芸術と文化の町「台中」を代表するこの博物館では、丸一日かけて台湾の自然・文化・科学を体験学習できます!
こんにちは、台北ナビです。台湾中部の台中といえば、芸術と文化の街として有名ですが、その文化科学の面を代表する台中人ご自慢のものが、「国立自然科学博物館」です。
高速道路のインターから台中市内を東西に貫通する中港路を西に行き、金典酒店を過ぎたあたり、道路なのに、緑豊かな公園地帯が南北に伸びています。ここは台中市民が憩うグリーンベルト(緑園道)。この北の端にあるのが、国立自然科学博物館で、ここから週末や祭日に、さまざまなイベントが行われるグリーンベルトが南へ続き、市民広場を過ぎて、南の端は、国立美術館とレストランエリアになっていています。
博物館は入口が館前路(南)と西屯路(植物園、団体バス駐車場)の2箇所。ナビは、グリーンベルトのある南側からはいりました。目の前には近代的で巨大な建物。右側が、「太空劇場(スペースシアター)と科学センター」の建物があり、左側が「生命科学館、人類文化館および地球環境館」の建物です。2つの建物は、真ん中の上部、結ばれていますが、見学者は通行できないので、いったん出てから、再入場となります。この建物の北側、西屯路をはさんで、ガラス張りのドーム型が目印の植物園になり、公園部分も含めると、87000㎡もの敷地です。
自然科学の原理と現象に関し、一般の人々の関心と興味を引起し、学校教育の目標を達成するよう協力し、長期にわたる科学技術発展の基礎になることを目的として、1981年から建設が始まり、1993年に現在の規模で開館。台湾で唯一の国立の自然科学に関する博物館です。
堅苦しいイメージのある博物館ですが、広く自然科学へ関心を持ってもらうために、いろいろお得なサービスがあるんです。
なんと、
①毎週水曜日の午前10時までに入館すれば、展示場、科学センター、植物園が無料です。
②パスポートなどの身分証明書を提示すれば、6歳未満、65歳以上の方が無料です。
③日本語音声ガイドの機械が借りられます。
以前は日本語ボランティアによるガイドサービスがありましたが、2019年現在は
原則として行っていません。
土休日には中国語によるガイドサービスがあります。
☆ 1階:総合インフォメーションカウンターまず、こども達に大人気の「科学センターとスペースシアター」から案内します。この科学センターのみの入場は、20元なので、時間があまりない時は、ここだけでも行ってみる価値ありです。また人気のスペースシアターは別途100元かかります。放映プログラムは、ホームページで確認してください。
*90センチ以下のお子さんは入場できません。
☆ 地下1階:「科学探索展示エリア」
科学センターの特徴は、こども達が科学に興味を持ち、理解を深めるため、見たり、聞いたり、触れて動かしたり、実際に科学の仕組みを体験できるものがたくさんあることです。
☆ 2階:台湾積体電路(半導体製造企業)による電子、半導体のコーナー
土日、休日には、新竹にある会社から、従業員の方がボランティアで、説明をしに来るそうです。同じフロアには、喫茶店もあります。
☆ 4階:「物質世界エリア」
力学、電磁学、音響学、化学と熱学、近代物理学、光学の6分野に関する内容を、いろいろな装置を使い、紹介しています。科学アレルギーの人でも楽しんで学べそうです。
なるほど、こういう原理だったのか、と小学校で習ったことも、ここで実際操作してみると、遠い記憶がよみがえって、しばし、童心に戻って、科学遊びをしていました。いまの子供たちは、こんなふうに科学を勉強できるなんて、ほんとうにうらやましいことです。今日も台湾中から集まった子供たちが、ここで元気に科学に触れ合っていました。もう彼らには、遊園地状態。
☆ 「生命科学ホール、人類文化ホール及び地球環境ホール」
この博物館で一番大きな建物は、中は屋外楕円形広場になっていて、それを取り囲むように、南、西、北に3つのテーマエリアがあります。
続く「生命の起源」のエリア。ここに坐って前にある火山爆発の模型を見ていると、5分毎に火山爆発の様子が再現され、生命が誕生するきっかけを紹介します。さて火山が爆発するときには一体何が!!
この博物館のいちおし展示が、「恐竜」コーナーです。本物の化石も収集していますが、人気は、コンピューター制御で動く恐竜の親子。なんとなく微笑ましい。それを2階から眺めるのが、葉っぱの服を着ている恐竜のおっさん。3分間に1度、現代の環境破壊を嘆きぼやいてます。ちょっと耳を澄ませて聞いてみましょう。
南側2階にはマクドナルドがあります。ここに行きたいときには、必ず入場券が必要です。散策に疲れたら、おなじみの味で、ほっと一息。
「生命科学ホール」(北側)
ここには、鳥瞰劇場(1階)、環境劇場、SOS劇場(地下1階)があり、無料です。放映時間、プログラムは、ホームページで確認してください。同じく3D劇場もありますが、別途入場料がかかります。ここだけの参観の場合は、外の入り口からの入場です。 http://www.nmns.edu.tw/nmns/03theater/
1階には、いろいろな顕微鏡で見た世界のコーナーがあり、生きている生物を撮影機を通してみることができます。自分で顕微鏡のレンズの位置を移動させることもできる優れものです。ミクロワールドも、なかなかおもしろそうです。
中国医薬エリアにある、「人体ツボ経絡模型」。どうやって人体に、こんなツボがあることがわかったのでしょうね。ナビも、体の調子が悪いと、自分でツボ押してますが、これが、けっこう効くので不思議ですよね。
2階の、「漢民族の精神世界」には、高雄にあった廟が、新築される際、古い廟の屋根の部分を博物館が購入し、ここに展示されています。屋根と天井部分だけで、線香の煙や賑やかな飾り、お供え物が無いので、あっさりした感じですが、上を見上げると、精緻な彫刻が施されていて、廟のかつての賑わいを彷彿させてくれます。床部分には、間取りが書いてあります。廟の進行方向は、右側(龍の口)から入り、左側(虎の口)から出るのが決まりです。そうしないと、厄落としができないどころか、悪いものがくっついてくるかもしれませんよ。ここの部分は、王爺を祀った廟。この後ろ側には、道教世界の展示があり、鄭さんが、10丁目までの「地獄絵」一枚一枚、細かく説明してくれたので、とても印象に残りました。道教では、こういう絵を見せて、悪い行いをすると、地獄でこういう目に遭うんだと教え諭したんですね。内心、ナビも日ごろの行いを反省していました(汗)
「台湾南島語族」のコーナーでは、「パイワン族」の石造りの住居と美しい模様のある船を再現。パイワン族の頭目は、太陽の子とされ、彼らの祖先は太陽で、その物語を書いた石のレリーフが住居の前にあります。生活道具なども飾ってあり、その生活の一部を紹介。家族が亡くなると、家の中に葬るのも独特の風習。
台中での時間があまり無いという方は、この「人類文化ホール」だけを見るのもおすすめです。中国や台湾の歴史文化などがよく理解できます。
地下1階には、「太平洋(大洋)州/オセアニア」のコーナーがあります。階段を下りて曲がった先、緩やかな坂、足元を見ると波が砂浜に打ち寄せているではないですか。少し不思議な感覚です。台湾の原住民ともかかわりの深い「ポリネシア」「ミクロネシア」「メラネシア」の3つのグループに分けて文物を展示しています。ここのエリアは撮影禁止です。
■ 「植物園」
北側のゲートから出て、道路を渡り、植物園へ向かいます。
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植物園エリアも、かなり広大です。公園部分は自由に散策できます。
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大型バス駐車場の前にある「サイフォン式水時計」。
ガラスでできた大きなプリンみたいな形の「熱帯雨林温室」。この前にある大きな蝶の模型は、「珠光鳳蝶」。台湾は世界有数の蝶王国。しかし、乱獲や環境破壊によって、多くの蝶が絶滅の危機にあるそうです。この「珠光鳳蝶」も、絶滅危機品種に指定され、手厚く保護されています。自然科学博物館の「スペースシアター」と人気を二分するオブジェ。
■ 「雨果屋」
コーヒーから中国茶、軽食など。テーブル席や水槽の前でゆったりと時間を過ごせそうです。
「熱帯雨林温室」の中にある展示スペース、飲料やグッズの販売。植物園の中は、熱帯雨林植物に適した環境なので、当然蒸し暑く感じます。半地下奥にある「雨果屋」はクーラーがきいているので快適です。
このカエルちゃんの見ている先には、悠々と泳ぐアロワナ。この水槽の前に坐れるベンチがあるので、ここで売っている飲物を飲みながら、のんびり眺めるのもいいですね。アロワナ(象魚)とピラニア(食人魚)水槽の餌付けショーも定期的に行われています。HP上でチェック!
自然科学博物館には大きな芝生の庭があり、朝夕には多くの市民が訪れて、運動や散歩を楽しみます。館内には研修を受けたボランティアさんたちが、場所の案内やお客さんの世話、館内の運営補助をされています。わからないことがあったら、積極的に尋ねてみましょう。
入場料金:
展示場 100元 科学センター/熱帯雨林温室、館内のSOS劇場、鳥瞰劇場、環境劇場も含む
科学センター 20元 科学センターのみ
熱帯雨林温室 20元 熱帯雨林温室のみ
スペースシアター100元 プログラムは2本立て(2本の上映時間は異なります) ※90CM以下のお子さんは入場できません。
3D劇場 70元 プログラムは2本立て(2本同時間に上映)
以上、台北ナビでした。