三古手感坊 

茶人服・台湾岩鉱壺・美術店

閉店・移転、情報の修正などの報告

名物オーナーの話を聞きながら、お茶と茶器そして、チャイナテイストのハンドメイド服も!

こんにちは、台北ナビです。永康街といえば小籠包激戦区で、おなじみの通りですね。MRTが近くに開通してからははアクセスも便利になり、いつも日本人観光客でいっぱい。日本人好みの食事にスイーツ、そして、買い物など、何気に色々できるのがこのエリアです。今日紹介するお店はそんなエリアのお店の一つ。オーナーのこだわりと温かさを感じることができるお茶・茶器とチャイナ系衣服・小物のお店です。メインストリートから一本隣ということもあって、小さいながらすごく落ち着く空間を今から紹介いたします!

元報道カメラマンの名物オーナー

店に入ると床の掃除をしていた男性が、「さささ、どうぞ、どうぞ。」と温かく迎えてくれました。この方がオーナーの三古黙農さん。ジーンズと、お店の商品でもある茶人服姿がいかにも芸術家という感じです。さっそく、オーナーこだわりのお茶を試飲しながらお話をうかがうことにしました。オーナー三古さんは、大学時代からお茶の勉強を開始…していたにも関わらず、何故か就職したのは【中国時報】という台湾を代表する新聞社、しかも職種はカメラマン!!というちょっと変わった経歴をお持ちです。そしてカメラマンとしての腕は一流で、1992年のときに台湾の報道カメラマンとして最も栄誉ある【金鼎奬】を受賞されたほど。そのころ撮影された写真を拝見させていただきました。政治家たちが喧嘩して殴りあったりしている写真など…ほとんど喧嘩している写真ばかり…専門の人でないと絶対撮れない写真です。しかし、この仕事は写真からも充分わかりますが、「非常に緊張する仕事で疲れた」ということで1998年頃に退職されたそうです。


カメラマン時代のオーナー。横は民進党の政治家とのこと。


このような緊迫した喧嘩写真多し。
中国時報を退職してから、店を新北投に開店させた三古さん。今までと全然関係ない仕事など、普通の人は務まらないかもしれませんが、もともとお茶が好きで勉強されていたこともあり、その専門的知識は一流!写真も一流でお茶も一流なんて…ずるい(笑)世の中にはこういう人もいるんですねー。新北投のお店をオープン後5年ほどして、現在の場所にもオープンしたそうです。

人間国宝の弟子ならではの名茶器の数々 

店を見渡し目につくのが、素敵な茶器の数々。これらの作品は三古さんがこのお店でろくろを回して手作りで作っているものなのです!デザイン的にも素敵なのですが、どんなお茶がどんな茶壷が合うのか、材質、大きさ、厚みなど、きちんと計算の上で作られている超優れものです。お茶の種類によって合う合わないがあるんだそうですよ!普段、そこまで考えてお茶を飲み、茶器を選ぶ日本人はなかなかいないのでは?今回、ナビにそんな茶器作りの様子を一部公開してくれました。胴体・蓋・注ぎ口の部分をそれぞれ別に作ります。別々に作ったものを合体させて1300度の高温で焼くのですが、焼き方にもいくつか種類があり、モノによっては3回も重ねて焼き、ようやく完成するそうです。
1つの茶器をつくるのに大体2日ほどかかり、1週間に1つから3つほどのペースで作っています。特別な作品は1週間に1つペースでゆっくり作ります。しかし、せっかく時間をかけて作ってもその半分は売り物にできないそうです。見た感じ問題なさそうでも、よくみると小さくヒビが入っていたりするからです。店内には、そういった問題のない作品のみが売られております。この製作過程を聞くと、ちょっと値がはるかなーと思っていた価格も、高いとは感じなくなりました。

では、茶器づくりの様子を写真で追っていきましょう!!



土もつくるものによって材質を変えているそうです。


真剣そのものです!


ろくろをまわしている時は息を止めています。


呼吸をすると土が動いてしまうから…と、なるほど!


だんだん形になっていきます。


最後きれいに整えて


あっという間にこの形に!!

さらに、ふた部分も作ってくれました!

あっという間に完成★


色が違うのは焼きの温度で変わってくるそうです。


こちら見た目問題ないのですが、、、


ふたを外すと、ほんのわずかなヒビがあるので売り物ではないそう


底にはいつ作られたかが書かれてます
この茶器作りの技術は、台湾でとても有名な、【人間国宝】丁壽氏について習得したそうです。国宝と三古さんは、現在でも師弟関係で、毎月1回必ず先生のアトリエまで向かい先生に教えを請うていらっしゃるんだとか。ちなみに、この国宝の作品もこのお店でいくつか販売しています。
置いてあるお茶の種類は決して多くありませんが、三古さんが台湾中を歩きまわって、探してみつけたこだわりの茶葉です。買い付けた茶葉は、こちらの店内で三古さん自らが焙煎しています。少し紹介しますね。


焙煎したては香りがいい!

【有機放耕烏龍茶】
東方美人の一種で、三古さんこだわりのお茶です。どのくらいこだわっているかというと、パッケージの文字を三古さん自ら上書きして、貼り付けてしまうくらい(笑)こだわっている一種です。このお茶は、【清心烏龍】という比較的珍しい樹から作られているそうです。飲んだあとにフルーツのような甘さを感じるのがこのお茶の特色。1年に20キロしかとれないということで、現在はこのお店に置いてあるのみという希少なものだそうです。
【黒金密露】 
この白いのがカフェインだそうです!

この白いのがカフェインだそうです!

このお茶は16年ものです。三古さんは「焙煎のときにカフェインが取り除かれるのでこれを飲んで寝られなくなることはない」といい、焙煎のときにつかうザルを見せてくれました(このお店でも焙煎をしています)。白くなっているのがわかりますか?この白いのがカフェインなんだそうです。ナビ「へぇぇぇー!」ナビ、このような状態のカフェインを初めて見ました。いや、このような状態でなくてもカフェインそのものを見たのは初めてだと思います。お茶は1杯目と2杯目で味が変わりますがこのお茶も例外ではなく、1杯目は鉄観音っぽい味、2杯目は一般的な烏龍茶の味に近く感じるはずと教えてくれました。

衣染服・茶人服・腊染服

こちらのお店には、チャイナテイストの衣服もあります。衣服は完全ハンドメイドで、三古さんの奥様である洪錦鳳さんが、デザインから縫製まで全て手がけています。綿と麻の素材が主流で、お値段は若干はりますが、質もデザインもいいと、日本人のお客様が特に好んで購入していかれるそうです。テイストは主に3種類。生地を染めた【衣染服】・しぼり【腊染服】・お茶を飲む人用【茶人服】です。染料はドイツのものを使用。これは自然の天然素材ではありませんが、色落ちしにくく環境によいということで採用しているそうです。また、一部作品の布は日本から生地を購入して作られています。日本の生地は質がいいということで台湾人のお客様が好んで買っていかれるとのこと。嬉しいですね。見ると、部屋着にしたら気持ちよさそうなゆったりしたものや(部屋着にするのは実にもったいナイ気もしますが。)、ちょっと涼しい日に最適そうなジャケット風の服もありました。
ボタンも凝っています

ボタンも凝っています

かわいいジャケット風 4580元

かわいいジャケット風 4580元

シンプルで、どこかかわいい 

シンプルで、どこかかわいい 

人気の形 

人気の形 



ナビもほしいと思った1枚 
お話好きのオーナーの話しは尽きることがありません。オーナーは日本語は話せませんが、わからないことは筆談もしてくれますし、ゆっくり優しく、そして、熱く接してくれますので、本当にお茶や茶器・チャイナテイストの衣類が好きで、この記事を読んで興味を持った方は一度行かれてはいかがでしょうか?

以上台北ナビでした。

記事更新日:2009-11-20

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2008-11-14

スポット更新日:2014-09-15

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