商売の神様に仕事の成功を頼むもよし、杯筊で未来を占ってもらうもよし、収驚で魂魄を取り戻してもらうもよし。伝統のある寺廟です。
こんにちは、台北ナビです。
今日はMRT「行天宮」駅近くにある伝統的な廟「行天宮」にやってまいりました。「えっ!?お寺にお参りだなんて日本にいるときだけでいいよ~」と思っているあなたも、この記事を読んだらすぐにお参りしに行きたくなっちゃうこと間違いなしです♪
台湾にたくさんある廟のなかで、本日ナビ達がやってきたのは、三国志で有名な「関羽」が奉られている「行天宮」。生涯にわたって「五倫(父子の親、君巨の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信)八徳(仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌)」を堅守した関公(関羽)は現在商業の神として奉られています。
関公を中心とした5人の神、「呂洞賓恩主(剣仙)」「張単恩主(かまどの神)」「王善恩主(三眼雷神)」「岳飛恩主(宋代の名将)」は「五聖恩主」と呼ばれています。お参りの際には彼らを敬拝します。
踏まないように気をつけて
さて、さっそく境内の中へ入りましょう!
ここで気をつけなくてはいけないのは、境内の入口にある段差。転ばないように…ではなく、作法として踏まないように気をつけてください。ここ以外にも「請勿踐踏(踏まないでください)」と書いてあるところがあるので、その場所は踏まないように気をつけましょう。左足から入ります。
中に入ると、水のみ場と手を洗う場所が。「手を洗う(身を清める)」=「心を洗う(心を清める)」ことがとても大切なので、まずはここで身を整えましょう。
反対側には水のみ場が。参拝者は自由に飲んでいいようです。そばに紙コップがあるのでそれを使いましょう。紙コップには「讀好書(いい本を読みましょう)」「說好話(いいことを話しましょう)」「行好事(いいことをしましょう)」「做好人(いい人になりましょう)」と書いてあります。
涼しい~
境内にはいるとモワッとした白い煙がナビ達の視界を覆います。
お線香の煙かな?と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、現在市内のど真ん中にある行天宮では、環境保護のためお線香を禁止しているのです。つまりお線香の煙ではない…。
では、その正体とは!?煙の正体はなんと「ミストシャワー」。夏場だけ霧をだしているんだとか。夏の台湾は気温が高く、日本同様、熱中症気味になるため、少しでも冷気を保つためにそうしているのだそうです。煙にも見えるし、涼しいし、一石二鳥かも…?
日本語のパンフレットのある棚
そばには行天宮の日本語説明パンプと、モニターには日本語のガイドが。
まずはこれを確認してから行動したほうがよいでしょう。
さて、ここに来たからにはやっぱりお参りしなくっちゃ!でも、どうやるのかなーとあたりを見渡すナビ。うーん、みんななんだか日本とは全然違うやり方でやっているみたい。どうしようかな…と、境内をうろついてみます。そしてなにやら立て札を発見!近づいてみると、なんとそこには台湾式のお祈りのやり方が!
じっと見ていると、係員の女性が近づいてきて、ナビに教えてくれるそうです。これは頼もしい!もちろんお願いて、では実践!しどろもどろになりながらもなんとかやり方を覚えました。
簡単に説明すると、まず台の前に立ち、右足を台に沿わせるようにくっつけます。そのまま左ひざを台にのせ、続いて右足。てのひらをあわせて胸の前にもっていき、おじぎ。その後上体を倒して、手の平を上に見せるように台にくっつけます。文章だと伝わりにくいので、皆様も実際に行天宮にいってやってみてください!
ちなみに手のひらを上に見せるのは女性、男性は手のひらを下にむけます。これは昔からある「陰と陽」の考え方で、女性は陰で男性は陽という考えからきているためです。よーくみたら動作の一部が男女で異なるので皆さんも見つけてみてくださいね!
これでやり方をマスター!かも?
順々にお参りしたあとは…台湾式おみくじ擲杯で占い♪
順番が書いてあります
お祈りの動作を学んだら、さっそくお参りしましょう!
お参りする場所の順番も決められていて、まず前殿に向かい「玉皇大帝」を敬拝します。次に正殿に向かい先ほど説明した「五聖恩主」を敬拝します。次に関聖太子平を敬拝し、最後に周倉恩師を敬拝します。
お祈りが終われば、つぎは擲杯で占いをしましょう~。ちなみに、「擲杯」とは赤い三日月型の木片(この木片は杯筊とよばれています)を投げ、「
聖杯(裏と表の組み合わせ、
YESの意)」が出ればOK!という占いです。「
陰杯(両方とも表の組み合わせ、
NOの意)」や「
笑杯(両方とも裏の組み合わせ、
判断不可)」が出ればやり直し。心の中で「神様、私のお願いは「○○○○○が×××××」なんですが、おみくじを引いてもいいですか?」と聞きます。YESがでたら引いてよし、NOだったらやり直し…。といった感じ。
注意しなくてはいけないのは、「
自分の名前、
生年月日、
住所を告げること」です!これが守れないといつまでも「聖杯」が出ないかも…!?ではでは、やり方も覚えたところでさっそく占ってみます。結果は…一発で「聖杯」!最近いいことづくめだからなあ、とにかく嬉しい気持ちでナビの心は満たされました♪
でもここで安心してはいけません。次はおみくじの番号を引くための擲杯をしなくてはいけないのです。「おみくじを引いていいですか?」という質問と、「この数字でいいですか?」という質問をしなくてはいけないとは…一筋縄ではいきません。
まずは番号の書かれている棒を一本引き、数字を覚えます。そこで神様に「この番号でいいですか?」と聞きます。YESだったらその番号のおみくじをひき、NOだったらやり直し…という感じです。そしてナビはというと…。え~、全然YESにならない~なんで~??さっきので全部の運を使い切っちゃったの?と思いましたが、なんとか5回目の正直でYES。あーよかった。さっそく番号のおみくじを引きにいきましょう♪
解説してくれる方は、たくさんいらっしゃいます
5回擲杯を繰り返し、ようやくお許しをもらったナビはおみくじを引きにいきます。番号がたくさん書かれた棚から自分の番号のおみくじを一枚引きます。でもわかるのは「中吉」というところだけ。
ナビ同様、う~ん、でもちょっと読めないな~、と思った方も安心してください!ここには日本語で説明してくださる方がいらっしゃるので、その方に解説を頼んでみましょう!
吳馮乖さん
おみくじの内容がまったくわからないナビは、おみくじを解説してくれる人がいるカウンターへ向かいます。カウンターには吳馮乖さんがいて、日本時代に教育を受けた方なので、きれいな日本語で解説してもらいました。
「お願い事は?」「仕事のことでちょっと…」というと、「大丈夫、うまくいくと出ているわよ」…と。ひとまず安心。占いの解説をしてもらったナビはいくつか呉さんに質問することにしました。呉さんはここで50年勤務していて、朝6:00からお昼の2:00までここのカウンターにいるそうなので、日本語での解説が必要な方はこの時間帯がねらい目。呉さんはナビ達にお守りを渡してくれました。彼女曰く、「これをもって、神様にありがとうございました、というのよ」とのこと。いろいろなことを教えていただきました。
お守りを使ったお参りの方法を教えてくれました
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これがそのお守りです
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びっくりした心を落ち着かせる収驚
さて、本日最後のイベントです。毎日11:20からやっている収驚をナビも体験しちゃいました。
「収驚」とは、驚いたときに体から抜けた魂魄(こんぱく)を体に戻すことをいいます。バイクや車がたくさんいる台湾の道路。思いがけず事故現場を見てしまったり、普段の生活でびっくりしたり、心がザワザワすることに遭遇した人々が訪れたりしているそうです。赤ちゃんの夜泣きにも効くそうで、老若男女、さまざまな人がならんでいます。
並ぶときの注意事項
列の先頭に立て札があったので、ちょっとチェック。要約すると、「収驚の列に並ぶときは静かにすること。会話も携帯電話も飲食もガムもダメ」ということでしょうか。並んでいるうちから祈祷は始まっているのかな?
もうひとつ注意することは、肩にかけるタイプのカバンを持っている人は体の左側にかけること。これは収驚を右側から行うので、邪魔にならないようにするためです。
いよいよナビの番がまわってきました。なにやら聞かれますが、台湾語で名前を言ってくださいとのこと。自分の名前を台湾語で言えない場合、もし中国語読みでわかるなら、中国語読みで答えましょう。でも台湾の神様は有能なので、日本語でもOKです。
名前を告げたら収驚が始まります。実際に収驚をしてもらったナビの感想はというと…。なんだか心が落ち着いた気分。じつは最近変な夢ばかり見ていたのですが、収驚をやってもらった日の夜はそんな夢もみることなくよく眠れました。ナビの魂魄も知らず知らずのうちに抜けていたのかも…?なんだか最近疲れているな~という人は収驚で魂魄を取り戻せば元気になるかも。