台湾の伝統料理は台南にあり。そんな台南料理を故宮のそばで食べてみませんか?
こんにちは、台北ナビです。
台湾の観光スポットのひとつ故宮博物館は、実はすべての収蔵物を見ようと思ったら、人の一生をかけても見終わらないといわれる博物館なんです。そりゃ、世界の四大博物館の一つですから当然ですね。中に収蔵されている一つ一つは値段が付けられないほどの宝物なので、当然館内では「火」の使用は厳禁、そのため、館内には、喫茶スペースはあっても、本格的レストランがありませんでした。
そんなところに2008年の5月に彗星の如く現れたのが、なんともリッチな外観の大型高級レストラン「故宮晶華 The Silks Palace」。「故宮は一日じっくりかけて見学したいの」という人にとっては、何よりもうれしいプレゼントだったでしょう。そのきらびやかな外見に、「見るだけにしておこう」と躊躇する人もいるかもしれませんが、意外や意外に、手頃な値段で目いっぱい食事ができるスペースもあるんです。午前中に故宮に行こうと思っている人、付近にはここのほかにレストランがありませんから、要チェックです。
さて、この“故宮晶華”は地下2階、地上3階建ての大型高級レストラン。見た目はとても高級で近寄りがたそうですが、地下2階のレストランは、予算一人約300元ぐらいからととてもリーズナブルに、台湾料理を食すことができます。大学生の貧乏旅行や、あまり食費にお金をかけたくない人にはぴったりの場所といえます。
ちょっとフードコートっぽいような、学食的な雰囲気がある地下レストラン「府城晶華」は、台湾(台南郷土)料理のお店ということもあって、内部におかれているものは、「レトロ」感覚なものがたくさん。ナビは個人的に「何か、一度来たことがあるような…」とデジャブのようなものを感じました。しかし一番奥の壁紙を見た時に、そのデジャブが鮮明な記憶となって蘇りました。…あっ、このお店は台南の「赤崁但仔麺」だ!…
さっそく、レストランの担当者の人に「なんかどこかで見たことがあるようなレストランなんですが、デザイナーはどなた?」と聞くと、「あっ、ここは、台南の「赤崁但仔麺」とのコラボレーションでできたレストランなんですよ」というではないですか。BINGO!!ナビも伊達に数々の取材をこなしてきたわけではないな。と自分で自分をほめました。
椅子の背もたれには、瓶の形。
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これがナビの記憶を呼び戻した壁写真です。
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懐かしい赤い花柄の布。レトロにはなやか。
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レトロな昔の厨房
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“「台湾の小吃」を堪能したいならば、台南に行くしかない”とは、台湾ツウならだれでも知っていることで、台湾人でも食い倒れ旅行で台南に遊びに行くほど。この「府城故宮」の元のお店、「赤崁但仔麺」は、ローカルメニューをメインに出す“台南の人気レストラン”でいつも老若男女問わず、人であふれています。看板メニュー但仔麺を筆頭に、滷肉飯 米糕 虱目魚 棺材板 碗稞などなど郷土色が強く、その味も、台湾独特の香辛料を使っているため、要するに「外国っぽい香り」がいい意味でも悪い意味でも漂います。
今日ナビは、張りきって「一番高いコースを!」と注文しました。せっかくの高級レストランなんだからと思ったのですが、なんと、「おひとり様450元です」と気の抜けるような返答が返ってくるではありませんか。えっ450元?これで?9品も出てきます。さらには、350元のコースもあるというのです。
全体的にすべてが一人前に作られていて、小ぶりのお皿なのですが、十分お腹いっぱいに食べられました。澱粉質ものが多く、モチモチっとした食感のものが多く見られます。
まずは最初に、蜜銭果物の蜜漬けが前菜として出てきます。これも台南の安平というところの名物。果物の砂糖漢方漬けのようなもので、これが前菜!?として出てきます。デザートも手作り豆花とフルーツで占められますが、豆花は手作り感のあるちょっと硬めの豆腐でした。
看板メニューの麺
ここのお店の一番の目玉は
担仔麺(65元)。今日は黄色の卵麺を出してもらいましたが、他にもビーフンなどがあります。台南では、度小月と並ぶほど有名なお店なのですが、そぼろ肉の中にスパイシーなにんにくのすりおろしが入っていて、麺と一緒にツルツルズッと一気に食べられる麺なんです。ずっと台北で食べれないのが悔しかったナビでしたが、ここで食べれるようになったのは、本当にうれしいことです。
モチモチすり身系
黄金炸蝦捲(180元)
海老巻き。魚と海老のすり身を揚げたような海老巻きも台南の名物。すり身がとっても甘くまろやかで(砂糖の甘さではありません)、ピリリとした涼やかなわさびソースが合うんです。
モチモチでんぷん系
台南碗稞(45元)
お次はさらに濃厚度が増す碗稞。米汁をおわんに入れ、お碗ごと蒸して作られた、米汁茶碗蒸し。いかにもな郷土料理。シイタケの香りがムンムンとして、濃厚な茶碗蒸しとおこわの中間ポイントを併せ持つ料理という感じです。
ホクホクご飯系
迷你狀元粽(40元)
台湾の家庭の味を代表する「粽」。さすがに一人一つは大きすぎるので、このコースで出される粽は、一口サイズのミニ粽でした。可愛い三角形の粽ちゃんは、見た目は同じですが、北と南で作り方が違うんです。南部は具をそのままモチ米と一緒に蒸して作るんですよ。
安平港虱目魚肚粥(180元) 虱目魚とはサバヒーと読む魚で、台湾でも嘉義南部から台南にかけてでしか養殖ができない魚です。ミルクのようなまろやかさがある油がたっぷり乗った魚で、お粥にして朝ごはんに食べるのが台南の人の伝統的朝食スタイル。台北ではなかなか食べられないお魚をぜひどうぞ!これもコースには含まれません。
その他珍し系
古早味滷猪脚(180元)
台湾人にとっては、ステーキよりも御馳走の豚足。カリカリではなく、醤油っぽい甘辛いタレにグッと煮込んだ、コラーゲンたっぷりの豚足が、台湾式。この濃厚な独特の味と香り、好き嫌いあるかもしれませんが、白いご飯に合うのは間違いないです。
棺材板(100元) くりぬかれたトーストの中にたっぷりと入ったホワイトシチュー。ベジタブルミックス。この料理の名前は、なんとも恐ろしい「棺材板」というのです(80元)。確かに棺桶っぽい感じもします。クリームシチューを使っているのですが、バターの香りが濃厚で、そのくせあまり「ミルク」の味が濃厚ではありません。台湾式クリームソース。食べ応え満点の料理なので、育ち盛りのお子様に喜ばれそうです。
廟口炊芋稞 (40元)
芋頭糕 ナビが食べたことがある芋頭糕は甘いデザートっぽいものなのですが、これにはそぼろ肉などが入っていて、塩味が利くお料理でした。ほっくりとした素朴な味わいは、ご高齢者の方に喜ばれそう。
ゆったり店内
お店は約200人も収容できる大型ホール…ですが、とにかく週末の正午ともなるとお店は人であふれかえり、長蛇の列が並ぶんですって。この立地条件で、これだけの台南グルメを、あんなリーズナブルな値段で食べることができるのなら、この不況の中、誰でもうなずきのため息が出てしまうことでしょう。
中央には、名物の但仔麺を作る小さな厨房がありますが、ここは、イベント時しか使われません。でも、写真スポットとして、こんな風にナビも写真を撮っちゃいました。周りに置いてあるレトロなお皿は、ガムテープなどでくっつけてありますが、全部陶器の割れものなので、割らないように気をつけましょう。
せっかくだから記念撮影をした台北ナビでした。