避暑に行きましょ♪中部の奥座敷「清境農場」でイチオシのすてきな民宿
こんにちは、台北ナビです。
今回は南投県の仁愛郷にある中部最大の避暑地、清境農場にやってきました。周辺では山の斜面を利用してたくさんの民宿がありますが、その中でもホスピタリティと環境のよさで海外の利用客にも大変人気の高いのが「明琴清境荘園」です。
まずは動画で民宿の様子を見てみましょう!
台湾の軽井沢―清境農場
日本ではまだあまり知られていませんが、清境農場一帯は台湾の人に大変人気のある避暑地。冬場は降雪のある合歓山にも近く、中央山脈の美しい山々、霧と雲海の碧湖、山肌に欧風建築の民宿が点在する風景は、都会に住む人々を魅了してやみません。最近では口コミで海外にも伝わり、香港、シンガポール、マレーシアなどからも訪れる人が増えています。
台14号線の霧社から清境農場に行くルートの半分あたり、案内板に従って左手の小道に入っていきます。坂道をたどっていく両側には季節の花々が咲き乱れ、高原の風に揺れる様子は都会の喧騒を一気に忘れさせてくれます。3分ほど登ったでしょうか、やっと「明琴清境荘園」の中心棟、A館に到着。他にB館、C館、D館という独立した建物がありますが、建物同士も離れていて周囲に十分なガーデンを配しているため、密集した感じはしません。このお庭だけでも来る価値はありますね。
フロントスタッフとミニーさん(右)、日本でいうところの「若おかみ」です
A館の1階はフロントとレストラン、2階と3階は客室になっています。ナビがロビーで休んでいると、ジェネラルディレクターのミニーさんが登場。いろいろ教えてくれました。温度計を見たナビ、つい質問。「とっても快適なんですがクーラー23℃は低すぎませんか?」「いえ、クーラーはつけていません。外と同じ温度です。」(ミニーさん) え~!!台中市では連日30℃を越えている時期に23℃!それに湿度も低いみたい。お肌がサラサラします。
「うちの民宿の位置で海抜1700m。1000m上がるごとに気温は6℃下がりますから。」ちなみに台中市の海抜は100~400m。同じ台湾とは思えないほど別世界にきた感じがします。
気温に驚いたナビですが、外のウッドデッキに出てみるとさらなる感動が。何層にも連なる山々、それに緑の湖の大きな展望が目の前にひらけて、思わず「きれい~」と声を上げてしまいました。明琴清境荘園から見える湖は碧湖(正式名称は萬大水庫というダム湖)、蒋介石が故郷にある碧湖を思い出すということからこう名づけられたのだとか。ABCDのどの館からもこの美しい湖と周辺の山々が見渡せます。
早朝の雲海
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チェックアウトしたお客さんが名残惜しそうにながめていました
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「明琴」という名前の由来は、オーナー夫妻の名前を一文字ずつとってつけられたのだとか。世界中を旅した経験を元に民宿を建てましたが、利益を追う経営者という立場でなく、自分たちが旅人の気持になって一番の思い出を残せるような宿に作り上げたそうです。広さ5ヘクタール、圧巻のガーデンはもちろん、無農薬。有機栽培にこだわった野菜の自給自足、どんなに小さなとこにも違法建築をせず、排水など周辺の環境にも十分な配慮をしています。
初夏の季節、ガーデンの斜面にはアガパンサスが満開。青や白の優美な姿を風になびかせています。アガパンサスは台湾で別名「愛琴花」。オーナーが奥さんに「僕は君に1本の花をあげたこともないけど、この庭一面の愛琴花を贈るよ」と植えたのだとか。なんてロマンチック~。でもこの花のない季節はどうするのだろうと野暮なことを考えてしまったナビですが、ご安心ください。次の季節は水仙百合、冬場は海芋(カラー)がお庭を彩るそうです。
お部屋共通の備品
各室共通の備品はこんな感じです。
テレビのリモコンはMODの機器にむけて操作することをお忘れなく。電話は館内専用で外にはかけられません。全館で無料インターネットWi-fiが使用できます。携帯電話の接続で「mg」で始まるWi-fiを選択し、パスワード「mgcom」を入力します。
全面引き戸で開放感あふれるバスルームにはシャワーブース、洗面台、浴槽、トイレ。トイレはウォシュレットではありません。トイレットぺーパーはティッシュタイプ。
ゆったりとしたバスタブに滑り止めマット
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タオルはバスタオルとフェイスタオルの二種類
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お部屋紹介
清境農場附近では環境保護のため建物は3階建てまで、安全対策や建築面積など、細かい制限があります。明琴清境荘園の客室は4館合わせて38室あり、各館のお部屋の形はいろいろ。ツイン、ダブルベッドのスイートから3名様用、4名様用、屋根裏型のファミリールームなど、それぞれのお部屋にデザインコンセプトがあり、ホテルとは違った民宿ならではの温もりを感じることがでます。
英国風/アメリカ風クラシック・レイクビューツイン (英・美)古典景観客房
英国風/アメリカ風クラシック・レイクビューダブル (英・美)古典景観客房
1階のお部屋には小庭がついています
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2階のお部屋はベランダつき
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景観のないお部屋もありますが、「日本のお客様には必ずレイクビューのお部屋を用意します。」とのことです。
自給自足、とれたて安心の食材で料理
レストラン「芙莎栗Physalis」
こちらの民宿では食材の安全にとことんこだわって、できるだけ自家菜園で栽培。それ以外も産地や栽培法などしっかり分かっている食材を使用しています。豆乳ひとつをとっても、非遺伝子組み換えなのはもちろん、その栽培法が国際組織で安全の認証を受けた大豆を探すのに3年もかけたそうです。モーニング以外は外部にも開放しているので、宿泊しない方でも景観レストランとして利用できます。
これは?見かけない植物ですが、樹藩茄(タマリロ)と灯籠果(食用ホオズキ)。灯籠果はレストランの名前にもなっています。台湾の平地では育たないそうで、こちらではフルーツ感覚で生のままいただけるほか、ジャム、ビネガー、麺などに加工したものも手には入ります。食べられるホオズキに驚いていたら、ミニーさんが「ケーキの飾りフルーツとしてもベーカリーなどから注文がくるんですよ。」ですって。そういわれれば・・・デコレーションケーキについている謎の実で騒いだことがあったような~。
◇モーニング 7:30~9:00
碧湖からあふれて霧社の方へ下っていきます
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カードキー入れに入っている食券をお忘れなく
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清境の清浄な空気をいっぱい吸って熟睡したら、すがすがしい朝が待っています。早起きして雲海を見るのもいいですね。自家製野菜や果物をふんだんに使ったモーニングを楽しみましょう。中華と洋風があり、葱油餅や刈包などの台湾小吃(シャオツー)は海外の方に人気。こだわりの豆乳に自家製の葱をたっぷりのせたフランスパン。葱があまくて美味しい~。カボチャやキャベツなどのスープも絶品でした。
◇ランチ&ディナー 12:00~14:00 17:30~20:30
北海道魚腹飯セット 330元
ランチには通常メニューのほかにお手軽な軽食セットあり(スープとくだもの付き)。ベジタリアンセットやお子様セットもあります。ディナータイムは通常メニュー+ビュッフェ。ビュッフェは18:00と19:30の2回入れ替え。宿泊のお客様はレストラン利用時、割引があります。
明太スパゲティセット 380元
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火鍋セット 480元
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シーフードプレートセット 880元
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アンガスショートリブステーキセット 880元
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◇アフタヌーンティー 14:30~16:30
英国式のハイティーと飲み物のセット。350元
特にハーブティーはすべて自家製ハーブ。刻々と変化する山の風景を眺めながらいただいていると時間のたつのを忘れてしまいそうです。
おすすめ!オーナーによる園内ガイド
サングラスがかっこいいオーナーさん
明琴清境荘園に泊まったらチェックアウトする前にぜひ参加をおすすめしたいのが毎朝8時~9時の園内ガイド。実はオーナー自らが案内してくれます。ユーモアを交えた植物解説はとってもおもしろく、「これを玄関に植えておくとお金が入ってくるよ~(オーナー)」。「ほぉ~(皆さん)」。「これは貧血に、こっちは便秘にきくよ~」。と説明を続けながら、すかさずポケットからビニール袋を出して、「袋はいくらでもあるからね~どんどん摘んで~」。皆さん、とってもうれしそうに摘み始めます。
食べたらシナモンの味がする葉っぱ。
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思いっきり摘んでいる方も
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こちらは参加者のお一人、日本在住の邱さんと台湾のご両親。こちらの民宿を選んだ理由をうかがうと、「他にも候補の民宿があったんですけど、こちらはネットの口コミが良かったので。」とのこと。そういえば他のお客さんの中にも4回目というリピーターがいらっしゃいました。ガイド最後のシメはなんと高価なアガパンサスの切花プレゼント。ハーブの苗も「たくさんあるから、いくらでも持ってって~」ですって。
出発時間も近づいてきた頃、スタッフがみんな若いので、もしかして離職率が高いのかもと思ったナビ、ミニーさんに聞いてみました。「日本だと旅館の接客スタッフはベテランほど信頼感がありますが。」「いえ、台湾では若い人ほど思考が柔軟で、変化も受け入れやすいんです。それにうちはお客様の荷物をお部屋まで運ぶサービスをしているので体力が必要。だから若い人を優先して採用しているんです。」とのこと。そういえば・・・ナビが最初出された甘いお茶にちょっと変な顔をしていたら、次からは何も言わないのに甘くないお茶を出してくれたり。どの接客スタッフもお客様をしっかり見ているなあという印象を受けました。
日本語DMも完成!
「おもてなし」の表現はもちろん国によってさまざまですが、その心は共通のよう。清境のさわやかな気候とともに心に残る人とのふれあい。ぜひまた来てみたいと思ったナビでした。