旧暦7月は「鬼月」!7月1日に冥界の門が開き、死者の霊魂が現世に戻ってきます。日本でいうお盆のようなものです。この世に遊びにきた霊魂を迎えるため、1ヵ月間様々なイベントが開催されるのですが、7月14日に行われる「放水燈&遊行(灯篭流し&パレード)」は圧巻でした!
日本で行われる灯篭流しは死者を弔いあの世へ送る行事ですが、台湾はちょうど反対!主普塔という霊魂を迎える場所へ霊魂を導くため、海から提灯で道しるべを作り、迎え入れるのです
海の中にいる霊魂たちに場所を教えてあげるため、灯篭を海へ流すという意味合いもあるんだそう
ちなみに翌日に主普塔で行われた普度では霊魂たちがごちそうを食べたり、入浴できるようにと、お供え物が用意されました
画像提供:Tine
灯篭はまず花車に乗せて基隆の町を巡ります。廟口夜市も通るみたいです。「花車」の名前のとおり、以前は花を飾っていたものが多いですが、現在は電飾がメイン。北管や南管などの伝統的な音楽は少なくなってきています
基隆中元祭は同じ苗字のグループが年ごとに持ち回りで取り仕切ります。そのため、花車には大きく苗字が掲げられていますよ!
今年は新型コロナウィルスの影響で、規模は3割ほどに縮小。初めて交通規制を行わずに開催されたので、バス、タクシー、スクーター、セグウェイなどと花車が一緒に走るという稀有な光景も見られました
パレードが終わると、灯篭を流す「八斗子望海巷」に花車が続々と到着!
花車から灯篭を下ろし、灯篭待機所へ移動!
その後金紙(あの世のお金/冥紙)を灯篭へ入れると準備完了!
先ほど取り仕切るグループはは持ち回りだと書きましたが、今年は基隆では少ない苗字が集まった「連合会」。しかも連合会は11に分けられています。つまり……今回メインとなり取り仕切った「白」と「童」のグループに順番が巡ってくるのは、165年後!そのためか「白」「童」グループが用意した灯篭は巨大な船の形!その上に各苗字の灯篭をのせていました
舞台上でお経を読んだら……
クレーンでメイン灯篭を海へ移動!
火を灯し、いざ灯篭を流しますが……台風の影響を受けて、波が相当高い……。荒波に向かっていく灯篭に頑張れ~!と声をかけずにいられませんでした
その後各苗字の灯篭が次々に海へと運ばれます
しか~し、やはり高波の前に数メートルも進めず……涙
規模が縮小しても、荒波で灯篭がそんなに遠くまで進めなくても、基隆市民が一致団結し伝統行事を伝えていけたという満足感が会場からの熱気と笑顔から伝わりました!来年はコロナの影響なく、盛大に執り行われますように……