卡地布生活文化園区(台東市)

卡地布生活文化園区區

閉店・移転、情報の修正などの報告

「卡地布」とは、卑南(プユマ)族の言葉で、「一緒に」「団結」という意味です


こんにちは、台北ナビです。
今台東県の知本に来ています。
ここを本拠とする卑南(プユマ)族は、台湾原住民の種族の一つで、台湾台東県に属する知本と南王の社(いわゆるグループ)に分けられます。
人口は1万人前後、台湾原住民の総人口のおよそ2%余りで、6番目に大きな種族にあたり、固有の言語であるプユマ語を持っています。

卑南(プユマ)族について

プユマ族は、帝国制に似た制度を持っていて、かつて知本社の勢力が一番大きかった時は、近隣のプユマ部落(利嘉、南王らなど)やアミ族、ブヌン族から、貢物を受けていました。その後彼らの勢力範囲は、知本(南部)と南王(北部)の2グループに分かれますが、清の時代にはプユマ族の勢力は花蓮港まで拡大しました。プユマは、人口は少ないのですが、昔から交通の要所に集中していたため、外部との接触が早く、外来文化の受け入れも速かったと言われています。
彼らの祖先は、オランダ人が侵略してきた台湾初期 (1641年左右)には、 知本の海辺沿いに住んでいましたが、その外来文化の吸収力と適応性が他族より優れていたことから、大きな衝突はありませんでした。卑南郷は、オランダ統治時代には「Pimala」と呼ばれました。「卑南」の由来は、プユマ語で「最高の尊称」を意味する「Puyuma」なのです。
1980年、台湾鉄道東線に卑南(現在の台東)駅が建設された時、地下から大規模な遺跡が発見されましたが、それが「卑南遺跡」です。台湾先史時代の遺跡では最大級のものとなり、大型集落の跡からは、数千人分もの墓石棺が見つかりました。台湾政府はこれを高く評価し、この地に「台湾史前文化博物館」と「卑南文化公園」を設立しました。

「台湾山地人祖先発祥地」

今回ナビたちは、「卡地布」の原名である「知本」にいます。
知本といえば、知本温泉で知られる、その知本です。
ナビたちがまず向かったのは、プユマ族が最初に降り立ったという場所に立てられた祖先の墓の前。ここはプユマの初代の兄妹たちが眠る場所だと言われ、ここでまず取材に来ましたというご報告と取材許可のお願いをしました。
プユマ族の言い伝えによると、当初5人の祖先は、台東の美和村のpanapanayanのところから上陸(知本ではRuvaan、南王ではpanapanayanと言う名前)。中華民国49年に、知本社と建和社が、美和村の道路側(台9線・395㎞)に「台湾山地人祖先発祥地」の記念碑を建立しました。
知本社の言い方では、当時上陸したのは5人のうち女性2人、男性1人。名前は索加索加伍、派魯伍と立加索。3人は上陸後、子孫繁栄を始めます。また、人間は、石生まれと竹生まれの2つの人種に分かれるということで言葉も多少異なり、南王は竹生まれ、知本が石生まれとしています。
ナビは、お寺や廟なども撮影する前に、手を合わせることにしています。取材が順調にいきますように、撮影させていただきます、とお伺いを立ててからカメラを向けるのです。ここでも同じ行為を行い、その後、車でプユマ族の教会へ向かいました。
兄妹が植えたと伝えられる竹もあります、抜いてはいけません

兄妹が植えたと伝えられる竹もあります、抜いてはいけません

お参りしてから、米酒も注ぎました お参りしてから、米酒も注ぎました
お参りしてから、米酒も注ぎました お参りしてから、米酒も注ぎました

お参りしてから、米酒も注ぎました

原味天主教教会


プユマ族のカトリック教会は、1956年設立。
広場の壁には、プユマの祖先がどのようにしてこの地に降り立ったかがくわしく紹介されていました。5人の兄妹は、嵐の中、台東の美和村に上陸、暗かったので兄が太陽に、姉が月に成りました。先ほども紹介したうち3人の兄妹は、人を探しに旅へ出ます。
妹の1人は、ある村に残り子供を生みます。この子がパイワン族の祖先と言われています。パイワンとルカイ、プユマは、その習慣や文化、言語、衣装などに似通ったところがあるのはそのせいらしいです(と、口述神話中では言われています)。
残った血が繋がった2人が結婚すると、魚や鳥が生まれ、太陽になった兄に相談すると、魚は河へ、鳥は空へ放つように言われました。ある日、きれいな色の石が生まれ、この中から子供が出てきました。
教会は台東市知本路にあるので、まさに知本社の神話といえます。
嵐で台湾上陸

嵐で台湾上陸

お兄さんとお姉さんは太陽と月になってくれました

お兄さんとお姉さんは太陽と月になってくれました

3人は放浪の旅へ

3人は放浪の旅へ

妹を1人大武山に残しました

妹を1人大武山に残しました

2人は竹を植えます

2人は竹を植えます

魚や鳥が生まれました

魚や鳥が生まれました

太陽お兄さんに相談したら

太陽お兄さんに相談したら

きれいな石が生まれ

きれいな石が生まれ

中から赤ちゃんが!

中から赤ちゃんが!


さて、教会の中に入ったナビたちは、驚きました!
なんと世界遺産に登録されてもいいくらいの素晴らしい教会で、荘厳な空気が流れています。
プユマの建築技術は見事で、高い天井も特徴的。
内部にある椅子はすべて手作りで、プユマ族の顔の彫刻が施されています。
キリストやマリア様もプユマの神様という味が出ていました。
祭壇上のプユマの模様が組まれた布は、長老の男性が編んだそうです。芸術方面では、近隣のパイワン族の華麗な文化と違って、プユマ族は最も繊細な刺繍と布を織ります。布の製作にはかなりの手間と時間がかかります。漢民族の刺繍を導入してからは、伝統な布の織り方も変化し、複雑な刺繍も開発しました。最も有名なのは、十字刺繍法で、人踊りの文様はプユマ族独特のものです。

教会というおごそかな空間の中に、しばし静かに座ってみました。

プユマの人は、歌の上手な人が多く、代表的な歌手にアメイやサミンガがいます。彼女たちもこの教会で賛美歌を歌ったのだろうか。日曜日の朝に教会の隅っこでもいいから、皆が歌っている様子を見たいなあ、どんな歌声がこの美しい内部に響き渡るのだろうなどなどと、ナビは思い描きました。
募金箱

募金箱

刺繍に注目

刺繍に注目

プユマ族の神様みたい

プユマ族の神様みたい

入口には、粟が飾られています

入口には、粟が飾られています

素晴らしい彫刻

素晴らしい彫刻

目を見張ります

目を見張ります

壁の彫刻や絵にもご注目ください

壁の彫刻や絵にもご注目ください

ずっと座っていたくなります

ずっと座っていたくなります

原味天主教教会
住所:台東市知本路三段331巷15号 
開放時間:9:00~17:00(日曜日は9:00~ミサがあり、一般の人も入れるそうですが、事前に電話:(08)951-6712をして、その日は入場可能かどうか確認が必要です)

卡地布生活文化園区


ここはプユマ族の人たちの様々な行事が行われる広場で、緑が美しい広場の遥か向こうには美しい山々がそびえています。
入って左の建物は、宿泊設備も備えています。
そして、3つの祖霊部屋。いわゆる巫師部屋で、プユマの巫師は常に3人いて、各部屋の前に名前が掲げられています。
プユマの信仰は汎霊信仰で、彼らは万物すべてに霊があることを信じています。プユマ族の巫師は女性に限り、知本でbulingow、南王でtamaramauと言います。かつて近接するパイワン族とアミ族は、プユマ族の巫師の魔法をとても恐れていたそうです。巫師は占い、魔法使いと儀式を導く能力を持っていて、巫術には、人を害する黒巫術と人を治療する白巫術があります。
プユマ族の祭事は、常に作物の収穫時間で決められます。例えば、粟の収穫を祈願する豊年祭、7月の粟の収穫祭、12月末の大狩猟祭、猿祭と除喪祭。年中に干ばつが発生したら雨祭事の行事も行います。
巫師の名前は、Mavaliw、Ruvaniyaw、Pakarukuの3名です 巫師の名前は、Mavaliw、Ruvaniyaw、Pakarukuの3名です

巫師の名前は、Mavaliw、Ruvaniyaw、Pakarukuの3名です

会所の中には何が…?

会所の中には何が…?

プユマ族の社会は、頭目制度と男子会所による年齢階級組織が混在した母系社会ですが、アミ族のように男性が婿入りする形にはこだわっていなくて、伝統的には男性が狩り、女性が農耕をするというスタイルでした。
中央には、男しか入れない会所があります。女性や子供たちは入れません。会所の入口は、赤い顔の工具のようなものがひっかかっているのですが、これは、プユマ族内の村から村へ伝達をする時に少年が音を出しながら、腰にぶら下げ走るものだそうです。音を聞くと伝達者が来たというのがすぐわかるそうで、今現在も使用しています。
現在も使用、プユマ独特の木の盾のようなもの 現在も使用、プユマ独特の木の盾のようなもの

現在も使用、プユマ独特の木の盾のようなもの

男子会所は、部落の成年男性とおもなく成年になる少年たちで構成され、普通は各部落に一個の会所があります。部落を守るために社会組織と緊密繋がっていることが改世の役割です。男性全員が必ず参加する男子会所組織は、部族全体の問題解決を行い、世襲の頭目(ayawan)による指導を受けていました。現在頭目の職権は、村長が事実上継承していて、生活の中では、今もなお尊敬の対象とされています。また、祭師(rahan)と称される部族の重要な祭祀を司る人物もいます。
女性、足入れるべからず

女性、足入れるべからず

こちらも女子禁制

こちらも女子禁制

さて、プユマは母系社会なのに、ここには女性が入れないとは・・・。と、中に入った男性に何があったのかと聞いてみると、大狩猟祭で捕獲された動物を焼く大きな囲炉裏や動物の皮などを干す竿があったとそうです。
会所の左の建物も男性専用で、儀式に使用されるのですが、プユマの女性たちが、ここから先へ女性は足を踏み入れてはいけません、と何回も言ってたのに、よく聞いてなかった台湾の女性が2,3歩入り込んでしまい、すごく怒られていました。
空気も澄んでいて、気持ちよかったです

空気も澄んでいて、気持ちよかったです

ナビたちが取材中、自転車のおじさんがフラフラと…。うしろをついてくるのは、かわいいワンちゃん、じゃなくて、子豚ちゃん!皆あまりのかわいさに声を上げ、シャッターを押していました! ナビたちが取材中、自転車のおじさんがフラフラと…。うしろをついてくるのは、かわいいワンちゃん、じゃなくて、子豚ちゃん!皆あまりのかわいさに声を上げ、シャッターを押していました! ナビたちが取材中、自転車のおじさんがフラフラと…。うしろをついてくるのは、かわいいワンちゃん、じゃなくて、子豚ちゃん!皆あまりのかわいさに声を上げ、シャッターを押していました!

ナビたちが取材中、自転車のおじさんがフラフラと…。うしろをついてくるのは、かわいいワンちゃん、じゃなくて、子豚ちゃん!皆あまりのかわいさに声を上げ、シャッターを押していました!

以上、台北ナビでした。
   

記事登録日:2011-11-24

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2011-11-24

スポット更新日:2014-09-27

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部屋数 部屋1 大人 子供

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