台湾が生んだ「蜂蜜蛋糕(ハニーケーキ)」の元祖。台湾産・龍眼花蜜の香りと甘さでリッチな気分に。
こんにちは、台北ナビです。
「カステラ」といえば、ポルトガルから長崎に伝わって以来日本で長く愛され続けているスイーツですが、外観はカステラだけれどカステラじゃない!?「蜂蜜蛋糕(ハニーケーキ)」たるものを世に送り出したのは台湾が始まりという事をご存知でしたか?そしてその元祖と言えるのが今回お邪魔した「一之郷」。日本人が愛するカステラからヒントを得て作られたという「蜂蜜蛋糕(ハニーケーキ)」の正体を探ってきました♪
蜂蜜蛋糕(ハニーケーキ)の誕生
今から40年余り前のある日、創始者黄和仁さんと親友で菓子職人の林忠閒さんは、2人で日本へ行った時に一緒に食べた長崎カステラの話題で盛り上がっていました。忘れられない記憶の中の蜜の風味を「蜂蜜を使って作ってみてはどうだろうか」と提案したのは日本でお菓子作りを学んだ事のあった林忠閒さん。
そこから黄和仁さんの地元台南にある龍眼の花の蜜をベースとした蜂蜜蛋糕作りが始まったのだそうです。2年余の歳月の中で、試作した蜂蜜蛋糕は約2万本にも及び、1975年にようやく市場へお目見えすることとなります。16 世紀にポルトガルから日本へ伝えられ脚光をあびたカステラに台湾の蜂蜜を配合したメイドイン台湾の「蜂蜜蛋糕」は、こうして誕生しました。
台中、高雄も合わせて現在台湾に12店舗を構える一之郷の総本山は1975年の創業当初から変わらず中山北路にあります。2014年10月にリニューアルオープンしたその本店の店内奥には、創業当初もあったという工房が再現されており毎日、数量限定の手作り蜂蜜蛋糕の他、洋菓子や2階にあるカフェ用のスイーツが焼かれています。日本の蔵を思わせるようなモダンな外装や、入口の隣に作られた小窓が人目を惹きます。
見た目はカステラなのにカステラと呼ばない理由はとってもシンプルで「蜂蜜が入っているから」なのだそうです。お店の人は愛情をこめて「蜂蜜蛋糕(ハニーケーキ)」と呼んでいました。蜂蜜といえば台湾では龍眼花蜜、ライチ花蜜などの花蜜が有名ですが、中でも南部の龍眼花蜜は肌に潤いを与え、他の花蜜に比べて濃厚な香りと柔らかな口当たりなのが特徴です。そんな高価な龍眼花蜜の他、卵・砂糖・薄力粉・麦芽糖が原料のベースになっている「蜂蜜蛋糕(ハニーケーキ)」には全部で6種類のフレーバーがあります。パッケージもとっても魅力的な一之郷の商品。イメージが伝わりやすくてオシャレなので、プレゼントにも最適です。
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■龍眼花蜜蜂蜜蛋糕(オリジナル)
言わずと知れたお店の看板商品!厳選された高級龍眼花蜜や有機卵(赤玉)など、天然の素材にこだわっています。牛乳を使用していないのでカステラのようなしっとりした食感とは違い、フワッとしているのが特徴です。口に入れる前から、龍眼花蜜特有の香りが嗅覚を刺激し、幸せな気分になります。無香料・ベーキングパウダー・乳化剤・防腐剤不使用です。
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■本店でのみ入手できるハニーケーキ
先ほど触れましたが、工場で生産されているハニーケーキとは別に、本店奥の工房で毎日数量限定で手作りされているハニーケーキがありました。本店でしか味わえないおいしさを是非お試しあれ!
(左)■紅麴蜂蜜蛋糕(紅麹)
中華圏の伝統的な健康食品で、漢方薬などにも使用されてきた紅麹入りのハニーケーキ!これは珍しい。麹好きのナビとしては「麹」と付いているだけで手を伸ばしたくなってしまう商品です!
(中)■金鑽鳳梨蜂蜜蛋糕(金鑽パイナップル)
甘くて程よい酸味のある金鑽鳳梨が入ったハニーケーキです。想像しただけでおいしそう!甘いのが苦手な方にもオススメだそうです。ケーキにパイナップルを使うところは、さすが南国台湾!ですね。
(右)■翠玉茗茶蜂蜜蛋糕(緑茶)
台湾生まれの「翠玉茶」の茶葉を使用しています。ジャスミンにも似た柔らかい香りが特徴の翠玉茶ならではの風味が味わえます。台湾土産にもってこいですね。
(左)■摩卡咖啡蜂蜜蛋糕(モカコーヒー)
コーヒー粉が入っています。コーヒー好きとしては、ぜひコーヒーと一緒に頂いてみたい一品です。お茶にも良く合いそう!
(右)■淡雅蜜香蜂蜜蛋糕(花蜜控えめ)
甘いのが苦手!という方には花蜜が控えめのこちらがオススメです。
SNSが発達している台湾で大人気、日本でもおなじみのLINE FRIENDSを発見。まさかここで出会うとは!という感じでしたが、半年かけて権利を獲得したという韓国のLINE FRIENDSとのコラボ商品は、全て一之郷だけのオリジナルとのことなので、LINE FRIENDSファンは必見です。
■LINE FRIENDS 立體卡片蜂蜜蛋糕禮盒
かわいい箱を空けるとLINE FRIENDSたちが飛び出す立体メッセージカードが付いています。今や世の中のコミュニケーションツールの主流はSNS。しかし「たまには初心に戻って手書きのメッセージカードを送って欲しい」という思いを込めて出来上がったのがこのシリーズだそうです。「ケーキはもともと温かいもの。人も温かさを持ってコミュニケーションして欲しい」とのことでした!また、箱はティッシュケースとして再利用が可能なところも斬新なアイディア!パッケージも無駄にならず、エコですね。箱式のティッシュが少ない台湾では、ちょっとした贈り物に喜ばれそうです。お菓子はもちろん看板商品、龍眼花蜜蜂蜜蛋糕です。
■LINE FRIENDS 祝福蜂蜜蛋糕禮盒
可愛い鉄の入れ物には、ブラウン(咖啡蜂蜜蛋糕)、サリー(金鑚鳳梨蜂蜜蛋糕)、コニー(翠玉茗茶蜂蜜蛋糕)、ムーン(龍眼花蜜蜂蜜蛋糕)合わせて4種類のハニーケーキがセットになっています。こちらも再利用できるデザインになっているのが嬉しいです。このお店にしかないデザインなので、ちょっと高価なバラマキ用プレゼントとしても◎。
鳳梨酥(パイナップルケーキ)
■日暖鳳梨酥禮盒:春・夏になると姿を現し、甘さと酸味がほどよい金鑽鳳梨を使ったパイナップルケーキです。
洋菓子の比率が多いものの、台湾のお菓子屋さんには欠かせない鳳梨酥(パイナップルケーキ)もしっかり置いてありました。馴染みの形のパイナップルケーキから、他店にはない独創的なものまで、目を楽しませてもらいました♪
■Formosa 美麗台灣鳳梨酥
ちょっと変わったパイナップルケーキをお探しの方にはこちらがオススメ!2015 年のパイナップルケーキ大会・鳳梨酥文化節で「創意獎」を獲得したパイナップルケーキです。太平洋に浮かぶ美しい島「フォルモサ」(台湾の別名)をイメージしていて、中央には台湾の形をしたチョコレートが飾られています。中身はパイナップル餡と龍眼花蜜に漬け込まれた栗が丸ごと入っているという、今まで食べたことのないパイナップルケーキに出会えます。
栗がとってもおいしかったですが、パイナップルケーキ自体が大きいのでちょっと食べづらかったのが難点でした。2016年の干支に因んだサルのパッケージはスペシャル感があって素敵です。
お店の奥からいい香りが~!ちょうど費南雪(フィナンシェ)が焼きあがったところでした。このように、お店の洋菓子は清潔な工房で手作りされているのです。焼き立てのお菓子の匂いって、本当に癒されます。
今ではアメリカやカナダ、香港、東南アジアなどへも幅を広げ、台湾の素材を多く使った香り高い商品を提供し続ける一之郷。お土産探しに立ち寄るもよし、本店中山店にだけ存在する2階のカフェで、おいしいスイーツに舌鼓を打つもよし!中山区のスイーツ店として、ぜひ候補に加えてみて下さい♪
以上、台北ナビでした。