華やかに、鮮やかに台湾で輝き続ける和製マジョリカタイルの世界に浸れるスポット
こんにちは、台北ナビです。
華やかな図案と鮮やかな色彩のマジョリカタイル(花磚:フアジュアン)をご存じですか?
イギリスで生まれた装飾タイルで、日本では大正から昭和初期にかけて和製マジョリカタイルとして生産されてきました。当時、日本統治下にあった台湾でも、住まいのデザインに多く取り入れられてきました。
そんなレトロかわいいマジョリカタイルの世界に浸れる「台湾花磚博物館(台湾マジョリカタイル博物館)」が台湾にあります。一面のマジョリカタイルが映える!と日本でも話題となり、特に女性に人気の高いスポットです。(日本と台湾の歴史好きの男性にも人気ですよ!)
それでは、さっそくご案内します!
目次:この記事でわかること
1│立地:アクセスは嘉義駅から
2│理念:マジョリカタイルの核なる場所に
3│歴史:材木屋からマジョリカタイル博物館へ
4│解説:マジョリカタイルに隠された願い
5│物販:マジョリカタイルグッズをお土産に
6│Q&A:よくある質問
1│立地:アクセスは台鉄「嘉義」駅から徒歩10分
「台湾花磚博物館(台湾マジョリカタイル博物館)」は、台湾南部・嘉義市に位置しています。
台鉄「嘉義」駅(前站)
嘉義市の玄関口である台鉄「嘉義」駅(前站)からは徒歩約10分、線路沿いの大通り(中正路→林森西路)をまっすぐ歩いて行くとアクセスできますよ。
台北や高雄から高鉄を利用する場合、高鉄「嘉義」駅前からシャトルバス高鐵快捷(BRT)7211または7212バスに乗車して、台鉄「嘉義」駅(後站)で下車してください。その後、駅の正面側(前站)に移動してからアクセスすればOKです。
2│理念:マジョリカタイルの核なる場所に
「台湾花磚博物館(台湾マジョリカタイル博物館)」は、館長・徐嘉彬さんが運営する私設博物館(個人美術館)です。
台湾花磚博物館(台湾マジョリカタイル博物館)
元IT企業で働くエンジニアだったという徐さんの趣味は、老房子(古い建物)を見て歩き、写真を撮ること。そんな流れから老房子で使われていたマジョリカタイルに惹かれ、20年近くコレクションしてきたと言います。その数なんと1万点近く!
徐嘉彬館長
「
保存するだけでは結局いつかは消失してしまう。だから核になる博物館が必要だと感じたんだ」
そんな想いから
「台湾花磚博物館(台湾マジョリカタイル博物館)」は生まれました。現在は匠の技を保存・継承していく展示場としての役割はもちろん、マジョリカタイルの文化復興・普及にも務めています。
3│歴史:材木屋からマジョリカタイル博物館へ
「台湾花磚博物館(台湾マジョリカタイル博物館)」は、古い商店のような家屋のような外観をしています。それもそのはず、前身は日本統治時代の1938年建てられた「德豐材木商行」という材木屋さんでした。
老房子を見て歩く中、2014年に徐さんが出逢ったのが嘉義の街角に佇むこの建物。縁あって手に入れた徐さんは2年の歳月をかけてリノベーションを施し、2016年末に「台湾花磚博物館(台湾マジョリカタイル博物館)」としてオープンしました。
館内は1F+2F+ロフト。エレベーターはありません。写真は1Fの様子
その後、再改装を経て2022年9月にはリニューアルオープン。地方都市の片隅にある小さな個人博物館ながら、今では台湾のみならず、世界各国から多くの観光客が訪れる、マジョリカタイルを代表する場所となっています。
4│解説:マジョリカタイルに隠された願い
1800年半ばにイギリスで販売された装飾タイルがはじまりだというマジョリカタイルは、イタリアの錫釉陶器(マヨリカ焼き)を模して作られたと言われています。日本でも大正時代から昭和初期にかけて生産され、台湾、マレーシア、タイ、シンガポールなどのアジアを中心に輸出されていました。それが和製マジョリカタイルです。
さまざまなデザインのマジョリカタイル
日本統治にあった当時の台湾では、富裕層の家屋の装飾(例えば屋根・門・壁・浴室・厨房など)に富の象徴として使われてきました。パイナップル・桃・ブドウなどの果物、孔雀・蝶・フクロウなどの生物、蘭や薔薇・牡丹などの植物……どれも平安や長寿、開運など縁起のよい吉祥モチーフばかり。人々はさまざまな想いをマジョリカタイルに託し、飾ったのです。
ここでは、「台湾花磚博物館(台湾マジョリカタイル博物館)」でナビが気になったマジョリカタイルをご紹介します。
【安好健康】
4つのロイヤルブルーの葉っぱ(イヌノフグリ)がモチーフのタイルは、徐館長がマジョリカタイルに魅了されたきっかけを作った1枚なんだとか。台湾のおうちでよく見られるタイルで、家族の健やかな暮らしを象徴しています。写真は4タイルを貼り合わせた図。テレサテンの実家にも多数残されているというこのタイル、ファンなら要チェックです♡
【遊魚戲水】
金魚(ジンユィ)は毎年ゆとりのある暮らしができますようにという意味の「年年有餘(ネンネンヨウユィ)」と、ゴロ合わせで使われています。
古くから珍重されてきた孔雀がモチーフです。孔雀の羽は高官の冠飾りに用いられた貴重なもの。順調な出世街道の証でもありました。そんな孔雀が対になって刻まれたタイルです。
【飛燕永恆】
開花の時期が短いヒエンソウに人生の儚さを重ね、一瞬一瞬を大切に生きよ、との想いが込められています。このタイルを見るたびに身が引き締められそうです!
食いしん坊のナビは、ついついフルーツ柄に目がいってしまいます。特にフルーツバスケットは眺めているだけで幸せな気分に♡そんな果物にはさまざまな意味が隠されていて、ブドウやザクロは子孫繁栄、桃は不老長寿、バナナは子宝・金運・開運成就、リンゴは平安、パイナップルは福招きを表しているんだとか。もう幸せの宝箱状態!
【金菊錦繍】
財と富をもたらすと言われる黄菊がモチーフです。中央にあるのは緑色ですが、タイルを4つ合わせると、黄色の花が現れます。貼り合わせ方で見え方が違ってくるのもマジョリカタイルの魅力です。
5│物販:マジョリカタイルグッズをお土産に
「台湾花磚博物館(台湾マジョリカタイル博物館)」では、復刻されたマジョリカタイルをはじめ、マジョリカタイルをデザインした各種クリエイティブグッズを販売しています。
復刻版タイル
商品はコースター、マグネット、ピンズ、鏡、ジュートバッグ、マスキングテープなどいろいろ。台湾旅行のお土産に、お気に入りを探してみませんか?
※品切れの場合もあります。実際の商品のラインナップは博物館に直接お問い合わせください
6│Q&A:よくある質問
【Q1】見学の際の注意点は何ですか?
①入館はブザーを押してください
ドアはロックが掛かっていますので、見学・入館の際はブザー(ベル)を押してください。スタッフが開けてくれます。ガイドツアー中は少々(10~15分)お待ちいただくことがあります。
②土足厳禁です
90年を越える歴史建築物を守るため、館内は土足厳禁です。入口で靴を脱いで入館してください。靴下の未着用、裸足はOKです。
トイレ
【Q2】トイレはありますか?博物館1階にあります。トイレ内もマジョリカタイルで飾られています。実際の暮らしの中のマジョリカタイルも見学してみてください。
【Q3】分館、支店はありますか?ありません(2025年11月現在)。台北・西門町「紅樓」内にあった「台湾花磚博物館 台北西門分館」はすでに閉館しており、台湾におけるマジョリカタイル博物館はここだけです。
台湾で花開いた和製マジョリカタイル。大正レトロ&昭和レトロを感じに「台湾花磚博物館(台湾マジョリカタイル博物館)」へ足を運んでみませんか?
以上、台北ナビでした。