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日本統治時代の建物と、台湾現代美術の見事なコラボレーションを楽しみながら、素材厳選の創作料理を堪能!今日はちょっぴりぜいたくな時間を過ごしてみませんか?


こんにちは。台北ナビです。

今回は今話題のカルチャースポット「松山文創園區」内唯一のレストラン、「小山堂」というお店にやってきました☆「松山文創園區」は、日本統治時代に建てられた煙草工場をリノベーションしてオープン。2011年秋には「台北世界デザイン博」の会場にもなった場所です。その中にあるレストランとあって、古い建物を再利用したノスタルジックな雰囲気が魅力のこちらのお店。内装はレトロでも、料理は新しい分野にチャレンジしています。ステキな空間で、素材にこだわったオシャレな無国籍料理が楽しめるとっておきの一軒。さっそくご紹介しましょう!

老建築を生かしてリノベーション。レトロで広々とした店内

1930年代の建物をリノベーションした店内

1930年代の建物をリノベーションした店内


今回ご紹介する「小山堂」は、1937年に建てられた「松山煙草工場」の建築物を利用してオープンした「松山文創園區」の中にあります。レストランの建物は、もともと煙草を作る機械を修理するところとして使われていました。そのため敷地は約300坪とかなり大きめ。当時の外観をそのままに、屋根瓦や窓ガラスなど一部を改装して使っているので、長い月日を経た趣あるスペースになっています。また天井や窓枠、テーブルなどにすべて木を使っていることから、冬は暖かく夏は涼しい、空調いらずの快適な空間を実現。外は工場時代から残っている大きな池に向かってオープンテラスになっており、自然を眺めながら食事を楽しむこともできます。
ぬくもりある木の扉

ぬくもりある木の扉

メインの長ーいテーブルも木製

メインの長ーいテーブルも木製

店内ではデザイングッズの販売も

店内ではデザイングッズの販売も

バレンタインデー前だったので、かわいいハートの飾りが

バレンタインデー前だったので、かわいいハートの飾りが

こんなオシャレなグッズも売っています

こんなオシャレなグッズも売っています

お店の名刺も凝ってます☆

お店の名刺も凝ってます☆

台湾の有名ガラスアートの工房がプロデュース

実はこの「小山堂」は、台湾各地に店舗を持つ有名ガラスアートのお店「琉璃工房」がプロデュースしているんです。「琉璃工房」は1960年代に活躍した映画監督の張毅と女優の楊惠姍夫妻が、映画界から転身し、1987年に立ち上げたガラス工房。畑違いの2人が一から始めた芸術であり事業ですが、長年に渡る活動を経てその価値を認められ、今では中国の故宮博物院や、奈良の薬師寺にも作品が置かれるまでに。台湾各地にギャラリー兼ショップを展開し、三越やそごう、台北101にも店舗があるので、見たことのある方もいるのではないでしょうか。すでに中国の上海では、この工房がプロデュースしたレストランが開店し、店舗数を増やすまでにまで成長しているそうです。
店長の尤志宏さん

店長の尤志宏さん


「小山堂」は、記念すべき台湾第1号店。台湾の歴史を刻んだ「松山文創園區」に、現代台湾を代表するガラス工房が錦を飾ったというわけです。今回ナビがお話を伺ったのは、店長の尤志宏さん。上海のお店でスタッフとして働いていた尤さんは、台湾1号店の開店にともない、店長として故郷に帰ってきたそうです。そんな店長にまずは気になる「小山堂」という店名の由来について聞いてみたのですが、これが少々難しく、易経という占いで決めたということでした。易経で導き出す八卦と呼ばれる模様の中に、「謙虚」「謙遜」という意味が込められているのだとか。そこには故郷に1号店を出すにあたって、謙虚にまた一からスタートしよう、というお店とスタッフの強い決意が表れているそうです。てっきり“小山さん”という日本人と関係でもあるのかと思っていたナビでしたが(汗)、日本人にも覚えやすいこの店名には、もっと深くてきちんとした由来があったのですね。

「琉璃工房」の世界観を反映したオシャレな店内

ガラスアートのバーカウンター

ガラスアートのバーカウンター

近くで見るとこんな感じ

近くで見るとこんな感じ

胡蝶蘭のモチーフがあちこちに

胡蝶蘭のモチーフがあちこちに

ソファー席も華やかです

ソファー席も華やかです

レストランの隣には「琉璃工房」のギャラリーが併設されているので、工房の世界観がお店に反映されているのがよくわかります。たとえばお店の南側にあるバーのテーブル。なんと600片ものガラスアートを組み合わせてできているんです。熱したガラスを型に流し込む工房独特の製法で作られているのですが、ひとつひとつ手作業で行われているので、すべてが違う表情を持っています。この手作りならではの不規則さが、バックライトを浴びた時に独特の採光を放って、お店全体を暖かみのある空間にしています。また、テーブルの形や椅子、ソファー、スタッフさん達の制服に至るまで、ガラスアートの主要モチーフである胡蝶蘭が散りばめられています。女性好みのあでやかな雰囲気は、この花柄が一役かっているようです。
照明とのコーディネートもステキ☆

照明とのコーディネートもステキ☆

ギャラリーからお店への通路

ギャラリーからお店への通路

トイレも一見の価値あり トイレも一見の価値あり トイレも一見の価値あり

トイレも一見の価値あり

シンボルは2匹のアヒル


さらに目を引くのが大きなアヒルのオブジェ。親子のように2羽が並んでいて、大きい方は背中、小さい方は頭の部分がガラスで飾られています。これは上海にある工房の博物館から、わざわざ運んできたもの。「小山堂」の前にある池にはたくさんのアヒルが住んでいるので、お店のシンボルとして置かれることになりました。店にやってきた子供たちに大人気だそうです。それから内装といえばもうひとつ、お店の北側には映画のポスターがたくさん貼られているんです。主に映画界出身のオーナー夫妻が関わった作品や楊惠姍の写真などで、ガラスアートとは直接関係ありませんが、これはこれでノスタルジックな店内とマッチしていました。

広々とした店内とテラスで、時間を気にせずくつろげる

『松山文創園區』は園内すべて禁煙なので、もちろん店内も全席禁煙。小さい子供連れでも安心なので、ファミリーもたくさん訪れます。天気のいい時にはオープンテラスでゆっくりくつろぐもよし。温もりある店内でのんびりするもよし。自由に楽しんでもらっています」と尤さん。取材に行った日もお天気がよく、オープンテラスには家族連れや、ペットの犬と一緒に休憩している人たちを見かけました。夜は夜で雰囲気のいいバーとして、サラリーマンやOLさんなど、若いお客さんで賑わうそうです。園内唯一のレストランなのですが、とにかく広くて店内は180人、外のテラスも60人分の席がありますので、混雑の心配も不要です。何しろ300坪ですから、テーブルの配置を変えれば200人弱でも収容可能とのこと。会社の新年会や忘年会など貸切パーティーも受け付けていて、パーティーの際にはお客さんのニーズにあった演出や料理を提供しています。2011年秋に「台北世界デザイン博」が開催された時は、「世界デザイン協会」のパーティーが盛大に開催されたそうです。
池に面したテラス席

池に面したテラス席

ペットはテラス席で!

ペットはテラス席で!

200人でも収容可能な店内

200人でも収容可能な店内

いよいよメニューを拝見☆ドリンクの充実ぶりにビックリ

さあ、これだけのステキなロケーションと開店までのストーリーを聞いてしまったからには、どんな食事が楽しめるのか期待が膨らみます☆さっそくメニューを見せてもらうと、さすがバーがあるお店、ドリンクメニューの充実ぶりが目を引きました。中でもひと際多いのがワイン。ワインリストにずらりと20種類以上並んでいます。そういえば、「琉璃工房」のギャラリーから「小山堂」へとつながる渡り廊下に、ガラス張りの大きなワインセラーがありました!台湾人の味覚に合わせて銘柄が選ばれているんですが、台湾の人たちは白より赤が好きなので、赤ワインの種類の方が豊富です。ほかにも各種カクテル、ビールもあります。ビールは世界各地のものを取り揃えていて、日本のキリン、アサヒ、エビスがいつでも飲めるだけでなく、本場ドイツやシンガポールなどアジアのビールもあるんですって!しかも昼間でもオーダー可能とのことなので、時間を気にせずゆっくり楽しめますね~。お酒が飲めない人も、カフェラテ、カプチーノ、エスプレッソにアメリカンコーヒーと豊富なカフェメニューが揃っていますからご心配なく☆
大きなワインセラーが!

大きなワインセラーが!

カフェメニューも充実

カフェメニューも充実

季節や素材によってフレキシブルに変化していくメニュー

つづいてお料理です。さっそくメニューを…と見ていたのですが、尤さん曰く、「今はこのメニューに載っている料理を提供してるわけじゃないんです。季節や手に入った素材によって、そのつど新鮮な料理をお届けしたいと思っています」とのこと。そういうことならオーダーは店長さんにお任せしましょう。尤さんおすすめのメニューは、前菜、メイン、ご飯ものというコース風。見た目も美しい創作料理が並びます。料理のスタイルは決まっておらず、あえて言うなら無国籍料理。季節や素材によって今後もどんどん新しいことに挑戦していくそうですよ!「基本は洋食ですが、作り方はイタリアン寄り。今日も明太子やカラスミを使った料理がありますが、これからはもっと台湾やアジア各地の素材を生かしたメニューを取り入れていくつもりです」。日本統治時代の建物に新しい台湾文化が融合したこの空間でいただくには、ピッタリのお料理ですね。ではでは、さっそくいただきましょう☆

焗烤明太子馬鈴薯皮 ポテトと明太子のグラタン 
ジャガイモの皮の部分をカップにした一口サイズのグラタン。明太子の風味といい、日本人の口に非常に合います。

香烤和風松板豬野菜沙拉 野菜と松坂豚の和風サラダ 
燻製風に焼いたポークがおいしい野菜たっぷりサラダは、和風の味付けでさらにヘルシー。女性に嬉しいメニューです。

松露干貝烏魚子有機米燉飯
ホタテ貝とトリュフの有機米リゾット、カラスミ添え 
台湾名産のカラスミをトッピングしたイタリアン。ぜいたくなシーフード類のうまみがこだわりの有機米に絡んでおいしい!

爐烤春雞配炭烤蔬菜 ひな鳥と野菜のロースト 
酸味のあるソースでいただくメインディッシュは子供も喜びそうな優しい味わい。

燒烤虎蝦佐鮮蔬和XO醬燴白豆
クルマエビ(ブラックタイガー)と野菜のグリル、XO醤とホワイトビーンズのうま煮 
メインのクルマエビはビッグサイズで、身も引き締まっているので、かなり食べ応えのある一皿。ホワイトビーンズがさっぱりしたアクセントを加えています。

以上の料理にはパンとスープがつきます。リゾットに使われているお米は、「鴨間稲」と呼ばれる有機米。その名の通り、アイガモを田んぼに放ち、エサとして雑草や害虫を食べさせる栽培方法で、農薬をいっさい使っていないので、とても体に優しいんです。このほかチキンや海鮮などの素材も台湾各地で厳選されたものばかり。こだわりの一皿は一期一会。ぜひその出会いを楽しんでみてください。そして最後はやっぱりデザートで締めたい!という要望にもバッチリ応え、カフェメニューにピッタリのスイーツも豊富です。

熱帶風情鳳梨塔 熱帯風パイナップルパイ 
やっぱり台湾といえば南国フルーツ!パイナップルスイーツ!さすが天然の甘さが効いています。

銀河之星巧克力慕司球 銀貨の星チョコレートムースボール
甘いものには目がない!という方にはチョコレートメニューがおススメ。見た目はポップですが、かなり濃厚な甘さになっています☆

ほかにもおいしそうなスイーツが…

ほかにもおいしそうなスイーツが…

ショーケースに並んでいます☆

ショーケースに並んでいます☆


いかがでしたか?台北市内を探しても、これだけ広い場所で、豊かな緑を眺めながらお酒と食事の両方を堪能できるお店はあまりないと思います。300坪の店内は隣の席も気にならず、思いのほかお喋りが進みますよ!お店のある「松山文創園區」にはほかにも見どころがいっぱい。1日園内を回っても、「小山堂」でくつろげば疲れが吹き飛ぶこと間違いなしです。ぜひゆったりめのスケジュールで独特の空間を満喫してください!以上、台北ナビでした。


記事登録日:2012-03-02

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2012-03-02

スポット更新日:2014-07-17

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