茶摘みを体験し、昔ながらの手法で茶作りをし、茶餅まで作って、茶葉料理をいただき、お土産まで持って帰れる~!!
こんにちは、台北ナビです。
秋晴れの涼しい、中秋節も近いある日、新北市主催の《新北市坪林步道深度體驗之旅-農家DIY茶粿慶中秋》ツアーに参加してきました!
内容は、茶農家でお茶と茶餅作り、坪林歩道でディープな体験の旅、というもの。今回探索する坪林の漁光地区は、文山包種茶の産地で、古道あり、茶畑あり、珍しい植物や動物、自然がいっぱいのところなんです。
しかも茶摘みを体験し、昔ながらの手法で茶作りをし、茶餅まで作って、茶葉料理をいただき、お土産まで持って帰れる~!!となれば、参加者も多いはず。
聞けば、新北市はよくこのような住民参加のプログラムを企画しているのだそうで、今回はこの内容だから参加希望者も多く、運よく抽選で当たった人の中には、会社に有給休みを申請してきたんだよ~という方たちもちらほら。皆さんこの1日体験の旅、とっても楽しんでいました。
もちろん、お茶好きナビも大満喫、台北郊外の自然に酔いしれました。
8時集合!
この日はMRT「新店」駅に8時に集合。8時半に出発しました。
個人で行く場合は、MRT「新店」~坪林間は、新店客運(923)番があります。
10時ごろ漁光國小に到着
今日の茶農家は小学校お隣の許金佑さん宅。
ナビたちが着くと、すぐに小学校の校庭を横切ってやって来られました。
各自帽子と上着を着るようにとのことで、身支度が整ったらさっそく茶畑に案内してくれました。
許さんちの茶畑は、有機栽培。農薬は一切使用していません。なので、一見したら草ぼうぼうで、もしかして手入れしてない?と一瞬思ってしまいますが、違います。これは有機だからこそのよさ!蝶や昆虫たちが見られるのも楽しい♪
ぼうぼうの茶畑
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まずは茶葉や摘み方の説明を聞きます
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この部分
こちらの茶樹の品種は台茶13號で、別名翠玉ともよばれます。
坪林で有名な包種茶は、台茶13號の他に12號(別名金萱)、青心烏龍、四季春、硬枝紅心の茶樹から作られ、台湾烏龍茶の多くは、これらの茶樹からと言えます。
茶摘みの方法は、一芯両葉を摘むのが基本。新芽と両側に2枚葉があるのが理想の形です。
親指の爪を茎にぐっと入れたらすぐ折れるところが良し。硬い茎のところはもう少し爪を上に移動してみてください。もしかしたら両葉はなくて、新芽だけになるかもしれません。硬い茎は少し入っていても大丈夫。茶枝といって、茎だけのお茶の種類もあり、豊富な茶種をそろえる店舗では販売しています。通常は茶の葉より安く売られていますが、茶の味はしっかり出ます。茶枝を好んで飲む通の方もいらっしゃいます。
頑張っています
さて、秋の空といっても台湾ではまだ暑い・・・。30分も茶畑にいたら汗もタラタラ。プロは指にハサミをつけて、両手でどんどんリズミカルに摘んでいきます。
ひとしきり茶摘みに精を出したあとは、許さん宅へ戻ります。
茶を炒る
許金佑さんのお母さん
茶樹や手法によって、いろんなお茶の種類が作れる台湾。
今日は1日体験というのもあって、坪林特産の包種茶を速く仕上げる方法を取りました。お天気もいいので、水分を飛ばす日光萎凋の時間は短めでOK。摘んだ茶葉を、浪菁といって、茶葉をハラハラとざるへ落とします。10分後くらいにはもう炒めに入りました。
通常なら日光萎凋の後は、ざるをそのまま室内に移動し室内萎凋。ゆっくり発酵させ、茶の香りを確かめながら発酵を止める殺菁に入ります。お天道様のご機嫌によっては殺菁が夜になることも。そうなると2日がかりですね。茶作りは24時間見張ってなきゃいけないので夜通し作業です。
ナビたちは1日という時間制限があるので、古代の手法「炒」を取り、その後は揉捻という揉む段階に入りました。
茶餅作り
茶作りのその後に続く乾燥や焙煎は、許さんたちが担ってくださり、ナビたちは茶餅作りを開始しました。
すでに準備してくださっていた文山包種茶の粉をモチ米粉に混ぜ、砂糖水を足しながら練っていきます。
適度な硬さになったら、干し大根やアズキを中に入れ、丸めました。
大きな蒸し容器に葉っぱを敷き、その上に皆各自が作った茶餅を並べます。
午後の古道散策から戻ってきた後は、ティータイムで、自分たちが作った茶葉を飲みながら、茶餅を食べる、というわけ。
最高の体験ツアーですね!
ナビたちが作業中
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許さんのお父さんも茶作り中でした
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午後の古道歩きに備えて、皆しっかりと食事を取ります。
このツアーでは、各自が茶碗とお箸も準備して参加していました。
永和宮から出発
歩きは約2時間。両側に茶畑が広がるこの古道は、時間が経つのもあっという間に感じた素敵な古道でした。
今回の案内役は張清標さん。公務員を退職した後、自分の地元の紹介を積極的に行なう、台湾にはよくいらっしゃる元気いっぱいのおじちゃんです。
廟の前で地域の説明を受けた後、古道の旅へ出発!この廟は、その昔地域の人たちの集会兼家畜売買の場所でもあったそうです。
昔の家やグアバじゃないけど、その香りがする葉を持つ樹木を過ぎたら小さな橋を渡ります。位の高い人が通る橋は、このように石が5本でした。渡った先に橋の建設のために募金をした人たちの記念碑がありました。
さて、きれいな茶畑、清らかな水、澄んだ空気、張さんの紹介する声もいっそう高らかに響き渡ります。
大舌湖歩道
ほどなくして「大舌湖」に到着しました。
名前の通り、舌をべろーんと出したように見えなくもない?
茶畑が果てしなく高くまで延び、湖底までくっきり見えるほど水がきれい。鳥も飛んでるし、湖に映る山々が山水画のごとく美しい。
映っています
美しすぎます
水がきれいなのは、ここが水源保護区でもあるからです。
水源を保護することで、植物や鳥たちの保護にもなっていくんですね。
魚が泳いでいるのも見えますが、ここではそういうわけで釣りも禁止されています。
このあたりから茶畑も整然
少し坂道も歩けど、ほぼ平坦なのでとても歩きやすいですね。
今度は谷底まで続く眼下に延びる茶畑がありました!
春から初夏にかけてくると、ちょうど茶摘み中の人たちに会えることでしょう。
山頂からあふれる水が岩を濡らし、シダ科の植物に生命力を与えています。
竹林もあり、各所から聞こえる鳥の鳴き声に耳を澄ましながら歩いていくと、粗石斛吊橋という大きな橋がありました。
ここを渡ると今回の終点に到着。ここからはまた車で茶農家許さん宅へ戻ります。
品茶会
さて!待っていました!ティータイムの始まりです。
おいしいお昼ごはんをたくさん食べたとは言え、こんなに歩いては小腹も空き、のども渇いています。汗はかいていても、熱いお茶は飲んでみたい。
のどがカラカラのナビは、さっそくお茶にとびつきました。さっき炒ったお茶と茶農家のお茶、2種類準備されていましたが、茶農家のほうがおいしかったですね。先ほどのお餅もいい具合に蒸しあがって出てきました。
もち米に茶粉と砂糖水を加えてこね、好きな具を入れて丸めて蒸したら出来上がり。これはうちでも作れそうだなと思いました。
さあ、各自たべ切れなかったお餅と茶葉をおみやげに家路に向かいます。
お天気にも恵まれ、大自然を満喫した1日でした。
以上、台北ナビでした。
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2015-10-14