台湾各地のさまざまな茶葉が揃うお茶屋さんのデパート。昔ながらの風景も広がります!
こんにちは、台北ナビです。
かねてより台北ナビでもご紹介している「全祥茶荘」。お土産用のお茶がいっぱい&朝早くから営業している見逃せないお茶屋さんです。場所は台北駅周辺とあって気軽に立ち寄れるのも魅力的。ナビも久しぶりにこの辺りをブラブラ。昔ながらの佇まい残る「全祥茶荘」にぶらり、おじゃましてきました!
3駅からアクセス可!
最寄りはMRT「台大医院」もしくはMRT「西門」。どちらからも徒歩5分ほどの場所にあり、アクセスもほぼ1本道、迷わずたどり着けるはずです。MRT「台北車站」からも約10分ほど。周辺ホテルに宿泊の方はもちろん、総統府や228公園などの観光ついでに立ち寄るにも便利な場所です。
台北のショップにしては朝早く9時から、夜は22時まで営業中。時間の面でも旅のプランに組み込み易いのがイイですね!
「全祥茶荘」の創業は1872年、ゆうに100年を越える歴史を持つお茶屋さんです。現在の建物は1910年代に建てられた清朝末期の面影残す造り。日本統治時代に改築されたものの構造はそのまま、今でも当時の姿を偲ぶことができます。店は間口の広さの割りに奥が深く広々なのも特徴的。茶缶がズラリと並ぶカウンターの奥には年代もののテーブルセットがありこちらで試飲もできるのだとか。テーブル前にはスタッフの憩の場。こちらはおうちの中にチャイナな東屋があるかのような雰囲気で見ものです。
外壁の丸いところにはかつて時計がはめ込まれていたのだそうですが、残念なことに盗難にあってしまったのだとか…
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入口右手には年代ものの絵画。これを見にやってくる人も多いとか
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非売品だという骨董茶器も身近で見学できちゃいます
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売り物の骨董茶器。うーん、スゴイお値段ついてます
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政府機関・企業からも長年の支持
林さんご一家。5代目である赤ちゃんを中心に笑顔が広がります
1949年、2代目林火樹氏が株式会社を設立。店舗からほど近い場所である西寧北路に製茶工場を持ち、自社で製茶・販売を行なっている茶葉店として知られています。一般販売のほか、政府各所・ランディスホテルなどへも販売、広くから信用を得ているお茶屋さんでもあります。
現在の店主は4代目林建宇氏。日本語OKな3代目林洋波氏もお店に出ることもあります。こちらはそんな林氏のご家族を中心に切り盛りされていて、アットホームな雰囲気が伝わってきます。ナビが訪れた朝も地元のお客さんと談笑している様子、赤ちゃんをあやす様子を目にすることができました。こんなワサワサした感じも台湾の昔ながらの風景らしく、「台湾に来たな!」という気分にさせられます。
画像提供:全祥茶荘
「全祥茶荘」1番のおすすめは香片(ジャスミン茶)です。自社工場で作られる一連の工程は熟練の職人による昔ながらの手作業だとか。
作業は前日の晩18~19時ごろから開始です。まずは茶葉・ジャスミンの花を寝かせ萎凋させ水分と温度の調整をします。そうして翌日の早朝4時ごろ茶葉と花を合わせ、茶葉に花の香りを移します。茶葉に香りが移ったところで、花を取り出し茶葉だけに。この時点ですでに午後の15~16時ごろ。その後茶葉を乾燥機にかけ乾す工程が3度ほど続きます。実に手の込んだ作業。花は彰化県花壇のもの、緑茶は新北市三峡の龍井茶を使っているそうです。春~夏にかけてしか咲かないジャスミンの花、そのため作業は1年に1度のみ。台湾は台風の多い土地。こちらでは花が落ちてしまうリスクを避けるため初夏の花を、また茶葉は最もよいとされる春茶を使用しているそうですよ。
黄色っぽく見えるのが花。丁寧に取り除く作業をしますが、完全には取りきれないためこうして少し残ります
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古いものになると、黄色身を帯びていた花が白っぽく変色してくるそうです。これが1つの鮮度を見分ける方法です
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1斤の茶葉を作るためには4斤の花が必要だとか 画像提供:全祥茶荘
そうして丹念に作られたジャスミン茶はホンモノの花が香る気品あふれる味。蒋介石夫人の宋美齢女士もこちらのジャスミン茶のファンだったといいます。粗悪なジャスミン茶は香料を吹きかけて香りづけするそうですが、こちらは等級の差はあれどれも手作業で本物の花の香りをつけているからおいしさ・香り共に違います。
台湾中のお茶がいろいろ
看板商品のジャスミン茶以外にも種類豊富なのが「全祥茶荘」の強みです。日本人に人気の高山烏龍茶、金萓烏龍茶、東方美人茶をはじめ、鉄観音、清茶(包種茶)、紅玉、炭培烏龍茶(黒ウーロン茶)、産地だって阿里山、梨山、杉林溪…などいろいろ。各地の大会で受賞した高級茶葉や30~50年ものの老茶など、台湾中の産地から取り揃えた各種茶葉が揃っています。プーアル茶もありますが、これだけは中国から。ほかはすべて台湾産だそうです。台湾茶葉ならなんだってあるから、ここに来ればきっとお気に入りがみつかるはず。お土産探しにも最適の場所です。
金萓烏龍茶の茶葉。しっかりと丸まった均一した茶葉
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凍頂烏龍茶は番茶にも似た深い焙煎の味わい
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映画「セデックバレ」にも出演した俳優の安藤政信さんはこちらで凍頂ウーロン茶を購入したとか |
さっぱりあっさり清茶
店主によるとよい茶葉の見分け方はやはり試飲をしてみるのがよいそう。しかもお茶の味や香りを確かめるだけでなく、淹れたあとの茶葉を触ってみるとよいのだとか。柔らかい茶葉が新芽で、味も色も淡くフレッシュ。これは焙煎の深さに関係なくいえることで若い茶葉こそおいしさが生まれるのだとか。また、ウーロン茶が薄い金色をしているものは低発酵のため、開封後少なくとも1年以内に飲み切るのが理想だそうです。反対に濃い茶色のものは重発酵。後発酵してもおいしさを保てるため2年以上の保管も大丈夫だそうですよ(もちろん冷暗所に湿気を防いで保管することは必要です)。試飲時の参考にしたいですね!
ランク&パッケージもいろいろ
2015春茶のコンテスト入賞茶
茶葉の一部はいくつかの等級に分けられています。最上級のものは新芽の先端の部分のみを使用、白っぽい色をしているのがその証拠です。そんな特上の茶葉は大切な人へ、普段使いの自分用ガブ飲み茶は等級の低いものでも十分??用途・目的、そして予算に合わせていろいろ選びたいですね。
さらにパッケージもさまざま。贈答用にピッタリな立派な箱入り、ちょっとしたギフトにしたい洒落た缶入り、バラマキ用に小パック、自分用に袋入り…など。すでにパッケージされている商品以外にも、その場で袋詰めしてくれるのも自社で製茶するお茶屋さんならでは。基本、あらかじめパッケージされているものもそうでないものも、違いはないそうですが、高山茶は焙煎直後に密閉した方がより鮮度が保たれるのでおすすめで、緑茶はできあがったばかりの茶葉をその場でパッケージしてもらう方が適しているとか。こちらも購入時の参考にどうぞ。
便利なティーパックは重宝します
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昔ながらのヒモなしティーパックは35~40元で20パック入り。バラマキ用に!
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支店もアクセス至便
画像提供:全祥茶荘
本日おじゃました本店だけでなく、MRT「忠孝復興」駅前に支店もあります。こちらは東区の繁華街にあり、お食事やショッピングのついでに立ち寄るにも便利なロケーション。本店と合わせてご利用ください。
今日はほかではあまり聞けないお茶のこともたっぷり教えてもらったナビ。みなさんも、買い物だけでなくお茶のアレコレ聞き出してみてはいかがですか?以上、台北ナビでした。