

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