璞園芸術坊(南投県)

璞園藝術坊

閉店・移転、情報の修正などの報告

広い展示直売コーナーには竹で作られた家具から小物までが勢ぞろい。竹産業の未来を担う息子さんとの二人三脚です。


こんにちは、台北ナビです!

竹細工と聞くと、皆さんどんなものを思い浮かべますか?恐らくナビと同様、比較的小さな商品ばかりを思い浮かべるのではないでしょうか。そんな通常の概念をひっくり返すような工房が今日訪れた「璞園藝術坊」。一代で竹加工販売の工房を築いたお父さんと、アメリカ帰りの息子という親子鷹による工房に竹山の産業の未来を感じさせられました。

取材に向かうべく車で走っていると、道端にひときわ大きい「璞園藝術坊」の看板。これなら観光で訪れる方も見落とすことはありません。緩やかな坂道をのぼっていくと、観光バスも駐車できるほどの駐車場、そして直売コーナー、工房の立ち並ぶ光景が見えてきました。

竹工房を一代で築きあげる


迎えてくれたのはオーナーの戴正祐さん。戴さんは竹山生まれですが、若い頃は台北で働いていました。30年ほど前、友人の紹介により、竹山での竹加工事業を設立。普段は台北で働きながら、一方で竹山での事業にも参入するという二足の草鞋を履く生活を送っていたのです。

その後、リタイヤも間近になった頃には、台北の慌ただしい生活にも疲れ、故郷の竹山に戻って竹事業一本に絞ることを決意。数年前には台北を完全に引き払い、故郷での生活をスタートさせています。
タンスのような大物や

タンスのような大物や

ダイニングテーブルまで

ダイニングテーブルまで


竹製品の直売コーナーといっても、販売されているのは小物ばかりではありません。むしろ「大物」がメインといえるでしょう。竹を使ったテーブル、チェアといったダイニングセット、タンス。どれも竹のみを使って加工されたもので、芯に木材を使っているわけではありません。ナビは小さい頃、竹で遊んでいて棘を刺した覚えがありますが、心配不要。ご覧下さい、なめらかに加工された曲線部分もつるつるで、継目などまるでないかのような高い加工技術を誇っています。
見よ、この滑らかさ

見よ、この滑らかさ

つるつるです

つるつるです


購入していくのは、新しくマンションを購入した人や、新婚さん家庭も多いとか。竹はまっすぐ上に伸びる性質を持っていることから、中華圏では繁栄の象徴とされ、おめでたい樹木なんです。台湾を代表するランドマーク、台北101ビルも竹をモチーフにデザインされていることをご存知でしたか?そのため、新居や新婚さんといった、これからの生活に繁栄を願う人たちが好んで購入するそうです。
戴さん曰く「日本にも販売できますよ。船便で送れば送料はたかが知れてるし、欧米にも売ったことあるからご心配なく」と力強いアドバイス。
こちらは中華将棋の将棋盤

こちらは中華将棋の将棋盤


他にも、中華将棋の将棋盤や、定番の茶道具。ナビが気に入ったのは書見台。折りたたむとコンパクトになるし、iPadで動画を見たりする時に便利そうですね。
書見台としてもiPad台としても

書見台としてもiPad台としても

折りたためばこんなにコンパクト

折りたためばこんなにコンパクト

変り種商品も


こちらは竹製の台北101ビル型をした小物入れ。お値段も101ビルにちなんで10101元となっております。お隣りにあるこちらの品物、何だかわかりますか?尋ねられたナビは「お弁当箱?」と答えたのですが、どうやら半分正解のよう。これは、お葬式や供養の際に、亡くなった方に供える数種類の食べ物を、運ぶための道具。いわば、亡くなった方のお弁当箱というわけで半分正解なのでした。

ほかにも、竹の根部分を加工したワインラックや、竹の自然な性質を生かした茶具など、オリジナルの商品がたくさん。ティッシュケースは驚くなかれ、ヒンジ(蝶番)部分にも一切金具は使用しておらず、100%竹のみで作られているんですよ。

また、竹そのものを使った製品だけでなく、竹炭を加工した下着や靴下などの商品も取り扱い中。

お茶を飲みながら、戴さんからお話しを伺っていると、不意に「じゃあ息子を呼ぶから」と現れたのが戴禾碩さん。なんと米国生まれの米国育ちですが、お父さんの事業を引き継ぐために、数年前に台湾へ帰ってきたのだとか。米国の大学で企業経営を学んだとあって、お父さんとしては、ゆくゆくは息子に全面的に事業を任せたいよう。

でも息子さんは謙虚に「今は事業全体をまだ勉強中です」と謙虚な姿勢でした。それでも、将来について話を聞いてみると、インターネットを利用したり、台湾の市場だけでなく欧米や日本といった、より大きな市場も視野に入れて竹産業を発展させていきたいと意気込みを語ってくれるあたり、これは期待が持てそうです。そんな息子が熱く語る姿を目を細めて見ているお父さん、まさに親子鷹という言葉がピッタリの2人です。

お話しを聞いた直売コーナーの一角だけでもかなりのスペースがありますが、隣にはオフィス、そのまた隣には加工工房があります。ただ、残念ながら隣接する工房は最後の品質チェックをする程度で、大々的な加工は別の場所にある工房で行なっているとか。

週末や休日ともなると、時には観光バスも訪れてたくさんの人々が竹製品を手にとって賑わうとか。竹山を訪れたなら、名産の竹製品を買って帰らなくては、という意気込みが伝わってくるようです。

故郷竹山で、竹工房を一代で起こしたお父さんと、それを継ぐためにアメリカから帰ってきた息子さん。新しい世代の手による竹山の竹産業がどのように発展していくのか、これからが楽しみです。

以上、台北ナビがお伝えしました。


記事登録日:2012-09-03

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2012-09-03

スポット更新日:2012-08-31

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